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巌窟王

昨夜、父の夢をみた。
夢の中の父はまだ若く
30代後半といったところ。

小学2年の時、父に本屋さんに
連れていかれ、この本を買って
もらったのを時々思い出す。

特に、本屋独特の紙の匂いを嗅ぐと
あの時の風景ややりとりが甦る。
まだ、父が優しかった頃だ。

濡れ衣を着せられ、無実の罪で
逮捕されたダンテス。
流刑島の地下牢に14年間入れられた彼は、
脱走後、財宝を手に入れ、
「モンテ・クリスト伯爵」と名を変えて、
正義と復讐のため、胸のすくような
大冒険を成し遂げるというストーリー。

生きてると“濡れ衣〟って確かにある。
“裏切り〟もあるのが人生だ。
人は損得で安易に人を切り捨てる。
瞬時にどっちについた方が
得か安全かを判断される。
そして、多勢に無勢だ。

この世は“諸行無常〟
変わらないものなどない。
人は裏切るもの、
信じ過ぎてはならない。

復讐は意味がない、
不毛な行為だと言われるが
私はそうは思わない。

自分の尊厳を守るなら
2回くらいは良しとしてる😃

父はどんな思いで幼い私に
この本を買ってくれたんだろう。

単に「小学生に読ませたい名作シリーズ」として買い与えたのだろうか?
それとも
「この世は理不尽なことが大半だ。
人生は忍耐の連続だ、今から覚悟しておけ」

という思いだったのか。

父を憎みながら
父を求めている自分がいる。

【補足】
連れていってもらったあの本屋さん、
Googleで見たらもうなかった😂
でも、真ん前のラーメン屋は
まだあったのでいつの日か
行ってみたい🍜

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