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花烏

穏やかな春の午后
桜の星が散らばる中を
颯爽と横切る烏が居た
路行く人を意にも介さず
彼は枝から枝へ飛び移る
隣の桜に居る烏に
控えめな聲を一啼き二啼き
何かを報せつ呼び合っていた
春吹く風に其の歌を乗せ
二羽は示し合わせたかの様に
星が生まれた其の枝を折って行った

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