母が振り込め詐欺に遭いそうになった話。

あぁ、親もそういう歳になったか。
自分のことに夢中で、親の心配するなんてまだまだ先のことだと思っていたよ。

仕事中に突然「今すぐ来てほしい」と留守電。
いやいや私仕事中だし。なんだよ。
そんなに緊急の事態かいな。
若干疑いながら、昼休みに電話を掛けた。

母、60代後半。父は私が小さいころに自死している。
それからずっと弟と3人家族。
10年前、私が結婚して家を出た。
遠くないので会おうと思えば会える。
母は現役で介護職。夜勤もある。
でも最近は腰も痛いしあーだーこーだ言いながら働いている。

母「3時までに振り込まないと、3億円がもらえないんだよ!だから悪いんだけど振り込み方見てくれない?」

は?
である。
でも、母の口ぶりは全く疑いを持っていない。
私に聞けば何かわかるかもと思って慌てて電話をかけてきたのだろう。

本当に、こういう時って、何にも疑ってないんだわ。
電話口であきれながらも、あまりにも普通に言ってくるので
こっちが気を落ち着けないとひきずられそうだった。普段だったら、「そんなわけないでしょ!」と一喝して終わりなんだけど、
最近ちょっと様子がおかしいと同居する弟から聞いていたので、
この時の私は頭ごなしに一喝できなかったんだよなぁ。

今の時代に、そんな話あるわけない。
お金に困っているの?と聞くとそうではないみたい。
でもお金の心配はしているみたいだった。
だからってなんでまたそんなのに振り込もうとするんじゃ。
なんとなく、母の気持ちを落ち着けたくて、
「何も心配しなくていいから。そういうのは無視して」
と言ったらほっとしたようで、
「そっか~そうだよね。」
そして納得して電話を切った。

おい、それ振り込め詐欺だからね。
気・が・つ・け!

母を説得している中で、自分でもよくわからない

弟がコロナ陽性になり、母は濃厚接触者として自宅待機になった期間があった。
この期間に、いろいろ考える時間が無駄に多くなり、
スマホに入ってくる色んな情報のひとつにそれはあったのだろう。
詳しい経路はわからないが、どうやらLINEで有益情報のひとつにひっかかったみたいだ。

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