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【簿記2級学習・工業簿記】工場でかかったお金が費用計上されるまでの過程を解説

結論

下記のフローに沿って勘定科目を振替、『売上原価』として費用計上します。ちなみに、下記の図を勘定元帳っぽく詳しく書いたものが「勘定連絡図」です。

費用計上されるまでのフロー

解説

以前、工場でかかったお金は『売上原価』となって費用計上されるという記事を投稿しました。

この記事の中で、工場でかかったお金は貸方で仕訳することがある。それは『売上原価』として費用計上するための過程だと説明をしました。
そして今回は『売上原価』として費用計上するための過程を解説していきます。
結論に挙げた図でも触れましたが、工場でかかったお金は、下記の図に沿って勘定科目を振替、最終的に『売上原価』となります。

費用計上されるまでのフロー


それぞれの矢印について、より詳しく解説していきます。

工場でかかったお金→『仕掛品』or『製造間接費』

工業簿記では、工場でかかったお金を、『材料』『賃金』『経費』として、貸方で仕訳することがあります。
この、「貸方で仕訳した金額(製造原価)」が『仕掛品』『製造間接費』に振替わります。

ところでいつ『材料・賃金・経費』を貸方で仕訳するのか?それは多くの場合、「消費」をした時点です。ここで言う「消費」は、「製品製造のために使い始めた」という理解でいいかと思います。
話は戻りますが、「貸方で仕訳した金額」は『仕掛品』または『製造間接費』に振替わると説明しました。
「『仕掛品』『製造間接費』とは何か?」「『仕掛品』と『製造間接費』のどちらになるか?」これらついては、おおざっぱに下記のイメージを持っていただければ問題ないかと思います。

  • 『仕掛品』とは、製品を作りかけている状態のもの。

  • 『仕掛品』の借残高は「各仕掛品へ配分された製造原価の合計」を表す。

  • 『製造間接費』とは、間接的に製造にかかわった額。

  • 『製造間接費』の借残高は、そのまま上記の額を表す。

  • いわゆる「直接費」は『仕掛品』、「間接費」は『製造間接費』になる。

長くなりましたが、これで『仕掛品』か『製造間接費』に振替ました。

『製造間接費』→『仕掛品』

先ほどの節で『製造間接費』と『仕掛品』について軽く紹介しました。
この『製造間接費』は、このあと「配賦」というのを行います。配賦を行うと『仕掛品』へと勘定科目が振替わります。
「『仕掛品』に振替わるのに、なぜ『製造間接費』があるのだ?」と疑問に思うかもしれません。この理由は原価計算がかかわってきます。
詳しくは他の方の記事を参考にしていただけると助かります。ですが、本当におおざっぱに言うと「どの仕掛品が今後売れた時に『製造間接費』を費用計上すればいいか」が最初ははっきりしないためです。
雑になりますが、「配賦」というのを行うことで、『製造間接費』を『仕掛品』に振替わりました。

『仕掛品』→『製品』

仕掛品が完成すると、その仕掛品に対しての製造原価分を『製品』に振替ます。ここはこれ以上言及することは特にないです。

『製品』→『売上原価』

製品が売れると、売れた製品に対する製造原価分が『売上原価』となってようやく費用に計上されます。

これが「工場でかかったお金が費用計上されるまでの過程」です。
ちなみに、今回紹介した図を勘定元帳っぽく詳しく書いたものを「勘定連絡図」といいます。費用計上されるまでの流れを理解できる図です。他の記事などを参考にして一度ご覧になることをおすすめします。

まとめ

  • 『材料』『賃金』『経費』を貸方で仕訳すると、『仕掛品』『製造間接費』に振替わる。

  • 『製造間接費』は、「配賦」を行うと、『仕掛品』に振替わる。

  • 完成すると、その製造原価分を『製品』に振替する。

  • 製品が売れると、売れた製品に対する製造原価分が『売上原価』となり、費用計上される。

  • 今回紹介した図を勘定元帳っぽく詳しく書いたもが「勘定連絡図」

おわりに

簿記2級学習のためにまとめました。
分かりづらいところがあれば教えていただけると幸いです。

以上です。
最後まで読んでいただきありがとうございました!

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