スーパーロボット大戦Tの感想

※ほぼ罵倒です。

 スーファミの頃からやっていて、進化の袋小路で足踏みを続けているシリーズであるのはよく知っている。だから大して期待していなかったが、PS4世代に入ってのVXTは一段と酷いと思う。

 やる気が全然感じられない。熱量ゼロ。多くのロボットが、大した前振りもなく、まるで「元から味方にいたロボットが再合流する程度のテンションで」マップ上の味方増援として唐突に現れる。

 基本ポーズが棒立ちのロボットが多い。飛行が基本のロボットなのに空中に立っていたりと滑稽と言うしかない。

 演出が異常に薄味で、何の興奮もない。

 一時期、スパロボは会話が異常に長く、アニメも馬鹿みたいにダラダラしていた。
今回は一瞬で終わる戦闘アニメも多く、もしかしたらアンチテーゼなのかもしれないが、面白くないので単なる手抜きと区別が付かない。

 今作に始まったことではないが、ユニットの個性を殺すクソ改悪をいくつか挙げておく。

切り払いの廃止、連続技、ご都合主義の武器属性。

 ピーコックスマッシャーのどこが格闘なんだよ。どう見てもビームライフルの延長だろ。使いやすくて喜ぶのはバカだけ。それだったら射撃・格闘なんて能力値自体要らないだろ。「攻撃力」で良いってことになる。素直に格闘は格闘、射撃は射撃にして、その上で武器属性がバラつくロボットにはその分のバランス調整として何らかのサービスをすればよいだけ。

 連続技も同じで、結局のところ攻撃コストや武器属性は元ネタ武器と無関係に決めざるを得ないため、どういう武器なのかという個性が殺され、単にゲームバランス的に都合の良い武器として設定されてしまう。連続技でもビームの部分はちゃんとIフィールドで防げるとか、細かいことをやるなら許せるが、クソ手抜きスタッフなのでもちろんそんなことは起きない。

 切り払いの廃止も、戦闘アニメの見どころを無くし、武器の個性も潰す、負の一石二鳥。

 スパロボのシナリオは面白いほうが稀だが、今回もハズレ。我を通すことを是とする無頼の徒と、主にガンダム系の分かり合いたい人たちの言っていることが全く噛み合っておらず、しかもそれについて何のフォローもなく知らんぷりのままでそれぞれのストーリーを繰り広げるため、まとまりに欠ける。人類補完計画もどきが出てくるのだが、こういう溶け合っちゃう系野望の打破というのは、明らかにポスト・ニュータイプの流れの中で生じてきたもので、知らぬふりで済むはずはないのだが。

 背景のテクスチャに、特定の方向から見ることを前提にした立体表現が付けてある。マジかよ。

 全体にとにかくチープ、チープ、チープ。これと海外製のAAAタイトルが似たような値段で買えるのは、逆価格破壊と言うしかない。

 ゲーム内の世界では、科学技術の進歩が停滞した黄昏の時代を描いているのだが、現実のスパロボが黄昏れすぎていてブラックジョークにすらならない。

 ゲームの登場人物は黄昏の時代という評を跳ね返していくようだが、現実のスパロボは少しもそれをできていないし、その意志すら感じ取れない。

 こんなつまらないゲームを甘やかして来た我々消費者も悪いとは思うが、消費者というのは簡単に掌を返すものだ。悪く思うな。


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