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雑食!2020年ベストアルバム16枚

※テームインパラとThe1975は当たり前に素晴らしいので入ってません!
※ナンバリングは順位ではありません



#1
Pottery
『Welcome to Bobby's Motel』

トーキング・ヘッズと!!!(チックチックチック)の趣の違うグルーヴが無理なく楽しく同居しているんだからたまらないですよ。たまにドアーズっぽさとかも顔を出すのでもう訳がわからない(笑)。めちゃくちゃデヴィッド・バーンのボーカルもいいじゃないですか!

#2
Choir Boy
『Gathering Swans』

一曲目の段階では「ああ、彼らも80年代好きなんだな」という感じで十把一絡げにしようと思ったけど、聴き進めていくうちに「いや、彼らは心の底からこの手の音に救いを求めてるんじゃないか」と思うようになった。本当のことは分からんけど、多種多様に繰り出される80年代テイストの楽曲の水準はすこぶる高い。そしてこのスミス方向のボーカルの雰囲気がいい。総じてありがちな音楽かもしれない。でも芯が通ってる。

#3
Shinkansen
『新幹線』

おじさんならこういうアルバムをベストに入れなければいけません。ブラジルのスーパープレイヤーが集結したスーパーバンドとのことですが私は全く分かりません。でも一聴した時の心地よさは一流の賜物でしょう。人力による温もりある演奏です。フュージョンのダサさ(超偏見)までは行ってないので耳が疲れたら若い人も聴くといいかもしれません。アンサンブルの一音一音が美しく優しく響いています。

#4
Busty and the Bass
『Eddie』

同じ人力の魅力が尊いバンドでもこちらはボーカル有りのソウル・ファンクバンド。聴き心地としてはあくまでソフトなんだけど、しっかり腰にくるグルーヴはあって、とにかく気持ち良い音楽。カナダのバンドとのことですが初めて聴きました。今後も追いかけたいな。

#5
Dinner Party
『Dinner Party』

実はカマシ・ワシントンもロバート・グラスパーもそんなにハマったことなかったんだけど、このスーパーグループのアルバムは繰り返し聴きました。「新世代ジャズ」「クロスオーバー・ジャズ」とか言われるとちょっと敷居が高くなるんだけど、グループ名のイメージ通り、気負わずラフに作っているのが音から伝わってきました。ジャズとソウル、ヒップホップのバランスがとても良いです。

#6
Daniel Avery
『Love + Light』

こちらはジャケが内容をとてもよく表しているディープなテクノ。ダークテイストで突き進み、終盤はアンビエントテイストでチルアウト。王道を恐れない一貫したストイックなセンスを感じました。

#7
Taylor Swift
『folklore』

これはもう大絶賛の嵐でしたが、しょうがないですよね、こんな素晴らしいアルバムを作られては。続編の『evermore』も素晴らしいですが、ここでは衝撃度の高さでこちらを。2020年の疲れ切った心に沁み入りました。もちろんアーロン・デスナーやボン・イヴェールの助力はあるけど、全てを背負って成長していく覚悟のようなものがひしひしと伝わってきます。そう考えると「伝承」というタイトルも感動的です。

#8
Paul Weller
『On Sunset』


こんなベテランをここに出さなくてもいいとは思うけど、素晴らしい内容だったので…。ホントにこの人は止まらない。枯れない。毎回充実したアルバムを出してくれるけど本作のバランス感覚は英国チャート1位という結果にも表れてるはず。グッドメロディーと滋味に溢れるロック、フォーク、サイケに結構手の込んだアレンジ。なのにサラリと聴かせる余裕がたまりません。

#9
Sports Team
『Deep Down Happy』

Fontaines D.C.やIDLESらと共にインディロック復活の狼煙をあげるバンドですが、抜きん出た陽性さと一癖あるギターサウンドが何度もリピートを誘惑してきます。全ての楽曲がなんらかの爪痕を残して、飽きないんです。直球のようでいて、結構ひねくれたポストパンクの魅力を感じます。

#10
The Twilite Tone
『The Clearing』

カニエなどの大物プロデューサー、待望の本人ソロアルバムとのことですが、私は疎いので全然知りませんでした。それでもこのアルバムに漂う音と、その音に対する矜持のようなものは歌詞がなくても説得力がありました。単純に次はどんなビートなんだろう、どんなアレンジなんだろう、と一曲一曲をワクワクしながら吟味できた希少なアルバムでもありました。芳醇、という言葉がぴったりです。

#11
Autechre
『SIGN』

決してとっつきやすい音ではないけれど、飛び交う硬質で神経質な音の断片を聴き続けているうちに安らぎのようなものを覚えていたから不思議。キャリアの賜物というものでしょうか。ベテランとしてシーンを率先していく姿勢が頼もしいです。

#12
Jessie Ware
『What's Your Pleasure?』

こちらは逆に敷居をグッと低くしたスムースなディスコです。ジェシー・ウェア4枚目のアルバムにして新境地。ゴージャスだけどクールさを失わない細かい意匠が隅々まで行き届いて、幅広い層が最後までご機嫌に聴くこと、踊ることができるでしょう。

#13
Cuushe
『WAKEN』

京都出身のクーシェさん、初めて聴きました。最後の曲で突然日本語が聞こえてくるまで日本人だとは気が付かなかったという、ある意味先入観のない幸せな出会いができました。根幹となるのはエレクトロニックでクラブよりな音ですが、抑揚が効いていて、透き通る冒頭から徐々に肉体性を帯びていく構成がアルバムとしても聴き応えがありました。

#14
Melody Gardot
『Sunset In The Blue』

こちらはストレートなジャズボーカル。普段この手を聴かない人にこそ聴いてほしい極上のアルバムです。メロディーさんのウィスパーな声ももちろん良いですが、名アレンジャー、ヴィンス・メンドーサによる編曲が素晴らしいんです。寒い時期にぴったり。何度も聴けます。というかBGMとしても気軽に流せるので聴いた回数で言えば一番多かったかも。

#15
Fenne Lily
『BREACH』

イギリスのフェン・リリー、デビュー前から話題だった才媛の2枚目ということですが初めて聴きました。フィービー・ブリジャーズやビーバドゥービーとかも頼もしい作品をリリースしてくれてインディーロックに新たな光が当たりはじめましたね。本作は一応グランジの流れらしいですが、時折り聞こえる歪んだギター以外はフォーキーなインディーポップとも言えます。ストリングスなども聞こえ、そのバランス感覚に飽きずに聴けました。

#16
The Flaming Lips
『American Head』

最近はおサイケな方面に行かれていたリップスですが、こんなにも聴きやすくポップでそして切ないアルバムを届けてくれました。己の出自を見つめ直すと同時にアメリカを語る感動的なコンセプトアルバム。全体的に切ない美メロが充満していて過呼吸になりそうです。ケイシー・マスグレイヴスの客演も効いてます。『THE SOFT BULLETIN』や『YOSHIMI BATTLES〜』辺りを聴いていた人は絶対聴いてほしい。

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