この事態を、1995年前後を基点として始まった Web メディアの成功法則が、20年を閲してついに最終段階を迎えることになったと理解すべきでしょう。 それは、Web 上に自らのサイトを構築、最初は検索エンジンを、次に、大小のソーシャルメディアを味方にしながら、つねに自らの Web サイト中心に集客を図り続けるという Web メディアの文法がもはや無効になろうとしているということにほかなりません。 いまや、中心にあるのは Web メディアではありません。プラットフォームなのです。 そして、個別の Web メディアごとに潤沢な広告収入を得ることが困難になってきたという課題もまた顕在化してきます。 膨大な利用者を擁するプラットフォーマーでなければ、潤沢な広告収入を得ることできない。いいかえれば、膨大な利用者、モバイルの利用環境に最適化したネイティブ広告、そして、人を惹きつける高品質なコンテンツという三位一体の組み合わせがなければ、メディアの存続が難しくなってきているとも言えます。
広告とマーケティングテクノロジーの競争におけるワイルドカードはFacebookだ。彼らは、The New York Timesといった主流ニュースサイトのコンテンツのホスティングを開始したばかりだ。これにより、発行元はトラフィックとデータを諦める代わりに、広告収入をFacebookと分ける。理論上ではFacebookのソーシャルネットワークが持つユーザーのターゲティング能力により、広告のパフォーマンスが向上することが見込まれている。