見出し画像

三宮駅のバス乗り場ではちゃめちゃに迷う十八のわたしの前途、洋洋であれ

乗り換えは、あきらめない。それが肝心だ。

『わたし』わたし

ミント。建物に「ミント」て命名するって、どういう神経なん。で、7番。7番、7番、7……なんかさ、7番乗り場、なんかいっぱいある気がするな。とりあえず地下!B1に降りてみよう!これがのちのち大きな混乱を己に招いてしまうことをわたしはまだ知らないのだよおろか、ああ、おろか。

地下階のBって、そういえば何の単語由来のBなんだろう。とか考えてんのがよくない。あれっ、なんか知らんが、地上では地下にあるように見えていた7番乗り場が、地下に降りてみたら無くなってたな。参った。降参。もう答え合わせでいいよ、7番乗り場。…出てこないよねそうよね。

手がかりは、「ミント神戸」と「7番乗り場」。「ミント神戸」って書いてある方向に向かえば7番乗り場がない。「7番乗り場」って書いてある方向に向かえば、今度はミント神戸がない。

これは、数学。

駅ナカでこんなに迷うとは、
少しも思っていないころの
わたしがのんきに得たゾロ目
こやつです。

あのね、おねえちゃんね、数学 捨てちゃったの。もう触らないことにしたし、目にも入れないようにしてるの。

…。

よし!日本交通さんに電話!

お姉さんだ。お姉さんの声がする。少し安心する。
わたし、できるだけはきはきしゃべっている。ああ、おろか。なんで今滑舌いいんだよ、思う暇もなく。

とにかく「ミント神戸」。うす緑色の建物。それだけだ。 っぽかった。
お姉さんにとびきりの感謝を伝えて、それで電話を切るやいなや、小さなエスカレーターを上って、新たな建物の中に入る。

え、生鮮食品がずらり。ここを抜けたら件の「ミント神戸」?ということ?

信じるぜ、お姉さん!

ここで見つけた7は流石に、乗り場じゃなくて、乾き物がありますよ、の7か、流石に。はあ。

こい、ミント神戸、こい。強烈に祈りながら、食料品店を出る。

……あれ

ここって、「よし!日本交通さんに電話!」のとこだよね、さっきの。
時計、どっちだ、右手!ちがうか。左手!時計!あった!

やばい!

バスの出発まで、あと7分。
やーん、もうえっちな声とか出しちゃうし、そんななんだったら。やーん。

お姉さんの言ってたこと、いっぱい思い出せ!たしか、たしかね、乗り場を見つけた後のことはめちゃくちゃ言ってた。で、なるほどーって思った。

で?

もう、じゃ、お姉さんの言ってたことはいいから、とりあえず通ったことない道を通るか。なんかその方が生存確率が上がる、みたいなこと、世界仰天青空レストラン、みたいな番組で言ってたような気するし。で、目の前のエスカレーターに飛び乗る。当初 居た1Fに戻ってくる。

はい、とにかく「ミント神戸」作戦は中止。
なぜなら。わたしの勘は「7番乗り場」を見つけたら全てが解決しそうだぞ、と言っている。

はい、5、6……てことはこの先に……!

(心音で緊張感を演出for yourself)

あた、7番乗り場。

もー!

米子行き、だって。もー、探したんだから!もーっ!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?