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彼女が雀士に育つまで:02

東場02局:ニコニコしてたら跳満だあ
「何から自模るかじゃねえ! 何から捨てるか、だ!」

自摸=牌を持って来ること。「ツモ」と読む。
阿佐田哲也の名言集より。麻雀は捨て牌から察知するゲームである。
現代のゲームはご丁寧に「手出し」「自摸切り」の区別までしてくれる。
「手出し」は自分の手役から1牌切ること。
「自摸切り」は持って来た瞬間に、その牌を切ることを指す。
「自摸切り」は持って来た瞬間に捨てるので色が付かない。
しかし、技術介入があり自分が使っていてそれ以上要らない牌……
例えば筒子の「4」を自模り、手牌から筒子の「4」を切ると
さも手牌から出て来たように錯覚を起こす。
ゲーム上で同じ動作をしても、当然、手出し判定が下る。
名言に吊られて小難しいことを並べたが実母の実戦へと移ろう。

初めての和了(=アガり、役の完成)は参戦初日、東一局だった。
赤ドラ「筒子:5」を2枚含む重たい手で、特急券の風牌も役牌も無かった。
※赤ドラ=持っているだけで評価+1翻。全部で4牌存在。
※特急券=字牌のこと。3牌集めるだけで評価+1翻。
一盃口「55677」と言う和了役が狙える位置にあり、
その他の牌もワンペア(=対子)のカタチに偏っていた。
一盃口(=イーペーコー)上記の例で行くと
「556677」つまりは「567567」のカタチになる手牌。
初心者が最初に目指すニコニコ(=七対子)は
一盃口と役の併用が出来ない。先に結果から紐解くと

「二二」「鳥鳥」「ⅣⅣ」「55」「66」「77」「發」ロン:發
鳥は索子の1(索子:[鳥][Ⅱ][Ⅲ][Ⅳ][Ⅴ][Ⅵ][Ⅶ][M][Ⅸ])
Mは索子の8、發は字牌の一種で特急券にも成り得る。
「55」「66」「77」宣言通り一盃口の完成だが
成立役は七対子(=ニコニコ)なので複合役には成らず。
実母の評価点は6翻、その内訳は
七対子2翻 ドラドラ2翻 赤ドラ赤ドラ2翻=6翻
因みにドラは發で、最後にロンしたのも發だった。
対戦者は対面が發を2牌落とししているのに
油断して自摸切り。実母に与えた、ナイスアシスト!

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