AoE4世界トッププレイヤーbeastyqtの解説をまとめる(Part3)

今回取り扱う動画

予告通りこの動画を扱います。


注意点

この動画はフランスのビルドを含めたガイドですが、本稿ではビルドに関する解説は基本的にカットし、それ以外のフランスとして戦い方や、兵の動かし方、プレッシャーのかけ方等、AoE4というゲームにおいて、フランスがどう戦うべきか、という点を重点的に解説します。なお対象は1v1です。

ビルドについては、本動画に対するコメントにもあるように習得が比較的容易かつ資料がいくらでも転がっており、またそれらの理解には翻訳の必要がないため、あえてこの記事で取り扱う必要はないと判断しています。

想定読者

ゴールド ~ ダイヤモンド

このランク外の人が見てはいけないという意味ではありません。

フランスという文明の戦い方について

フランスは基本的に騎士が出せることから領主で強力な文明であり、領主で長く戦うことが一般に強いです。

1TC、2TCどちらでも戦えますが、例えばデリーやオスマンなどの攻撃的な文明には1TC、イングランドや中国といった防御的な文明に対しては2TCを行ったとしても大して攻められることはないため、安全に2TCに向かうことが可能です。

また、フランスの重要な文明ボーナスとして「町の人の生産が早くなる」というものがあり、同数のTCを保持していた場合、時間が経過するにつれフランスはリードを拡大していくこととなるため、1TCあるいは2TC後、領主でAll-Inし戦いを長引かせ徐々にリードを拡大していくことが肝要です。

フランスはその性質から、早期にマップコントロールを獲得し、マップを走り回って敵にハラスメントを行う攻撃的なプレイスタイルを取ります。
従って、あなたがそのようなプレイスタイルなのであれば、フランスは正しくあなたのプレイスタイルに合致していますし、自陣に籠って内政を拡大していくディフェンシブなプレイスタイルなのであれば、フランスはあなたに適した文明ではないかもしれません。

リプレイの解説

このリプレイはデリーVSフランスの1TC同士の戦いになります。
基本的に、デリー相手には2TCに向かうべきではありません。
デリーは領主早期から自陣の外に出ていき、典型的には聖地を制圧して金を獲得しようとします。それがデリープレイヤーの典型的な目標であり、対戦相手はそれを防ぐ必要があります。

フランスが2TCに行ってしまった場合、デリーは容易に3つの聖地を全て制圧してしまい、2TCに行ったフランスはこれを止める十分な軍量を持てません。
そればかりか、聖地が算出する無償の金によって、2TCに行って獲得出来るはずの経済的なリードは埋められてしまいます。
従って、フランスは対デリーでは通常2TCに行くべきではありません。

暗黒

暗黒で解説することはほぼありません。

07:25~

自陣近くの鹿を取りに行っています。生存術も取得しています。
自陣に近ければ暗黒から鹿や猪を取るのは全く問題ありませんが、イングランド、オスマン、モンゴルといった暗黒から兵を出してくる文明が相手の時は禁じ手です。

領主序盤(最初の軍同士のエンゲージメントまで)

12:10

最初の騎士が生産された瞬間、行うことはマップを横断し、相手陣に行ってハラスメントです。
ハラスのターゲットは通常金、または石で、理由はシンプルに最も攻撃しやすいためです。
鹿を取っているようなケースでは鹿に送るのも良いです。

援軍として騎士の次に作るものとしては、ルーシとフランスミラーを除き、基本的にはほぼすべての相手に対して盲目的に弓を作って問題ありません。

14:05

多くの人が小屋の集合地点を適当な場所にしていますが、新規生産軍の集合場所は野良資源や金鉱などにし、ハラスに対して新規生産軍が自動的に対処するようにするとベターです。

15:00

敵陣の森林にbeasty騎士が走り、槍に追われて特に何も出来なかった(=ハラスは失敗した)ように見えていますが、農民が移動を迫られており、僅かに資源の採集が中断されています。
また、騎士によるハラスから守るため、槍兵を生産し、自陣を守る必要に迫られており、この時点でマップの主導権を握れていることが分かります。

15:55

多くのゲームにおいて、射撃攻撃+1を取った方がベターです。
フランスは多くの場合攻撃側の立ち位置に立つため、弓兵を使い一人でも多く敵の槍兵を倒す必要があります。
また、敵は槍兵を作る必要に迫られるため、弓兵の展開はやや遅くなりがちであり、町の中心にダイブする必要がないため、射撃防御は効果が薄いことが多いです。
ただ、イングランドのような弓兵を主体として最初から軍編成を組む文明の場合は別で、この場合は射撃防御を取った方がよいかもしれません。
恐らくですが、中国の諸葛弩兵もこの例に入ると考えられます。
しかしながら、アマチュアレベルでは町の中心の矢を受けることが多いので、射撃防御を取っても個人的にはあまり違いはないと思います。

16:45

最初のまともな軍同士のエンゲージメントです。
beastyが出している命令を見れば分かりますが、戦闘に入る前にShiftキーを使い、弓兵に槍兵を攻撃する命令を複数予約しています。
こうしておくことで、高価なユニットである騎士が槍兵に殺されてしまわないよう、そのマイクロに集中できます。
基本的に、領主の時代において騎士は最強のユニットで、唯一の敵は槍兵になります。
フランスの戦い方としては基本的に、弓兵で槍兵の数を減らしている間は、槍兵以外の攻撃(典型的には騎乗兵)を騎士でブロックしつつ、相手の槍兵の数が満足に減ったタイミングで戦闘に入ることで勝利するというものになります。

領主中盤(軍のあたりで勝利するまで)

19:25

ガジ強襲兵が鹿農民に対してハラスメントをしに来ていますが、あらかじめ集合地点をここに設定していたため、半ば自動的に守れています。

19:40

戦いに入ることの難しさの話をしています。
弓兵を含めた遠距離攻撃ユニットを保持している軍と、保持していない、または数が少ない軍が当たる場合、保持していない側は注意して軍をあてる必要があります。
戦いになり、勝ち切る自信がないので戦いを止めて引く場合、遠距離攻撃ユニットを保持している側は逃げる相手を弓で追撃することが出来るため、有利がトレードが可能になりリードを拡大します。
騎乗兵 + 槍兵の軍編成は騎士 + 弓編成に対して強いという言説がありますが、戦うタイミングはしっかりと見極める必要があります。

21:10

「お前がPart2、SASの試合で指摘してたことはなんだったんだ?」という声が聞こえてきそうですが、野良資源を採取するときは最小限の人数で、前哨を建ててから採取することをお勧めします。
この例では苺を採るために5人の農民(1棟の前哨に入る最大数)を送り、前哨を建てて取っています。
フランスは何もなければ文明ボーナスによって時間が経過するに従って農民数で勝てるため、農民を失うリスクを不必要に取るべきではありません。

22:25

これは我々のようなアマチュアには当てはまらない可能性が高いと思いますが、フランスと戦うする際、我々の取りうる領主での軍編成は基本的に2つあると思います。つまり以下の2通りです。騎士は通常出せないため除外します。

  • 槍兵 + 弓兵

  • 騎乗兵 + 槍兵

前者は構いませんが、後者の場合、どこかのタイミングで必ず弓兵を作り始める必要があります。
何故か?フランスが槍兵を作り始めた場合、弓兵をカウンター出来る騎乗兵が槍兵に倒されてしまい、勝負が決まってしまうからです。
フランスが槍兵を作り出してから弓兵を作り出せば良いのか?というと、もうフランス側の弓兵が20,30と揃ったあとにちまちまと3,4体弓兵を出したところですぐに殺されてしまうため、意味は薄いです。

23:50

少しずつ相手の野良資源を抑えに行きます。
この戦いでは、日本のコミュニティでいわゆる"資源封鎖"と言われている方法で勝ちに行きます。
これはシンプルに、相手の資源(今回の場合では主に肉、そして木)を取らせなくすることで相手のユニット生産を止め、勝つという方法です。

26:10

細かいマイクロの説明に入ります。
弓兵はZで使用できる横列隊形がベストです。
攻撃移動は自身に最も近いユニットを攻撃しますが、デフォルトの隊形では必要以上の弓兵が槍兵を攻撃してしまい、DPSの無駄遣いが発生します。
横列隊形にすることで弓兵の攻撃が分散し、より多くの槍兵を一度に倒すことが出来ます。
マイクロ全般については動画を見た方が分かりやすいですが、騎士を突撃させて槍兵をおびき出し、弓兵で殺します。そうすると相手は槍兵を引いて騎乗兵や弓兵を前に出してくるので、騎士で再度突撃して槍兵をおびきよせ、再度弓兵で倒す、ということを繰り返します。
この動画で見せられているように、ここまで完璧にする必要はありません。この動画は世界トッププレイヤーのプレイ動画であり、実際のランクマッチではここまで完璧にマイクロを行えるプレイヤーはほぼ居ません。

31:00

大きな戦いですが、ここがターニングポイントになります。
ここまで弓兵のマイクロにより槍兵の数を大きく減らしてきました。
こちらの騎士は15体、槍兵の数は11体まで減っていますが、槍兵の数が騎士より少なくなったこの状況では、槍兵は騎士を止めることはできません。
弓兵で槍兵を引き続き倒し続けることは必要ですが、このタイミングでは退かずに戦い続け、相手が撤退し事実上の勝利をおさめます。

領主終盤(試合勝利まで)

32:00

勝利したのちも木農民へのハラスメントを続けます。
相手の槍兵は一旦全滅しましたが、新たに生産された槍兵は全て弓兵でスナイプし殺し続けます。
先の戦いで戦闘に勝利して余裕が生まれたこともあり、このタイミングで騎士をタンクにしながら、弓兵で町の人を殺していきます。
ここで、HPの減った騎士を安全な自陣に戻し、回復していることも重要なポイントです。騎士は何度も言いますが資源240の高価なユニットであり、これを回復し再度戦闘可能な状態に戻すことは、そのまま資源240の節約になります。

32:50

戦いには勝利し、優勢になりましたが、どうやってこのゲームを終わらせましょうか?
多くのプレイヤーはここで破城槌を作り始めます。が、今回のケースでは不要です。
例えば多くのプレイヤーはここで破城槌を作成し、歴史的建築物である信仰のドームを破壊しようとしますが、仮に信仰のドームが壊れたとして、相手はこの試合で何かを失うでしょうか?信仰のドームは何も守っておらず、聖職者を作っているわけでもなく、何も失いません。資源の無駄遣いです。

同様に、多くのプレイヤーはここで、相手にダメージを与えて優位を獲得したので城主に入るということを選択する傾向がありますが、これも良い作戦ではありません。
現状、マップはフランスが支配しており、beastyは敵のシカやイノシシまで取れている一方で、デリーは町の中心で残った僅かな羊を取っているだけで、すぐにではないもののもう野良資源は尽きそうです。

ここで仮にフランスがユニットの生産を止め、城主に行っている間、デリーがユニットの生産を続けるとします。
そうなった場合、城主に行くために必要な1800分軍量差が埋まります。
結果、フランスは回復した軍量差によってマップコントロールを失い、デリーは再び資源を採集可能な状態に復帰し、ゲームは継続します。

何をするべきか?シンプルな話で、軍事ユニットの生産を続け、優位を不動のものとし、マップを支配し続けるだけです。
こちらは相手の資源をも獲得しているため、相手の採集可能な肉資源が尽きるタイミングが必ず先に来るため、相手はそのタイミングでユニットを作成出来なくなり、降参するはずです。

36:00

相手陣後ろの森林が無くなっていることが確認出来たので、相手が木を獲得するには相手陣の前の木を切る必要があり、ここが次の攻撃ポイントになります。
同様に苺を巡回させていた騎士が相手の農民を捕捉しています。
すぐに兵の集合地点をそこに変更して守りつつ、こちらの農民でその資源を採集し始めます。

38:00

相手がこのタイミングで城主に進化したらどうか?という話ですが、このタイミングで城主に進化するということは、今軍事的に負けている状態から更にこちらの優位が拡大するということを意味します。
城主の良質なユニットである騎士や弩兵、軍平は金がないと生産出来ないのですから、金を封鎖するだけです。

38:40

資源封鎖が成功し、相手は降参しています。
この後は細かい補足が入りますが、いくつかまとめます。

最後の補足

  • 対イングランドの場合、ハラスのために騎士1,2体を作るのは良いとして、基本の軍編成は騎乗兵と弓兵にした方が良い。対イングランドの場合、最終的な目的は槍兵を殺すことももちろんだが、ロングボウを殺すことになる。ロングボウのダメージはそれほど痛い。

  • 城主以降の歴健について

    • 王立協会を建てるときは、騎士が多くいる、城主で試合を決めるなど王家の血統から得られるメリットが大きい場合

    • 組合所は騎士が少ない、城主で決めきれないといった場合

    • 明らかだが、王立協会は帝王に入ると意味のない建物になるので

  • 帝王の歴健について

    • 99.99%赤の宮殿で良い

  • 弓か弩兵か?

    • フランスの弩兵はゲーム内最強の弩兵(ドラゴン騎士団実装前)であるが、悲しいことに弩兵を使うことはほぼない。なぜなら槍兵を殺せばフランスの騎士がすべてを蹴散らすため

    • 弩兵を作るケースはフランスミラーなど相手も騎士を主体とする軍編成の場合。ないしは神聖ローマなど軍平+騎士を主体として使ってくる場合。あるいは金が余った場合など


次回の予定について

次回はどういった動画を対象にするかも含めて未定です。
リクエストあれば受け付けますが、必ず採用するとは限りませんので、その点は悪しからずご了承ください。




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