13800円の傘を買った話

このタイトルを見てどう感じただろうか?

私の金銭感覚では、傘に1万円以上かけるのは、考えられないことであった。
そんな私が、そんな値段の傘を買った話を今日は書こうと思う。

私は昔よく傘を失くした。
電車で手すりにかけたまま、飲んだお店の傘立てに置いたまま、喫茶店の席に置いたまま、、、。

出てくることもあったが、電車ではほぼ見つからなかった。

透明な傘は傘立てに置いたときに誰のかわからないし、私は晴雨兼用タイプが好きだったので、失くしても失くしてもビニール傘は買わなかった。

途中で雨が降ったら濡れて帰るタイプ。

大人になってからは、絶対に失くさない方法を思いついた。
折り畳みの晴雨兼用傘を買って、バッグにつけたバックルにつけてしまうという方法。
大きめのカバンなら持ち歩くときは入れてしまえば失くさない。そのために鞄の中が濡れない傘袋も手に入れた。

こうして大人になったらもう、'傘を失くさない'人になった。

数十年前に見たゴクミ(後藤久美子)のCM、
「肌がきれいなら、女は、無敵」
の影響で私は美肌にこだわって手入れをしてきた。
紫外線は最も避けたいものの一つだ。

真冬も日傘をさす。

最近遮光に級があることを知った。
正確にはずっと前から目に入っていたのに気にしていなかったのだ。
初めて99.9%遮光というものを買ったら、今までのは何だったのってくらい日を防いでくれる。
傘をさした途端涼しくなるほどだ。

その折り畳みを買ったら他のをさすときイラっとするほどになった。
その傘は2500円。風が吹けばあっという間にくるんと逆さになるので、風が強い時は使えなかった。

介護主婦になった最近は、電車に乗ったり飲みに行ったりレストランで食事をしたりしなくなったので、'失くさない対策用'折り畳みを使わず長傘でいい日が多いことに気づいた。

よし、しっかりとした、風でもひっくり返らない晴雨兼用の長傘を買おう。

条件は、

絶対条件が、
晴雨兼用であること
スポーツウェアにも普段着にも合うこと
遮光1級、99.9%以上
重すぎないこと

できれば、のスペックは、
大きい方がいい
丈夫な方がいい

日傘は雨傘よりも短い方が多い。
なかなかこの条件がそろっているものが見つからない。

デパートへ行ってみた。
フリルがついていて可愛すぎたり
短いものが多かったが
条件が合うものもあった。
値段を見ておののく、15000円越えばかり。
これなら、というものが18000円だった。
デザインが好きじゃないものをこの値段で買うのは嫌だな。


そんなときに、傘専門店なる店を発見。

条件を伝えるとあっという間に選んでくれた。

「最近の日傘は短い方が好まれるので、長いものはこの1点のみです」

柄どころか、色すら選べない1点。
しかし条件全てを兼ね備えている。
柄も色も奇跡的に好きなタイプだった。

「骨組みが壊れた場合は、3年間でしたら、お持ちくだされば修理いたします」

「そのときにレシートは要りますか?」

「いいえ、うちで売るものには必ず当店のシールを貼っておりますので、お持ちくださればそれでわかります」


粋だ

粋すぎる

これは、買いますね。


こうして人生初の、「万越え」傘を持ったのでした。

これが、、、本当に最高で。

とてつもなく暑い日もこの傘をさせばかなり日陰になり(遮光率が高いし大きいので)、
台風の日も、ひっくり返らず私だけ傘をさしたままでいられた。
(3年間の修理保証を聞いてなかったらささなかったと思う)


あまりにも快適で電車に乗る日さえこの傘を持ちたくなるほどだが、失くしたらどうすることもできないので、我慢している。


最高の買い物ができてよかった。

庶民だからと決めつけず長く使えるものは、無理して高いものを買っていいんだなと思えたのであった。

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