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日記/消費

八月三十一日

 今日は『奈良へ』の印税が入っていた。
 結局、引っ越し代ふくめて四十万くらい飛んだ。
 原付を買おうかなと思っていたが、あの立地では必要が無いのでやめた。
 欲しい物を考えていくと、もうエアコンは買ったし、自分には殆ど何も必要が無いことが分かってきた。
 
 ・自転車
 ・本や映画の鑑賞に向いている椅子
 ・TV
    ・中島みゆきのレコード

 これさえ買えれば満足で、あとは

 ・サングラス(これからの時代、恥ずかしがらずに漫画家は眼を紫外線から守るべきである)
 ・茶器
 ・深沢七郎集

 がちょっと欲しい。ほとんど要らないが、有ればよいモノは

 ・仏像
 ・伏見人形
 ・お面

 など。これくらいである。
 自分は服はいつも同じだし、腕時計やサイフなどブランドの小物には全く関心が無い。
 日々、消費することに価値を置くなら、芸能人みたいにブランドでも何でもたくさん買えばよいが、何となく彼らがつまらなそうに見えるのはなんでかと思うだろう。ひらたく言えばアホだから消費でしか心を満たせないのである。しかし消費だけでは根底にある日々の屈託が晴れることはない。だからつまらなさそうなのである。『ファイト・クラブ』や『アメリカン・サイコ』を観て、魂が震えるような真実の人生を生きろ! と言いたい所だがそんな人生は資本主義社会にははなから存在しない。
 ほなら凡庸な人生を生きよっかな〜。と決意したからには何か買うのもよいのだが、あいにく自分には買うものがない。いちばん金を使っている趣味は漫画も含む本だが、残念なことに本はコスパが最強の娯楽で、次々に本を買っても読むペースは一定だから積読が増えるだけなのだ。映画もサブスクにまだ観きれないほど作品があって、デカいTVを買って観るのもよいが、そんなら映画館に通うほうがよい。しかし奈良には名画座はないのだ。
 本当に必要なモノがほとんど存在しない。
 オタクじゃないから何も集めていないし、旅行など行く気もないし。ペットも飼うつもりは今のところ無いし。
 恋人もいないし、酒も煙草もやめたし、ギャンブルもやらないし、コンサートやらイベントもコロナだからそもそも都会に出ない。つまらん大人である。
 一般人に比べると殆ど金を使わないが、不思議なことに、本当に不思議なことにけっして生活が豊かになることがない。

 とりあえず今日は眼鏡があるから要らないと思いつつ、なんとなくコンタクトを買った。
 明日やっと新居に移れる。有意義な買い物はコレくらいだったろうか。しかし、住んでみなければ真価はまだ分からない。

 ところで、この間のふうせんかずらのイベントは満員で、予想より大盛況で色々と助かりました。来ていただいた方々ありがとうございました。
 

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