成長という名の劣化

我々は日々成長し進歩していると誤解しているが、結局のところ何かを失い何かを得ているだけではないだろうか、成長という名の劣化もあるんじゃないか?
例を挙げよう、私の好きだったシンデレラガールズというコンテンツがある、その中の1人に白菊ほたるというキャラクターが存在する、彼女の人生は不幸に囚われ何をするにも不幸が纏わり付いてくる、日頃から不運な目に目に遭い、アイドルを志望しているのに行く先々の事務所が傾き所属を転々とし、周りからは疎まれ疫病神とさえ扱われる。
そういう経緯を持つ彼女がプレイヤーの事務所にやってきて不幸に遭いつつそれを乗り越え、多くの良い仲間に出会い不幸と共存し成長し笑顔を見せ夢を叶えていく、細部は違うかもしれないがおおよそこういう話だ、うんとてもいい話だ。
しかし私は彼女に微妙な気持ちを持っている、白菊ほたるは影に咲く花であってほしい不幸こそが彼女を色どり、光は彼女を霧散させている、私は不幸に支配されどこか達観し諦めた表情を持った彼女の方が好きだった成長して欲しくなかった、確かに大多数の人は不幸に負けず笑顔を見せるようになったエモい彼女が好きだろうが、それは本当に初期の彼女に全てが勝っている白菊ほたるなのか?不幸で辛気くさい顔をした彼女が勝っている部分は確実にあるだろうそれを誰かに否定できるだろうか。
成長で失われるものモノもあるそれだけは声を大にして言いたい。初期の双葉杏、無強化Rの時にしか見せない荒木比奈の眼光、多田李衣菜……。
要は個人的な好みの話であって成長してもいいししなくてもいいと思う、成長だけが褒められるのは納得出来ないという話。
停滞どころかむしろ退化してもいいんだよ。
以上性癖の話でした。