「田宮模型の仕事」

「田宮模型の仕事」田宮俊作

泣く子も黙るタミヤの二つ星。
世界に誇る田宮模型はいかにして時代の荒波に揉まれ、翻弄され、乗り越えていったのか。
創業者の田宮俊作氏による社史のような回顧録のような。

パッケージの重要性、世界観、作りやすさ、説明図、性能、作る楽しさ、実際の製造工程まで参考にした設計、徹底した取材にアフターサービス。
今読み終わってこうして羅列すると、目新しいことはひとつもない。
足し算してるだけならふーんっていう感じになっちゃうけれど、これを一個一個タミヤが運命的に泥くさく獲得して会社の遺伝子に組み込んでいくエピソードはどれも珠玉。

一歩一歩その重要性を痛感して形にしてきた歴史です。
決して予言のようにきれいじゃあない。
均質化をせず、独創的に。いかに成功したか、というよりもいかにつまづきつつも遊び心と探究心で前のめりに進んでいったかの記録です。

“設計思想のない模倣は敵ではなかった“
”コスト面で海外メーカーに対応できないのなら最新鋭の機械を使うことは必然だった“
”作る楽しさだけでなく実物への思いを模型に投影するというロマン、それが模型“

金言満載。

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