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●賞味期限:箱の側面に鬼才こと僕

ああ今日はよう書ける気がする、と思いながら床を掃いていた。木目の溝に詰まった砂を書き出していた。で鉛筆をきちんと持ち直す。

布団の上でしっとりチョコレートクッキーを食べて、くずをこぼして、落ち込んで、くずを払う元気もないような気がしながら払うくずが僕だったら。

僕は、いろいろなものが僕である。二段ベッドの上でのみ発令する僕は、紫色のくまでもある。

右手は、中指のみでキーボードをたたいてしまうが、それが心地よくて、それはポケットティッシュのしのばせ具合に似ている。

しわが付いてしまったポケットティッシュに幻滅してしまう僕のほうがよっぽど幻滅されているにちがいない。それはもちろん、紫色のくまに。

その人の言うことすべてを噛みちぎりたかった。友だちの目に自分がとても幼稚に映っているかもしれない、そうにちがいない、も想像できぬほど、噛みちぎりたかったらしい。

過去進行形嫌悪という字面がもう、後悔…と言っている通り、後悔している。自分の中に次々と浮かんでくる嫌悪感大小を必死に体で表現した。なぜ浮かんできたものをそのまま突き出してしまったのか。後づけで虫の居所が的文言をかんたんに差せる僕なのだ今は。ああ市ねばいい。

ふっと笑われたと同時に冷や水にさらされたような目の覚め方をした。ああ幼稚だった、から、あ、幻滅された、に違いない、まで電光掲示板の速度より速く。

すごい落ち込みから、ぼくはこういう体験をもっと重ねなくちゃいけない、にもっていく自分に付き合ってあげた。

夫婦円満の秘訣は、と聞かれたときの「そうですねえ」には、うんうん、と言いながら合わせに行かないでいよう、と決めた。

そんな夜。

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