終わりと出会い
2022 9.11
この日私は、4年ぶりの恋人ができた。今日から少しの間私の恋愛について語らせてほしい。
私が彼に出会ったのは某マッチングアプリだった。20歳になったことを機に思い切っていれてみたのだ。
もともとネットでの出会いには否定的ではなかったが、相手の素性を知らぬままに自分の恋愛相手を探すことに抵抗感を持っていたのは間違いない。
それでも一歩ふみだしたのには訳がある。
大学1年の夏に失恋をしたから。少しだけ私の悲しい恋についてきいてほしい。
相手は同じ学部のひと
彼と親しくなったのは、彼の恋愛相談をうけるようになったことがきっかけだった。
はじめは本気でアドバイスをしていた。彼のピュアな初恋が上手くいくことを本気で願っていた。
いや
私は彼に恋をした後も
本気で彼を応援していた。
彼の恋の相手が私の大切な友人だったから
一度相談を受けたら最後まで引き受けるのが礼儀だと思ったから
それらも私が彼を応援していた理由だが、一番は
彼の想いがあまりにもまっすぐだったから
それは私が彼に惹かれた理由でもある。
彼の恋した女の子には恋人(になりそうな状態の人)がいたが、それでも彼は諦めなかった。ライン一つでも何時間も迷い、彼女からのラインや言葉一つ一つに心乱れて、何度も何度も彼女に想いを伝えていた。
端から見ても脈無しもいいところだったが、それでも諦めずに彼女を愛する彼の姿を見ているうちにいつのまにか好きになっていた。
自分の気持ちに気が付いた時に
絶望した
全く実らない
それどころか自分から失恋の方向にもっていこうとしているこの状況で
恋をしてどうする
そう分かっていても、心が言うことを聴くわけでもなく私は彼からの相談を毎日受けていた。
心を殺しながら
そんな生活を2ヶ月くらい続けた頃だろうか
彼は失恋をした。
彼女が正式に付き合いだしたのである。
分かっていてことだった、私からしたら。
それでも悲しかった。
彼の真っ白な想いが引き裂かれて、私の心も壊れたようだった。
それくらい私は彼の想いに自分の気持ちを重ねていた。彼が失恋した時に私も失恋したのだ。
私は心がボロボロで、つかれていた。大学ではもう恋愛したくない。もう私の近くの人たちと恋愛関係になりたくない。
そう思った。
その頃ちょうど20歳になったので、これを機にマッチングアプリを始めてみた。
誰でもいい 私の話をきいてほしい
私の日々のくだらない話や心の奥で考えていること、好きなこと、嫌いなこと そんな全部を受け止めてほしかった
そんなとてもネガティブな気持ちで始めたアプリで、今の人に出会えたのは奇跡だと今でも思っている。
そのひとを見つけたのはアプリを始めて2か月になろうとしていた時だった。その頃にはいろんな人とメッセージをしたり、電話をしたりして自分の求めている人をある程度つかんでいた。
それまでなかなかピンとくる人には出会えず、いざ会ってみても波長が合わなかったり、メッセージが途絶えてしまったりしていた。そんなアプリあるあるでもいちいち傷ついていたので、我ながらめんどうな性格だとうんざりする。
彼のプロフィールを見た時に、なぜかわからないけれど「この人と付き合えたら上手くいきそうだな」と思えた。
彼の優しい言葉や文章からかすかに見える独特の感性、そして包容力に惹かれた。
かなり遠方に住んでいた人だったが、まったく気にならずすぐにメッセージを送った。