見出し画像

ちえりーらんど2に行ったらド平日なのに滅茶苦茶楽しかったという話

よみうりランドで撮った写真があるよ

キャプチャ

「ちえりーらんど」とは、電脳世界で花京院ちえりが経営する、都市伝説めいた遊園地である。
身も蓋もない言い方をすると、steamで配信されているプラネットコースターというゲームの実況配信中に生まれたネタだ。そのあまりに滅茶苦茶な経営方針を面白がったファンの間でネタとして定着した。

『目を疑うような安い時給で”24時間ゴミ箱を並べ続ける”という謎の作業を従業員に強いる超ブラック経営者』というキャラクター像は今や「花京院ちえり」を構成する重要な要素と化しており、ファンだけでなくちえりちゃん本人もそのことを自覚している。

などという前置きはさておき
我々現実世界の人間にとってはフィクションの存在だった「ちえりーらんど」がついに現実世界、よみうりランドに顕現した。

キャプチャ

拙者、作中で登場したアイテムとかロケーションが現実世界で再現されるやつ大好きだからね。あと、仮想世界が現実世界を侵食してくるやつ、パプリカとか電脳コイルとかも大好きだからね

行った。
そして滅茶苦茶楽しんできた。

よみうりランド駅はちょっと怖い

朝、よみうりランド駅に到着した時はあまりにも閑散としていていきなりビビり散らす羽目に。ド平日の朝、人が全くいない駅のホームからは生気というかなんというか、なんかそういうのが全く感じられないのだ。
脳内では谷山浩子の骨の駅が流れてくる。オタク特有の自動脳内BGM選択機能が仕事しすぎる。やめろ凄いマッチするから。怖い。

駅からさらにバスに乗って数分移動するのだが、このバスがどんどん山を登っていく。そりゃもう心配になるほど普通に山道を登っていく。向かっている先の「遊園地」という言葉の持つきらびやかなイメージとは正反対のうらびれた山道を登っている最中、私は、行き先を間違えているのではないか、もしかしたら山奥に人知れず佇む何らかの収容施設に送られているところで、いま見ている風景こそ正気の私が見る最後の景色なのではないか・・・などと言いようのない不安に襲われたが、もともと「ちえりーらんど」は強制労働施設みたいなものなので特に問題はないか、と思っているうちにやがてバスはよみうりランド、もとい、ちえりーらんどに到着した。

当然と言えば当然なのだが、正面ゲートには「よみうりランド」の字が掲げられている。
ちえりーらんどではない。
しかしここが既に「ちえりーらんど」であることは分かり切っているなので問題はない。(何しろ今回は「ちえりーらんど2」である。よみうりランドさん、既に2回もこの試みをやっているのだ。去年は台風で行けなかった)

ド平日なので特に並ぶこともなく、閑散としたゲートからヌルッと入園。

ここが夢の国ちえりーらんどだ

画像2

いる!ちえりちゃんいる!!!!!

早速乗った。
5年ぶりくらいに絶叫マシン乗ったから死ぬかと思った。

なんだろう、この不思議な感じ。ぶっちゃけVtuberってまだマイナーなコンテンツで、例えばホロライブの人達がVtuberという存在の知名度をかなり上げたけど、まだ世の中で「Vtuber?何それ?全然知らん・・・」という人は相当多いと思う。

これがYoutuberだったら「ああ、Youtubeでなんかやってる人のことね」と言ってもらえるハズ。そう思うとそもそも”Vtuber”という名称があんまり良くないのかも知れない。バーチャルYoutuberだったらやっぱり「ああ、Youtubeでなんかやってる人のことね」と思ってもらえるだろうから、多分Vtuberっていう呼称はマーケティング目線では本当は良くないんだろうな。閑話休題。

画像8

ともかく、Vtuberというのはまだまだ「知る人ぞ知る」存在だと思う。
1億総オタク化、とまでは言わないけど20年前と比べると圧倒的に国民全員がアニメかマンガかゲームに親しむようになってオタクと一般人の境界が薄れた現代において、いまだに「なんか瞬間風速の凄い一部のオタクが楽しんでいる」コンテンツ、そういう立ち位置。
多分。少なくとも私はそう思っている。

画像9

そんな ”一部の人向け” コンテンツであるVtuberたちが、どっからどう見ても ”みんな” 向けコンテンツの権化である遊園地に平然と紛れ込んでいる
なんか、凄いな・・・。

画像2

実はよみうりランドへ行くのは初めてだったんだけど、ディズニーランドなんかとは全然違う。ここには統一された世界観みたいのは存在しない。
日清やコクヨのような、名前を聞くだけでロゴを思い出せるような企業たちがバキバキに自社の世界観を出したアトラクションを展開してるし、食べ物屋はオシャレタピオカドリンクからたこ焼き、ストロングゼロ、牛タンまでなんでもアリ。

昭和日本のプロダクトと広告デザインの悪しき側面をすべて詰め込んだかのごとき混沌さに満ちていて、だからちえりちゃんたちが紛れ込んでも全然違和感がない。

画像5

しかも「Vtuberコラボエリア!」とかで隔離されている訳でもなく、ただ普通にアトラクションの看板に、飲食店のメニューの看板の中に紛れて可愛い女の子が、ちえりちゃんが、なとりが、めめめが。ただそれだけ。

でもその”普通さ”がすごく愛おしい。溢れ出るラブ。

画像4

よみうりランドのシンボルでもある大観覧車。入園前からでっかく見えていて、園内でもちょっと隔離された特別のエリアのような扱いになっている。
その大観覧車へ向かう坂には、ちえりーらんどの旗がびっしりと並んでいて、ここだけはちょっと「コラボエリア」っぽかった。よみうりランドは我々が乗っ取った。そんなエリアを子供連れの家族が、幼稚園生の団体が、友達と思い出作りに来た学生さんたちが、笑いながら通り過ぎていく。

エモい。これがエモ。ラブ。

画像6

主要なアトラクションの乗降口の近くにはお店があって、なにか食べたり飲んだりできるようになっていた。これが合理的な遊園地設計ですよちえりちゃん。プラネットコースターでもライドから降りた直後の客は疲れてたりするから飲食店とベンチを乗降口周りに置くのは有効だよ。

安易な揚げ物を食べていると、八重沢なとりのアナウンスが聞こえてくる。穏やかでさわやかでにこやかななとなとボイスと乗客のガチめの絶叫。
なんだこれ。面白すぎる。

画像8

私が行った日は残念ながら天候に恵まれなかったので、めめめのアトラクションは休みだった。プテラノドン、身長制限・・・なにかとピノ様を連想する要素が多い。そういえばめめピノってあまり絡みがないような、と思ったけどこないだめめめとヨメミのラジオに代打でご出演なされてましたね、ピノ様。なるほど、そういうことか。わかっちゃった。

周りは同じように雨天中止のアトラクションや、お化け屋敷のあるエリアだったので、人通りはほとんどない。元々ド平日だから人はかなり少なかったんだけど、この一角はマジで人がいなかった。

遊園地らしい浮かれた空気はあるのに、閑散としている不思議な空間。廃墟マニアの人が胸に抱くなにかの欲を満たせると思う。

画像8

そうこうしているうちに、園内にイルミネーションが灯り始めたので退散。
全然知らなかったのだが、よみうりランドは毎年秋になるとロマンチックで盛大なイルミネーションをやって若い女性や恋人たちから大人気らしい。
園内で迷いまくって「らんらんホールはどこですか」とかいう屈辱的ワードを口にする羽目になった時に従業員さん(マジのよみうりランドスタッフのこと)が教えてくれた。ありがとうございます。でも私は今回そういうんじゃないのでさっさと出荷よー (´・ω・`)

よみうりランドさん、ありがとう

そんな感じで、滅茶苦茶楽しませてもらいました。
よみうりランドさん、去年に引き続きこのすばらしい企画を実施してくれて本当にありがとうございます。

画像12

ド平日・一日中雨・寒い・ホールイベントもないのにソロ参戦というレジャー難易度としては極限の条件下でも私が一日しっかり楽しめた理由は、これがただのVtuberコラボイベントではなくて「ちえりーらんど」という電脳世界の物を現実世界に引っ張り出した、という特殊設定が効いている点がかなり大きい。

だってこの日、私はちえりーらんどに居たんだから、何が起こってもそれは「ちえりーらんどで体験した出来事」になる訳で、そしたらすべての出来事はプレシャスでしょ?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?