星の王子さまの★エッセイ絵本・改訂版
以前、エッセイ絵本その3で、
星の王子さまと★フーテンの寅さん
という、エッセイを掲載しました。
じつは、きょう、テレビを見ていたら、
新事実を知ったので、
改訂版を書きました。
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ここからは、
以前と同じ部分です。
星の王子さまと
フーテンの寅さんの
とても大きな共通点ご存知ですか?
そして、
それは、
あなたにも共通していることなのです。
ヒントは、ヘビさんです。
ふみおくんのお兄さんの、
星の王子さまが、
ヘビさんと出会ったのは、
アフリカの砂漠でした。
おたがいに、紹介が終わると、
ヘビさんは、こういいました。
「いつか、王子さまが、
もといた星が、なつかしくなったら、
オレが、一瞬でかえしてあげるよ」
とても、不思議な言葉です。
でも、
王子さまは、
その意味を理解しました。
『星の王子さま』の
ラストに、一気に飛びます。
星の王子さまは、
砂漠で友達になった、
飛行士
(作者・サン=テグジュペリの分身です)に、
地球に来て、
一年が過ぎたので、
今夜、
じぶんの星に戻ることを伝えます。
飛行士は、それなら、
お別れの場に立ち会いたいと告げます。
すると、
『星の王子さま・ 岩波少年文庫より』
王子さまは、私の手をとりました。
そして、心配でたまらなそうにいいました。
「こないほうがよかったのに、
それじゃつらい思いをするよ。
ぼく、もう死んだようになるの。
でも、
それ、
ほんとじゃないの」
私は、しばらく、だまっていました。
「ね、遠すぎるの。
ぼく、このからだ、持ってけないの。
だって、重すぎるんだもの……。
でも、それ、そこらにほうりだされた、
ヘビさんの、古いぬけがらとおんなじなの。
かなしまないでね」
王子さまは、まだ、なにか、もじもじしていましたが、
やがて立ちあがりました。
そして、ひとあし、歩きました。
ぼくは動けませんでした。
王子さまの足首のそばには、
黄いろい光が、キラッと光っただけでした。
王子さまは、ちょっとのあいだ身動きもしないでいました。
声ひとつ、たてませんでした。
そして、一本の木が倒れでもするように、
しずかに倒れました。
音ひとつ、しませんでした。あたりが、砂だったものですから。
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こうして、物語は終わります。
ハッキリ言いますね。
これは、「死」をシンボライズしたシーンです。
王子さまは、
見えない世界から、
地球にやってきて、
また、
見えない世界に、
戻って行ったのです。
ちなみに、
作者・サン=テグジュペリは、
第二次大戦で空軍に参加。
そして偵察飛行中に、ドイツの戦闘機に撃墜され星に還りました。
ドイツ人のパイロットは、
星の王子さまの大ファンだったそうです。
だから、 撃墜した相手がサン=テグジュペリだと、
あとでわかった時、とても後悔したそうです。
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フーテンの寅さん、
映画になる前に、
テレビで連続ドラマとして放送されていました。
そして、最終回では、
寅さんが、毒ヘビに噛まれて死んでしまうのです。
これは現在発売されているDVDで見ることができます。
テレビ局には苦情が殺到しました。
それに応える形で、
フーテンの寅さんの映画版が誕生したのです。
山田洋次監督、
もしかしたら、
星の王子さまを意識していたのかもしれませんね
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星の王子さまは、
ファンタジーテイストですが、
「死」という、見えない世界が、
しっかりと描かれています。
もちろん、その死は、
生を光らせるための対比です。
生と死は、一体です。
限りある命であることを、
意識すれば、
日常の素晴らしさに、
感謝せざるをえません。
もちろん、
日常には、
悲喜こもごもいろいろなことがあります。
つらいことや、
切ないこともあります。
でも、それさえも、
生きている情味かもしれません。
心の持ち方により、
神様成分を、
1%でも増やすことができる、チャンスかもしれません。
ですから、
能天気に、
日常を素晴らしいと、
思うのではなく、
それらを含めて、
ミルフィーユ的に、
素晴らしいと感じるのです。
先日、
漫画の中でこのようなシーンを描きました。
ちょっとショッキングなシーンですが、
しろちゃんも、
見えない世界に、いつかは還っていくのです。
もちろん、私たちもです。
大切な人が、
見えない世界に還ったときのことを、
思い出すたびに、
あのひとも、
覚悟して、
星の王子さまのように、
潔く、
黄色いヘビさんを
向かい入れたのだろうなと……。
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星の王子さまの弟、
ふみおくんのところにも、
いつかヘビさんがくるのでしょうか……。
ぼくには、
とても、そんなシーンは描けません。
だから……、
だから、
延々と、
このマンガを、
描き続けようと思っています。