カプリコいちご味も見せ方ひとつでいちごのショートである
メルティーストロベリーミルクティー、とやらを飲んでいる。ボトルはぐるりと、いちごのショートケーキ柄によって囲われている。昨夕、ディスカウントストア・ビッグにて97円で購入。
正直、カプリコいちご味である。
後にしつこく残る、いちごを目指した香料の味はどこまでもカプリコで、飲みながら、あの、ふわふわしたチョコ部分はどうやってつくってるんだろ、といったことを考えずにはいられない。
今日わたしはそのことを非難しに来たのではない。
わたしはカプリコいちご味のミルクティーを「メルティーストロベリーミルクティー」というようなしゃれた名前で売ることはわるいことである、とは思わない。よいことである、とすら思う。
なぜなら、かなりカプリコいちご味、感じはするけれど、「メルティーストロベリーミルクティー」というふうに言われるとたしかにそんな気がしてくるからである。
そんな気がしてきたら、ふつうにしあわせである。なぜかというと、97円のペットボトル飲料を一口啜るだけで、あまあいミルクティーと こってりとしたいちごのショートケーキとを一緒に、口の中でメルティーしている、ということになるからである。
名前は豪奢であればあるほどよい。
それがもし、名前ほどの価値を持たぬものでも、次第にその名前に見合ったものに こちらの頭が認識してくる。
身の丈に合ったものを身につける時代はとうに終わっていて、これからは身につけているものを身の丈に、こちらから合わせにいく時代なのである。
メタとかバースとかいうものが流行りであることからも うかがえるように、けっこう今は実存とかどうでもいいらしいからな。
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