東野圭吾『白夜行』の感想

読み終えてから一日経ちました

とてもハッピーとは言えない話で、読後感もどんよりしてたんですが、でもどこか心を鷲掴みにされるこの感覚はある意味共感に近いと思います

どんなにオープンマインドで自分のことを人に話したり悩みを共有したり、たとえばそんな人でも芯の部分は本人以外の誰もわからない

そんな誰しもが少なからず抱える「孤独」のお話なんだと思いました

この物語の主人公の少年と少女は、大人になってもずっと太陽の昇ることのない道を、ただひたすら歩き続けていた、どんな気持ちで過ごしていたのかな

そんな二人の心情についてはほとんど描写されていません

きっと自分の中にある孤独がその気持ちを少しずつ汲み取って完成する作品なんだろう

作中で主人公の一人がこの「白夜」を歩いてこれたのは太陽の代わりになるものがあったからだと言っていた

それはもう一人の主人公のことを指している

孤独だが、唯一その孤独を共有できる存在

(以下ネタバレ注意)

物語の最後、その太陽の代わりとなる大切な存在がこの世からいなくなってしまうというバッドエンドぶりに心が痛くなった

暗い中の光が完全に消えてしまった時、私ならどうするんだろう

考えただけで眠れなくなります

だけどこの小説に出会えたことが本当に嬉しい

また気が向いたら読み返してみたいです

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