「研究書評」

2024年4月11日
(選んだ理由)

今回取り上げたのは「現代中国におけるスポーツ産業の成立過程に関する研究 ―スポーツ政策の視点から―」である。この文献を選んだ理由は、中華人民共和国は国として建国され、まだ80年も経っていないが、スポーツ産業が盛んであり、オリンピック等では常に名前を聞く国である。そのためどのようにして今の地位を築いたのか気になった。また、もしかしたら日本も真似ができる部分があるのではないかと考えたからである。


〈内容〉


1986年に中国スポーツ体制改革の技法方針が交付されて以降、スポーツ財源は国家経済の発展と政策上の支持により、多様なスポーツに関する経済活動が展開されたことで、国家財政の負担が減らされ、社会資金が確保された。

 スポーツ事業は国家運営のため内部のものしか批判を行わなかったが、「強国夢―中 国スポーツの誤り」の刊行により、初めて一般大衆に批判され、脚光浴び、大衆スポーツの発展にフォーカスが当てたられた。また、ソウルオリンピックで成績を期待された選手たちが失速したことでさらなるスポーツの発展を促されるようになった。

 1990年のアジア大会の準備のため、スポーツ体制改革の方針が出された。競技スポーツと大衆スポーツの重視以外に、スポーツ産業は改革の一環として初めてスポーツ政策において取り扱われた。1990年の北京でアジア大会が行われた。この大会には6億元もの運営資金の穴が埋められ、大会を成功に導いた。メダル数も参加した国の中で1位を獲得し多くの国民を感動させた。しかし、サッカーが他国と比べて弱小であったため、サッカー体制の改革が呼び掛けられた。1992年に鄧小平が中国の社会経済制度を社会主義市場経済に転換参加を示唆した。新経済体制における、「第三次産業の発展を加速する意見」 が公布された。第三次産業に分類されたスポーツは改革を始め、この年に、サッカーの競 技レベルの向上について検討され、プロ化が競技レべル向上の手段であると結論された。 その後、プロ化に関する方法が策定され、中国スポーツ体制の先駆としてプロサッカーリーグが発足した。

1995年に至って、大衆スポーツにおける「大衆スポーツ振興計画」と競技スポーツにおける「オリンピック優勝計画」 が策定され、さらに、15年の時をかけて、起草された、「体育法」が公布された。スポーツ産業においては、1993 年の「スポーツ体制改革の深化に関 する意見」に従い、1994 年から男子プロサッカーリーグ、スポーツくじなど多様なスポー ツ産業活動が発足し、また多くのスポーツ産業にかかわる政策が策定された。1995 年に、 国家体育委員会は以前に公布されたスポーツ産業に関する政策を総括して「スポーツ産業 発展綱要」を公布した。この政策の策定より、中国においてスポーツ産業が成立したとみることができる。

〈総評〉

 この文献を読んでみて感じ取ったことは、日本と違い国が絶対的な権力を持ち政治を行なっているという点である。国が力を入れると決めれば、国民は是非を問わずについていくしかない。しかしこの、スポーツに関する政策は中国のスポーツ社会にプラスな大きな影響を与えたように感じ取れた。日本も現在スポーツ産業は盛り上がってはいるが、少子高齢化により衰退する可能性がある。そのため日本も中国ほどでなくてもいいが、もっとスポーツに関する政策に力を入れるべきである。そしてもっと別の国のスポーツ政策の成立などについてみていきたい。


2024年4月18日
内容総括、選択理由
今回とりあげる文献は新潟医療福祉学会誌、2023年の大学野球部所属学生の出身地および卒業後の定住動向調査である。私が研究したいスポーツと少子化について調べ行くにあたり、少子化と過疎化については結びつきが大きいと考える。そのため野球と過疎化、少子化自分の求める研究テーマと合致していたため取りあげた。
内容
日本の総人口は2008年を境1億2808万人をピークに減少を続け、2023年1億2477万人まで現象を続けている。そんな中、新潟では就職や進学を機に県外に転出していくケースが多く見られる。新潟県では人口流出抑制や、移住促進のため多くの施策を打ち出している。学生の定住促進に向けた施策の前段階として、新潟県内の大学部活動において有数の部員数を抱えるN大学硬式野球部の学生の出身地と卒業後の定住動向について実態調査を行なった。2022年12月現在現在約40%の学生が新潟出身者であった。新潟出身者の約75%が卒業後新潟県内に就職、進学していた。新潟県外の出身も約12%が新潟県で就職、進学している。未来を担う学生が4年間その土地で生活を送ることに価値があることに加え、卒業後も定住することで課題が解決される可能性がある。さらに卒業後に定住することで課題が解決する可能性がある。N大学では1学年の1から5期までの平均部員は37.3人、6〜10期までの平均部員数は44.2人となっている。この二つの期間での増加にk学生野球連盟1部リーグに昇格したことが大きいだろう。明治神宮球場で開催される全日本大学野球選手権大会に出場できる権利があるのは各リーグの1部に所属してなくてはならない。そのため多くの学生がN大学に入学したはずである。しかしまだ新潟で卒業後に野球をする環境は整っておらず、県外に出てしまう学生も多くいる。しかしながら、今後の少子化の継続、および野球人気が衰える可能性も考慮した場合、野球を実施する環境改善が地方部の人口減少という課題解決の一つになることは考えられない。したがって、他の部活動や無所属学生の定住動向についても検討が必要である。

総評
私は愛知県の名古屋市出身であるためあまり、過疎化という部分では実感の少ないところが多い。しかし、鳥取県や新潟県といった県では過疎化が大きな問題であった。確かに、野球という観点で言えば2023年現在はNPB球団はなかった。しかし2024年からオイシックス新潟と言うチームが二軍戦だけの参加になるがNPBに参戦した。このオイシックスの参加により新潟県内で野球のために新潟に残り定住する機会が増えることは間違いない。そのため、次は過疎化の問題ではなく少子化によるスポーツの未来についての文献をみていきたい。

2024年4月25日
選んだ理由
今回の文献は愛知工業大学研究報告書の地域ビジネスとしてのスポーツに関する一考察である。この文献を選択した理由はこれから少子高齢化が進みスポーツに対する担い手が減る中で、スポーツはできる人だけがやるのではなく、やる人以外にも多くの役割があるのでないかと考えスポーツビジネスについて詳しく書いてあるであろうこの文献を選んだことが主な理由である。
内容
スポーツビジネスは脚光を当てるられることが多い。それは、スポーツビジネスを日本のビジネスの柱にしようという思惑があるそうだ。発端は2015年スポーツ庁が発足したことまで遡る。それまでは経済産業省や、文部科学省、国土安全省、厚生労働省などで役割を分断していた。これまではスポーツを教育の一環として捉えていた。しかし、欧米諸国ではスポーツをビジネスとして捉える風潮があった。そこから日本でも産業振興を果たそうという発想が出てきた。スポーツビジネスを産業として育て上げようという取り組みが行われ始めた。様々な議論が行われていたが、その中でも2016年度スポーツ経済人材プラットフォーム協議会が特筆する。スポーツビジネスの課題では経営人材不足が挙げられた。経営に対する知識を持った人が少ないことが指摘されていた。これまでスポーツビジネスを担っていたのはスポーツで実績を持った人が多かった。しかし、スポーツ庁の調査によればスポーツビジネスの経営者に求められる素質は一般企業の経営と同様であり、MBAなどの経営知識の定着が必要だと指摘された。ビジネスのコンテンツの一つがスポーツという認識が大切である。日本のスポーツ市場はアメリカの10分の1であることも問題である。
日本でのスポーツビジネスの中心は体育学や、教育学であり経営学からのアプローチは少ない。スポーツビジネスの本場アメリカでは体育学と経営学の双方からアプローチが盛んである。
次なる問題は地域格差である。これに対しての政策は「まち・ひと・しごと創生法」なのである。これは地方の経済を押し上げることで地方創生を果たそうというものである。これはまちづくりを通して日本経済を元気にしようということである。地域ビジネスの中で何をコンテンツにするかであるが、いくらネット社会となったとはいえ、地域初のビジネスがいきなり出てくることは難しい。この点スポーツは元々地域社会との関係を重視してきた。例としてJリーグが挙げられる。地域社会との関係を非常に重視してきたことでも有名だ。
スポーツのビジネス化が進んでいる。そこではスポーツをビジネスのコンテンツとして捉え、スポーツビジネスを促進する人材育成重要課題である。競技をプロ化すればいいという問題ではない。経営がうまくいかないこともある。プロ化の名の下ではいかに収益を上げるかが大切。スポンサーから広告収入を増やすことが重要である。まずは理論が実践に追いつき、お互いに手を取り合いながらスポーツビジネスが発展できるようにすることが今後の課題である。
総評
今回の文献の選択理由でもあったスポーツはする人だけでなく、他の担い手もいるという点に関しては、やはりスポーツビジネスの中で重要な経営者としての人材が不足しているそうだ。アメリカとよく比較していたが、アメリカのスポーツ人口と日本のスポーツ人口には差がある。それはアメリカでは季節によってやるスポーツが変わるため、アメフトとバスケや、アメフトと野球といった組み合わせで行うため一つのスポーツを極めようとしている日本と比較するのはおかしいと思う。日本も季節によってスポーツを変えるようなことを行えば向き不向きの適性がもっとすぐにわかるかもしれないなと考えた。

2024年5月2日

〈内容総括・選択理由〉

今回の文献は岡山理科大学経営学部の岡田康太氏による『広島東洋カープにおける経営戦略に関する研究-新型コロナウイルス渦のファンの心理状態を事例として』というものである。この文献を選んだ理由は前回スポーツビジネスについての文献を目にし、興味が湧いたことが大きい。この文献を読むことでもっとスポーツ経営や、経営戦略について知識を深めることができるのではないかと考えたからである。

〈内容〉

コロナの影響によりプロ野球は短縮や、無観客、観客制限など多くの制限がされた。その中で広島東洋カープは独立採算制をとっており、親会社を持っていないことから球団の収支のみで経営を行っていた。そのため赤字が続けば球団合併や買収、消滅の可能性が出てくる。そこで2020年シーズンにおける球団別の本拠地での観客動員数の確認することとともに、コロナの影響を受けなかった通常の試合数を実施した2019年度のシーズンと比較することにした。

2020年度の観客動員数は12球団最多であった。しかし1974年以来46年ぶりの赤字経営となった。カープは独立採算制の導入の影響で黒字経営を続けなければならない。またプロ野球の成績と観客動員数の関係を見ると球団の成績が良ければ良いほど観客動員数は増加し、逆悪ければ減少する。しかしカープにはその傾向がないことからカープファンは異なる特を持つ可能性がある。日本ではまだコロナ拡大がスポーツファンの心理状態に与えた影響などについて書いている論文は見当たらない。コロナの拡大がスポーツファンの心理状態に与える影響について理解なることで今後また新ウイルスの拡大の影響で直接感染できない時の経営戦略を取る際どうすれば良いか効率的に考えることができる。そのため独立採算制をとっているカープを対象にする理由は経営攻略を立案する必要があるからである。

調査の結果わかったこと

1、他球団とカープは男女比率が違う。

2、カープが日常に入り込んでいるため試合ないことによる日常への支障が多かった。

3、カープファンは新型コロナウイルス渦以前の観戦を望んでいた。

やるべき経営戦略

1、SNSやテレビで過去のプレーなどを配信放送する。

2.カープの選手の応援歌を耳にする機会を増やす。

3.外出しにくい状況でも使用できる商品をECサイトで販売する。

本研究の目的は新型コロナウイルスにおけるカープファンの心理状況を明らかにすることと、ウイルスなどの感染拡大の影響を受けて球団経営をすることが困難になった際にカープが建てるべき経営戦略を示唆することである。

〈総評〉


今回の文献を選択した理由として挙げた経営戦略の知識を深めたいという考えがあったが、この文献を読んでみて、自分の中に違和感があった。やるべき経営戦略が三つともパッとしないと感じた。特に2つ目のカープの応援歌を耳にする機会を増やすというものだが、その歌が好きなわけではなく、応援する雰囲気が1番大切だと私自身思っている。そのため電車で応援歌を聞いてもなんとも感じないのではないかと思う。そのため今後の研究として、試合以外で応援歌を聴くことが効果的なのかをみていきたいと考えた。

2024年5月9日
〈内容総括・選択理由〉
今回の文献は大阪体育大学教授である、藤本淳也氏の「スポーツマーケティングとは何か-特異性の考察-」という文献だ。先週に引き続きスポーツ経営についての文献を読もうと考えていた。そこでふと気がついた、スポーツマーケティングってなんなんだろうと。そこでスポーツ経営、スポーツマーケティングについて研究を進めて行く上で大切であるスポーツマーケティングについて書いてあるであろうこの文献を選択した。

〈内容〉
スポーツマーケティングと初めて用いられたのは1979年発刊された“Advertising Age” とされている。その後スポー ツの急速なビジネス化とグローバル化を背景に「スポー ツマーケティング」は学問そして実践活動として発展し, 学術界とビジネス界において世界的に市民権を得た言語 となった 特にスポーツマーケティングが発展したのは1980年代である。1984年のロサンゼルスオリンピックがきっかけであった。オリンピックの大会組織委員会委員長に就任したのが旅行会社の社長であったピー ター・ユベロス氏 であった。彼が就任するとそれまで開催都市の公的資金で賄われていた大会経 費を一新し,放送権とスポンサー権,商品化権を収入源 の柱とする大会運営の商業化を図った。 そうすることで大会組織委員会のスポンサー収入が1976年のモントリオールオリンピックの10倍、放送権料も7倍となった。その後ユベロス氏は当時赤字球団が多いと有名なメジャーリーグのコミッショナーに就任すると同じようなビジネスモデルで黒字化させた。この放送権、スポンサー、商品化の「権利」を売るビジネスモデルは現在のオリンピッ クや国際競技団体,そして世界のプロスポーツのビジネ スに採用されている。 日本のスポーツビジネスの大きな進展は1993年に開幕したJリーグである。日本では「するスポーツ」と「みるスポーツ」のどちらかを強調する考えが存在した。1980年ごろまで、体育や地域のスポーツ、フィットネス活動など生活の中でスポーツや運動を「する」人が中心であったこと。1990年代に入りスポーツの大会や試合の放送権やスポンサー権を売るビジネスが加熱する中で、スタジアム観戦やテレビ中継などを介して「みる」人や「応援する」人を対象とするマーケティングが注目されたことが大きい。現在,スポーツマーケティング研究で広く受容されて いるのは,Mullin et al.(2014)の定義である。彼らは 「スポーツマーケティングとは,交換プロセスを通じてス ポーツ消費者のニーズと欲求を満たすためにデザインさ れたすべての活動である。そして,スポーツマーケティ ングには,スポーツ消費者への直接的なスポーツ製品と サービスのマーケティングと,スポーツ組織とのパート ナーシップやプロモーションを利用した製品・サービスのマーケティングの主要な 2 つの側面がある。」「するスポーツ」や「みるスポーツ」に重きを置くのではなく、スポーツ消費者が関わる多様な消費行動を対象としていることから、する、みるだけに限らず、買う、支える、着る、履く、読む、閲覧する、共感するなどが含まれている。スポーツはWell-bingであり、Well-bingは幸福のことである。ポーツ消費者は,一般的に知ら れている身体的,精神的,社会的に positive と negative の効果に常に直面し,双方から影響を受け続ける。

〈総評〉
この文献はスポーツマーケティングの始まりから現在に至るまでのスポーツマーケティングの定義について書いてあった。知らないことばかりで物凄くためになった。また、今後の研究において必要となる定義等を知ることができ今後の研究に活かしていきたいと強く思えるような内容であった。まだ、あまりスポーツマーケティング、スポーツの学術的な側面が理解できていないため今後ももっと読んでいきたい。

2024年5月16日
〈内容総括・選択理由〉
私が選んだ文献は難波秀行、中田賢一による『米国における・大学体育・スポーツの取り組みに関する現地調査』である。この文献を選んだ理由は前回の発表で調べるべき日本とアメリカの違いを知る上で大切なアメリカの大学のスポーツの捉え方を知ることができると考えたからである。やはり日本とアメリカでのスポーツに対する捉え方の違いを痛感させられる内容であった。

〈内容〉
日本で米国は体育スポーツ文化史を理解する上で重要な役割を持っている。だからこそ米国における体育教育の教育的な意義、また、全米体育協会に代表される競技スポーツ団体における学生スポーツを理解することは我が国の大学教育、スポーツの発展のためには重要なことを提供すると考えた。アマースト大学が1861年初めて体育科目の課程を設立した大学として知られており、米国の大学体育を学ぶ上で肝心である。この大学は全米有数のリベラルアーツカレッジである。
本調査では大学発祥の地と理工系大学における大学教育の実態を調査すること、学生スポーツ(大学野球)を対象としてその取り組みと大学における学生スポーツの位置付けを調べること、その他スポーツ関連施設への訪問による米国スポーツの理解を深めることで、日本の大学体育、スポーツの発展への情報を得ることを目的としている。
大学スポーツ発祥の地であるアマースト大学における大学教育の実態調査のため2023年8月6日仮8月11日までマサチューセッツ州のアマースト町を訪問した。体育局長と連絡をとり面会した。局長によると、アマースト大学には28のスポーツ部と、20のヘッドコーチが所属しおり、NCAAのdivision3にさ所属している。
また、体育の成績には、運動能力とコミュニケーションやリーダーシップを重要としている。しかしGPAには関係しない。また、学生だけでなく、街の人、教員も参加ができるそうだ。四つのゴールがある。1.生徒のポジティブ経験2.尊敬、友愛、一体性に優れたチーム文化3.成功体験4.キャンパス全体が誇れるチームこの四つがゴールのようだ。アメリカでは、大学の教育方針に基づき体育科目、競技スポーツ、クラブ活動が位置付けられており、大学によって特徴あるカリキュラムがとられている。
アメリカでは社会人野球はなく、大学野球はMLBの土台だけでなく、多くの大学はアスレティックデパートメントに野球部をおいており、教育的な意味を含めて学生アスリートを受けて入れている。米国ではNCAAが1番大きな組織であり、他にはNAIAや、NJCAAなどがある。米国大学野球には約2000チームある。1チーム30ー50人である。日本では26の連盟があり、370大学が野球連盟に所属をしており、28252人が登録されている。1チーム約76人がいることになる。ベンチ入りが25人であることを考えると、受け皿がかぎらていることがわかる。現在50人がアメリカに野球留学をしており、9人がNCAA のdivision1に所属している。米国の大学では、アスレティックデパートに力を入れているため、施設や設備だけでなく、スタッフの配置やスポーツをサポートする部門の運営も行われている。優れた環境でスポーツ選手が育成され、スポーツ科学に関する研究が進められているように思えた。日本で米国と同様に経費を投じることは困難であるかもしれない。しかし、大学の役割として、将来の全人格的な発展を目指す上でスポーツは欠かすことができない。大学の宣伝ではなく、学生教育の一環として取り組むべきである。
〈総評〉
今回の文献を読んでみて一番痛感したことは、アメリカの大学野球では限られた人数しか所属しておらず、しっかり選別されていることに驚かされた。一方日本ではベンチ以上に人数を抱えておりここが日本の大学スポーツがまだまだの要因ではないかと私は考えた。確かに好きなスポーツをやること大切だがここにもっとフォーカスを当てていきたい。今後そのような施策を考えていきたい。

2024年5月23日
〈内容総括・選択理由〉
私は今回、アメリカ教育研究34号の川村真理の『コロナがもたらしたアメリカ高等教育のトレンド変化』を読んだ。私がこの文献を選んだ理由は、ここ最近はコロナの影響がなくなりつつある中で、ここ3年の経営があまり上向きとは言えなかったアメリカにおける高等教育経営。そんなアメリカでの大学立ち位置は、スポーツビジネスと1番密接していると言っても過言ではない。そのため、コロナの影響でどのような影響があったのかを知るべきだと考えたからだ。
〈内容〉
本稿は、コロナのパンデミックがアメリカの大学の教育、研究活動にももたらした影響について考察している。アメリカの大学では、パンデミックの長期化 に伴って高等教育をめぐる経済損失とその影響範囲が拡大し、国内の経済格差 拡大を起因とする進学動向の変化、大学の教育プログラム縮小、教職員解雇等 に至るまで大きなトレンド変化が生じた。アメリカでは、2021 年 3 月に成立した1.9 兆ドル規模の経済対策である米国救済計画による多額の財政出動に加え、長期にわたるロックダウンにより国内経済へのダメージが拡大・累積し、物価上昇リスクが加速した。アメリカではフルタイム学生のうち7割が州立、公立大学に通っている。これらの大学の運営費の多くが州財政から捻出される。今回のロックダウンの影響で、州経済の落ち込みは2009年に起きたリーマンショック時よりも激しく、州経済に与えた営業も大きかった。米国連邦議会は緊急事態宣言が発令された2020年3月13日から約2週間後の3月27日に新型コロナウイルス対策救済安全保障法を制定した。これにより、教育安定化基金として約307億ドルを拠出し、このうち約46%が高等教育にあたる約140億ドルが高等教育緊急救済基金として確保された。この資金のうち、9割に当たる125億ドルは直接支給である。しかし、その用途について、「コロナウイルスによる教育提供の大幅な変更に関する費用」と明記されており、「入学前の勧誘活動のための請負業者への支払い、寄付金、スポーツ、宗教活動、宗教施設に関する資本支出」に使用することが不可であり、制限されている。アメリカの高等教育市場は、パンデミックによる経済停滞の長期化、国内の 経済格差拡大、物価高騰、大学入学者数の低下といった動きを受け、現在静かに縮小に向かっている 。アメリカの高等教育は入学者 人口減少局面にあるため、特に大学入学人口の減少が激しい北東部や中西部で は、授業料依存度の高い非選抜型の小規模私立大学や地方公立大学を中心として2024 年度も閉鎖、合併、運営再編といった動きが避けられないだろうと予 測している。アメリカの大学がパンデミックの際に取った様々な経営戦略は、今後の日本の大学にとっても有益となる部分は多々あるものと思われる。しかし、短期的な経済的収益のみに目を向けるのではなく、改革によって何が得られ何が失われるのかを見極めたうえでこうした改革が進められるよう、注視していく必要があるのではないだろうか。

〈総評〉
今回の文献は非常に参考になった。新型コロナウイルス対策救済安全保障法を制定によって、教育安定化基金として約307億ドルを拠出し、このうち約46%が高等教育にあたる約140億ドルが高等教育緊急救済基金として確保されたが、このお金を「入学前の勧誘活動のための請負業者への支払い、寄付金、スポーツ、宗教活動、宗教施設に関する資本支出」に使用することがすかであり、小さな大学での経営は難しく閉鎖されるところも多いことがわかった。先日閉鎖される大学がアメリカの大学野球で勝ち進んでおり、全国大会に出る際は架空の大学名で出場する可能性があるという記事を目にした。このような学校が他にないか今一度調べていきたい。

2024年5月30日
〈内容総括・選択理由〉
今回は永田智章の『プロバスケットボールの試合における勝利の値段』というものである。今回この文献を選んだ理由は、ここ最近多くのアメリカの大学教育を中心に見ていたため、一旦見る視点を変えようと思ったからである。主な理由は、B.LEAGUEはJリーグやNPBに比べてできてまだ日が浅い。そのためスポーツ経営をどのような観点でやっているかわかるのではないかと考えたからである。
〈内容〉
本稿はB.LEAGUEの年俸と勝利の関係を解明することである。この課題はプロリーグにおける競技力の均衡と財務力の均衡の両方を健全性を達成させようという挑戦である。B.LEAGUEはバスケットボールの普及に伴い発足されただけでなく、スポーツを通し社会全体を活性化させることを目指し誕生したプロスポーツリーグである。まずB.LEAGUEの市場価値は全体で、2016-2017シーズンは約224万人、2017-2018シーズンが、約250万人2018-2019シーズンには約259万人と増加している。次に、B.LEAGUE全体の売り上げは当該3季の期間に約150億円、約195億円、221億円と増加している。続いて、B.LEAGUE全体の支出額は約148億円、約193億円、約228億円と3季続けて増加している。ところがB.LEAGUE全体でみた利益は2016-2017シーズンは約1.97億円、2017-2018シーズンは約2.28億円と2季連続で黒字を計上したが、2018-2019シーズンには約6.91億円の赤字を計上している。以上をまとめると、入場者数と営業収益を順調に拡大させている一方、営業費用も拡大しているため結果的に営業利益は赤字となり、安定成長とは考えにくいことが分かった。B1を見ても2018-2019シーズンになると赤字球団が9黒字球団が9となり赤字球団と半々の状況である。ここまでで、B.LEAGUE市場は拡大傾向にあるいっぽう、赤字経営に悩む状況にある。また、B.LEAGUEでは年俸総額の上昇傾向が見られる。その背景には各クラブが勝ち数を増やすことで収入を増加させようと試みるからではないか。しかし、勝ち数を増やすためにタレントを投入には年俸総額上昇に伴い結果一勝入りの値段は上がる。本稿は,B.LEAGUE において、クラブが負担 する年俸総額の増加は、当該クラブの勝数の増 加に有意に貢献しているが、その効果は概ね非弾 力的なものであることを解明した。B.LEAGUE 市場は,2016年の誕生以降 3 季続けて入場者数 及び売上額を増加させ、順調に拡大を続けてき たが,同時にクラブ運営に必要な費用にも増加 傾向がみられる。その結果、赤字経営に陥るク ラブや赤字体質を克服できないクラブが少なく ないという課題を抱えている。 健全なクラブ経 営を目指すためには、試合の勝数を増やし、ファンやスポンサーからみて魅力的なクラブに 成長しなければならない。 その努力の結果、ク ラブが負担する年俸総額には上昇傾向がみられ、試合 1 勝あたりの年俸総額が上昇している。 この勝数効率低下は勝利の値段の値上がりを意味 している。

〈総評〉
今回の文献は非常に面白かった。勝てばお金が入る、しかし勝つためにはお金がいる。そのためタレントを集めて勝つ、そうすると一勝あたりの単価が下がる。考えたこともなかった。選手ではなく作戦や育成環境、練習環境などで勝つために手を加える必要があるのではないかと私は思った。まだまだチームの運営には目を向けたばかりなので今後ももっとこのような文系を見ていきたい。

2024年6月6日

〈内容総括・選択理由〉
今回選んだ文献は川上祐司の『アメリカのスポンサーシップ戦略に学ぶスポーツマーケティング』の第1章『スポンサーシップとは』というものを読んだ。 なぜこの文献を選んだかというと、スポーツビジネスにおいて、スポンサーは非常に大切である。しかし、スポンサーと協賛の違いがわかっていない自分がいたためこの文献を選んだ。

〈内容〉

世界的にスポンサーシップ市場は年々拡大している。これにはスポンサー側の経営にも多大な関係性があり、スポーツスポンサーシップは企業におけるマーケティング戦略の一翼を担う。日本では2019年のラグビーワールドカップに引き続き、2021年には一年延期となった東京オリンピック、パラリンピックが開催された。これらの世界のイベントの開催も一過性のものとしてではなく、多くの国内プロスポーツおよびチームビジネスの永続的な発展に向けたマーケティング戦略として繋げることが望まれる。そもそも、スポンサーシップとは、何か。日本ではスポンサーシップは協賛として取り扱われている。スポーツの先進国アメリカの定義は、協賛とは異なる。広辞苑では協賛は「事業の趣旨に賛同し協力すること」と明記されている。寄付や寄贈のような意味合いが強く、一方通行のイメージがある。一方スポンサーシップは、「『組織』『機関』『企業』などの事業体が別のエンティティに対して何らかの方法でサポートしたり責務を負ったりする」という意味が含まれている。一般的に二つのエンティティは「スポンシー」と「スポンサー」と称される。前者がスポーツプロパティ、後者をマーケティングインベスターとして、両者は金銭と価値の交換である。当初のスポンサーシップは購買活動の促進や懸賞、または見本市や展示会への参加の意味が主流であり、パートナーシップとしての可能性が十分に理解されていない傾向にあった。実際に日本ではスポーツイベントの協賛の場合、その趣旨に賛同した一方通行的な投資、また親会社からの補填などが今でも見受けられる。日本のスポーツビジネスではこれらが収入の柱として成り立っている。そのためパートナーシップの理解が希薄である。重要なのは、スポンサーとスポンシーがお互いに有益な関係を保持するパートナーである。

〈総評〉
今回の文献はスポンサーの認識の違いや、日本とアメリカのスポンサーの考え方の違いについて知ることができた。スポーツ経営、ビジネスをこれから深く掘り下げる上で大切な知見を得た。これからももっとこのような知識を深め、スポーツビジネス、経営について日本ではどうあるべきかを考えていきたい。

2024年6月13日
〈内容総括・選択理由〉
今回選んだ文献は川上祐司の『アメリカのスポンサーシップ戦略に学ぶスポーツマーケティング』の第2章のスポンサーシップの目的である。前回はスポンサーシップとは何かについて、同じ文献を使って読んだが、今回はその続きである。スポンサーシップとは何かを学び、今回はスポンサーシップの目的について読んでいきたいと考えた。この文献を少しずつ読みスポーツビジネスの核であるスポンサーについてしっかり見ていきたい。

〈内容〉

企業からのスポンサー投資は国内プロチームにとって大きな収入源であることは間違いない。しかし、スポンサーはスポンサーシップの目的を達成しているのだろうか。コーンウェルによるとスポンサーシップの成功過程で最も重要なことは、インベストメント(投資)アクセス(手段)イクスプロィタブル(活用)の3つが挙げられている。つまり、投資に対しての実現可能な還元と最大限の活用が不可欠なのである。スポンサーシップはスポンサーとスポンジーの相互利益のためのビジネス的契約である。
スポンサー側のメリットは企業およびブランドイメージの強化、セールス強化などが挙げられる。これらを達成するためにスポンサーは、スポーツクラブ、イベントなどに金銭または現物での投資であるスポンサーシップを展開する。マーケティング戦略として当然ながら高い費用効果が期待できる手法の選択が求められる。デビラらはスポーツコンテンツのスポンサリングは下位概念であると述べていた。このスポサリングは日本はスポーツ協賛があたる。その意味合いは欧米諸国のスポーツ先進国とは大きく異なる。スポンサリングの場合本当にスポーツを通しマーケティングが望ましいのか、また費用対効果に関する評価指標が設備されているのかなどの判断がスポンサー側のマーケティングインベンスターにとって最初の重要な検討事項である。しかし日本は、親会社の柵や、経営者トップの嗜好によって決定している場合が多いのが現状。多くの場合スポーツがターゲット市場に低い認知に伴う奇薄なエンゲージメントによって想定ターゲットへのマインドシェアを構築することができないのである。無駄な投資ではなく、場合によってはスポーツの将来性を閉ざしかねない。スポンサーシップ効果の評価へのアプローチ、個々のマーケティングツールの単独を、検討するのではなく、より広範囲な統合マーケティングパッケージの一部として選択することが重要視されるべきだ。

〈総評〉
日本では確かにあまりスポーツに関係ない企業がスポンサーとしてプロ野球チームや、サッカーチームなどに出資しているイメージがある。しかしアメリカではスポーツに関係ある商品が多い気がする。もちろん自動車などのCMの場合もあるが、試合中にみんなで飲みながら観戦する購買意欲をそそらせるコーラやビールなどの企業がスポンサーについてる印象がある。こうした認識を日本でも変えていかなければならないと考えた。


2023年6月20日
〈内容総括・選択理由〉
今回選んだ文献は川上祐司の『アメリカのスポンサーシップ戦略に学ぶスポーツマーケティング』の第3章のスポンサーシップの目的である。今回やっとスポーツマネージメントの実例や効果について触れることができた。ここから多くの実例や、どのようなマーケティング方法があるのかをもっと学んでいきたい。
〈内容〉
RSR Partners によると、アメリカスポーツ産業の市場規模は4400億ドル(約52兆8000億円)で国内人口約77%が関わっており、世界的なスポーツ業界の成長の重要性は無限であるとレポートしている。また、同社はスポーツ市場をコンテンツ・プロバイダー、ディストリビューション・チャンネル、グッズ・サービス・プロバイダーの3つにゼグメント化しており、これらはビジネス的な協調関係を形成しながら巨大なビジネスエコシステムを、構築し、スポーツの多様性とエンターテインメントの更なる進化は同市場をますます拡大させている。そんななか、ネーミングライツはスポンサーシップはビジネスの中核として定着してきた。ネーミングライツの目的はブランド認知、忠誠心、パブリシティの3つである。2021年8月現在アメリカのプロスポーツ122チーム中85チームのスタジアムやアリーナでネーミングライツ契約を締結している。ネーミングライツはホームチームへのファンからの温かい気持ちによって企業やブランド名を刺激させブランド認知につながることが期待されている。スーパーボールの会場にもなれば世界中にその企業名が広がる。2020年からのパンデミックの中でも、アメリカ国内のスポンサーシップ市場は堅調に推移している。スポーツビジネスによると、2020年1月から2021年7月末までに約11億ドル(約1320億円)超の新規および契約更改が行われ、新たなカテゴリにやっても導入された。トヨタ社はアメリカ国内のすぞのスポーツ市場に積極的な投資を展開しており、TOYOTAブランドのアウェアネスと、エンゲージメントを獲得している。スポーツをするためだけではなく、共創的マーケティング、社会的なパートナーシップとして、ベニューの有効活用とブランド任意を目指した新しい社会的空間の提供に向けてプロジェクトの立ち上がりから協業している。ラウンジやスイートルームなどの空間など多岐にわたるとともに、スポンサー露出はもとより共通するお客様へのホスピタリティにも大きな成果を挙げている。

〈総評〉
今回の文献を読みまず1番の発見は、TOYOTAが米スポーツ市場に多く出資していると言うところだ。確かにエンゼルススタジオにあったように思える。日本ではまだスタジアム自体に企業の名前がついているのは思いつくだけで、ZOZOマリンスタジアムや、PayPayドーム、そしてバンテリンドームとこの辺りだろう。PayPayドームは元々ヤフオクドームであったため、日本のネイミングライツの先駆けだろう。そろそろ自分なりの経営戦略を考えて行きたい。

2024年6月27日
〈内容総括・選択理由〉
今回選んだ文献は長谷川博和氏の『スポーツビジネスと新事業戦略』という文献である。この文献を選んだ理由は、これから実際に事業案などを考えていくにあたり参考になるのではないかと考えたからである。

〈内容〉
筆者は早稲田大学ビジネススクールで新規事業の立ち上げ方や、ベンチャー企業の成功方法、そして地方にあるファミリー経営の方法など、アントプレナーシップという概念で統一することのできるする3つの領域を中心に教えている。アントレプレナーシップとは、人から言われた仕事をするのではなく、自らチャレンジングをして事業計画を作り、それをやり遂げること。また、筆者はスポーツと絡む事業では、日本スポーツ振興センターで「ハイパフォーマンス統括人材の育成支援事業」というプロジェクトに、委員として選考に関わっている。早稲田大学の中で日本で初めての「スポーツ MBA」というのを作った。早稲田大学の中のビジネスの専門家として、スポーツに関係する皆様に経営、戦略、ファイナンス、マーケティングといったスポーツビジネスにも必要な知識を学べる。今日本では現在ベンチャー企業が勢いある。文部科学省ではEDGENEXTプログラムというのを行なってる。先行する EDGE プログラムでは全国で 11 大学が選ばれ、今年度から EDGE NEXTという次の5年が始まり、今度は 11 大学から5 大学が選ばれた。起業家養成に力をそそがれている。この流れをスポーツと絡めるというのが大事である。よく IT ×金融で FinTech と言いう。“かける” というのが大事で、IT ×スポーツ、ベンチャー×スポーツという形で、掛け算でやるのはどうだろうか。スポーツ産業のイノベーションを起こす人材は、実は目の付け所を変えるだけで、相当大きな産業が起こるのではないかと考えている。スポーツ庁長官によると、スポーツ産業市場規模15 兆円へ拡大目標を掲げている。スタジアム・アリーナ、スポーツコンテンツビルダー、スポーツ分野の産業力強化とある中で、経営の面からみると、他産業との融合による新たなビジネスの創出つまり他の産業と連携して、アライアンスを組んで、新しい産業が出来上がるという所がとても大切である。世界にはスポーツマネジメント専門の教育をしている学校がある。ビジネスとスポーツに精通した講師陣で、スポーツだけでなく文化・ビジネス・観光を網羅するような多様な講義を行なっている。宝を活かす経営
人材・目線・価値観そういったものがあるかないかが重要なことなのではないか。局観で大きな時代の流れの中でこの産業を新しく俺が作るという「俺がやる」というのが大切。産業を俺が作るのだというアントレプレナーシップを持って経営にいくことが大切である。

〈総評〉
内容部分では省いたが、多くの意外性のある組み合わせというものがスポーツでも使えるのではないかという話が多く書かれていた。私がパッと浮かんだ組み合わせは、ありきたりだが、スポーツとファッションや、スポーツと音楽といった組み合わせだ。スポーツとファッションは最近サッカーのユニが普段で着ることがブームとなりつつある。このような流行に乗れるような事業案を考えていきたい。

2024年7月4日
〈内容総括・選択理由〉
今回選んだ文献は、藤本淳也氏の『スポーツ・スポンサーシップ効果に関する研究』というものである。ここ数週間に渡りスポンサーシップについて触れてきた。そして、スポンサーシップはスポーツマネージメントで1番メジャーな手法であり、もっとスポンサーシップについて深く掘りたいと考えたからである。
〈内容〉
スポーツ・スポンサーシップとは、スポーツインベントやクラブ、チームを経営するスポーツ組織と、それらに資金や資源を投資または支援する企業との相互交換関係である。つまり、スポーツ・スポンサーシップは共に同等の価値を交換する交換理論で説明でき、スポーツイベント等を通してスポーツ組織とスポンサー企業がお互いにメリットを供給・享受できる関係を意味している。企業のスポーツイベントやチーム、選手に対する奉仕的なあるいは寄付的な支援活動とは異なり、スポーツというサービス財を通してスポーツ組織とスポンサーの両者が得られる経済的・商業的な便益のバランスが取れて初めて成り立つ。現在、日本ではスポンサーいべんとやスポーツ・チームからスポンサー離れがみられた。投資するだけで便益が企業に対して提供されない。または、投資に対する便益が適切に測定・評価されてないことが大きな要因である。その中でスポンサー企業のブランド認知に関する研究が近年注目を集めており、スポンサー企業や製品のブランド認知の向上は最も期待するスポンサーシップ効果のひとつといえる。ブンド認知は「ブランド・エクイティ」の構成要素として注目されている。ブランド・エクイティとは、「ブランド、その名前やシンボルと結びついたブランドの資産と負債の集合」である。簡単に言えば、ブランド・エクイティは同様の商品やサービスであってもブランド名の存在によっておこる価値の差であり、ブランド認知のさであり、ブランド認知はその重要な構成要素のひとつと位置付けられている。ブランド認知は商品やサービス購買決定に影響を及ぼすブランド知識の構成次元の一つとされている。認知の中のトップをトップ・オブ・マインド・アウェアネス(TOMA)と呼ばれる。これは、自由想起で最初に想起されたぶらんどのことでどのように認知されているかと、どれだけ認知されているかの二つの要素において、まさしくブランド認知のトップである。スポンサーシップを通して、スポーツ組織はスポンサー企業に対してスタジアムやメディアでの多くの露出の機会を提供することで、スポンサー企業はブランド認知の向上、そしてブランド・エクイティの構築を期待している。

〈総評〉
今回の文献を読み感じたことは、スポンサーシップの効果についてである。ブランド認知をしてもらうことで買う製品を思い浮かべるとそのブランドが出てくるという考えになる。これがスポンサーシップの中でいちばんの効果であり、ウィンウィンの関係になるはずであるこの点を踏まえ研究発表に望んでいき

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