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ライブハウスの敷居を跨ぐということ

わたしがバンドという音楽にハマったのは高校1年生のときだ

まだメジャーデビュー前だったとあるバンドを好きになったことをきっかけに、そこからどんどん好きなバンドが増えていった

そしてそれに比例するように数多くのライブにも足を運ぶようになった

個人的な好みだがわたしはフェスよりもツアー、対バンよりもワンマンというタイプで
好きなバンドがツアーをするとなれば無理矢理予定を空けてでも行ったし、たとえ自力でチケットが取れなかったとしても譲ってもらったりして
ちゃんと数えたことは無いが、高校の3年間だけで相当数の場数を踏んできたと思う

そんなわたしだが、人生で初めてライブハウスに行くことになった時は物凄くビクビクしたのを覚えている

怖いお兄さんたちがたくさん居るんじゃないか?
こんなガキが来ていい場所なのか?
どんな服を着ていけばいいのか?
ライブハウスのマナーって?ルールって?

そんなことを考えて当日までとにかく色々調べまくった
大袈裟に聞こえるかもしれないが、わたしにとって初めてのライブハウスという場所はそのくらい敷居が高く、怖い場所だった

こんな調子でライブハウスという場所にビビり倒しながらもすっかり慣れ、数年通ってきて感じたことがある
それは、ここ最近でライブハウスという場所の敷居はすっかり低くなってしまったよなあということ。

大前提として、敷居が低くなるということは気兼ねなく誰でも来れる場所になるということである。
多くは地下にあり、一見アングラな空気が漂うライブハウス
実際に足を運んでみれば、そこはアングラでも何でも無くただ音楽を楽しむ場であることが分かると思う
だから敷居が低くなることが完全に悪いことだとは思っていない。

ただ、少なくとも最近のライブハウスは「ただのライブ会場の1つ」になってしまったような気がする。
特にメディアが取り上げていきなりバカ売れしたようなバンドに関しては「どこでライブをするのか」ではなく「誰がライブをするのか」だけでライブに来る人が自然と多くなる

まあ基本はそうなんだけど。好きなバンドだから生で見たくなるし、ライブがあれば行きたくなるし。
それはそうなんだけれども。

ライブハウスという場所が、バンドマンにとってただのライブ会場ではなく特別な場所であるということを
そこは価値ある場所であるということを
そこに初めて足を踏み入れる瞬間に、感じる事ができる人は一体どれくらいいるのだろうか?

なんというか、気兼ねなく足を踏み入れられるようになってしまったが故に ライブハウスという場所自体の価値が下がってしまっているような

最近はそんな感覚に陥ることが多いのである。

まあでもこんなことを言っておきながら、わたしはライブハウスが好きだ

SEが流れてメンバーがステージ横から登場した瞬間にフロアの熱量が上がるあの瞬間も
バスドラの音が全身に鼓動を打つようなあの感覚も
引き換えたドリンクを汗だくのまま一瞬で飲み干すのも

全部全部大好きなのである

多くのバンドマンにとってライブハウスが特別な場所なように
音楽を享受する側のファンも、改めてライブハウスという場所そのものをもっと大切にしていけたらいいですね

そんなわたしの好きなライブハウスは新代田FEVERです。

おわり

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