#6 Arcadeで感じたこと
10月8日と9日に勝浦漁港で開催されていた「Arcade」に参加してきました。那智勝浦での開催は今年で2回目で、前回は世間がコロナ禍になる前の4年前。今回は出店やボランティアではなく、普通のゲストとして参加していました。4年ぶりのArcadeに参加して感じたことなどを記録用にnoteします。
4年前のArcade
コロナ禍になる前の4年前にも那智勝浦でArcadeは開催されていた。当時はまだ大学生だったけど、たまたま那智勝浦に遊びに来ており、Arcade実行委員の打ち上げに参加させてもらった。
そのときに出会った、見ず知らずの大人たちはすごくかっこよかったことを覚えてる
見た目とかではなく、自分が実現したい夢・地域・世界を恥じることなく真剣に語り合っている姿は本当にかっこよかったし、自分ではできないことだと思った。
当時の大学生の自分は、将来どんなことをしてどんな未来を実現したいかなんて言葉で表現することができなかったし、それを真剣に聞いてくれる人間だって周囲にはいなかったし自分もそんな人間関係を作ってこなかった。
だからこそその場にいた大人たちは本当にすごくかっこよかった。
当時の記憶はたくさんあるわけではないし、どんな活動をしているどんな人がいたかも覚えていないけれど、その場の空気感は今も鮮明に覚えている。そして翌朝の帰りの特急南紀の車内で、「必ず将来ここに自分が居れるようになる」と思ったこともしっかり覚えている。
4年ぶりのArcade
さて一昨日と昨日の2日間、約4年ぶりに開催されたArcadeに参加してきました。出店するという一つの夢は叶うことはなかったけれど、その分2日間あまりにもインプットが多い貴重な時間になった。
やっぱり第一に思うことは、4年前と今年も変わらず、「大人たちがかっこいい」。
Arcadeのコンセプトは「数十年前の商店街での刺激や感動を、次世代にもつなげること」。このコンセプトに共感した、様々な種類のお店が勝浦漁港に集う。
「お金の儲け」で来ているお店なんて1つも来てないんじゃないかと思うくらいだった。どのお店も自分たちが実現したい未来を掲げ、明確なビジョンをもち、自分の商品に誇りをもって出店していた。
だからどこで何を買っても、その商品はモノ以上の価値やストーリーが手に取るようにわかるし、これからお店を始めるにあたっては、とても目標になる人たちばかりだった。
例えば、2日目の朝には、650円のコーヒーを飲むために30分並んだ。お店ではなくあくまでイベントだし、行列ではなく4人並んでいただけ。つまり1人のために10分ほどかけてコーヒーをつくっている。並べば並ぶほど期待値は高くなるけれど、30分並んだコーヒーは事前期待値をはるかに超えてくるものだった。
さらに1500円でケーキとコーヒーのセットを販売しているお店もあったけれど、今回のArcadeの飲食店ブースでは1個1000円以上する商品なんてほとんどなかったし、ましてやお店ではなくあくまで露店にすぎない。
そのお店は注文にしてから商品ができるまで5分ほど時間がかかるけれど、待ち時間の間は、そのケーキとコーヒーのストーリーを教えてくれるし、コーヒーだけ先にできるとかではなく、同じタイミングで提供される。さらにいえば1日を4等分してその時間によって提供されるコーヒーとケーキが異なる。ここまでこだわりをもって出店できるのは本当にかっこいいし、味わうのは味だけでなくそのストーリーまで含まれる。
最初は興味本位で購入したところはあるけれど、食べ終わった後にはすっかり魅了されてしまった。
そして自分がここまでのこだわりや実現したい未来をもってお店をできるのかと不安にすらなってしまう。
もちろん飲食店だけじゃなくて、自転車屋さんや、イラストレーター、庭木屋さんに雑貨屋さんなど。様々な業種の人たちが一同に集まっていて、どこも自分たちに誇りをもって、Arcadeに参加していたように感じた。
きっと、今回のArcadeのためだけにオリジナル商品を開発したお店なんて無数にあるだろうし、夜中寝ずに準備しているお店などたくさんあった。
総じて、とても楽しい2日間だった。繰り返しにはなるけれど、自分にはここまでこだわりをもって提供できる商品があるのかと自問したし、お店を開業してひとつの指標にできる気がした。
Arcade後夜祭
楽しむ&インプット多いArcadeだったけれど、2日目のに開催された後夜祭にいざかたスタンドとして出店させてもらい、プレオープンの意味も込めて合計130個握らせてもらった。
米・塩・海苔はすべてお店でも使用するもの。結論から言うと、まだまだお金を払って食べてもらうクオリティではななかったというところ。
Arcadeに参加しているような方々から直接フィードバックをもらう貴重な機会だったし、とても良い時間だった。
宣伝活動にしたいとかそういう思いはなくて、むしろこちらからお願いをして、機会を設けてもらいたいくらいのイベントだった。
「米が硬すぎる」「米の水分量が多い」「塩気が足りない」「サイズが大きい」などなど。改めて提供方法を含めてしっかり吟味する必要性を感じた。
Arcadeに参加してみて
4年ぶりにArcadeに参加してみて、ほとんどが自分より一回り先輩の30〜50代くらいの大人たち。そして、自分が見本としたい人達がそこにはたくさんいた。出店している人も運営している人もみんな「なんとなく」でやってる人なんて誰ひとりいなくて、みんな誇りをもって動いていた。
本当は「Arcade」に出店してみたいなんて思っていたけれど、今の自分には程遠いと感じることもできたし、ボランティアスタッフなどの裏方としてこのイベントに関わって那智勝浦を盛り上げる一員になるのも、自分にとっては必要なことなのかもしれないとも思った。
そして5年後や10年後に自分は一回り下の人から、今自分がArcade参加者に感じた、言葉で表すと「かっこいい」と少しでも感じてもらえるようになりたい。物理的なかっこいいではなくて、「誇り」「夢」「未来」「責任」などといったことを背負って、自信をもって語ること事ができる存在。
そして那智勝浦や和歌山という地域にはこんな大人がたくさんいる。
Arcadeに参加してみて、「自分もこうなりたい」「この地域に移住してよかった」と思った。