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【RISE】第3代RISEフェザー級王者・工藤政英「ほんとうに気持ちが強い選手だなって」&原口健飛「空手仕込みの踵落としは、出稽古でも全員に入っていた。RIZINは無心で行く」=6.17 RISE125


6月17日(日)、幕張メッセ・イベントホールで開催された「RISE125」セミファイナルで、工藤政英(新宿レフティージム)と森本“狂犬”義久(BRING IT ONパラエストラAKK)が昨年5月以来の再戦(前回はドロー)。前回同様延長Rにわたる死闘の末、工藤が森本を判定で下し、第3代RISEフェザー級王者となった。死闘を制した工藤は「リクスを負ってでも倒しに行くのが、RISEのチャンピオン」と王者としての抱負を述べた。

また、那須川天心と堀口恭司の参戦が決まっている『RIZINキックWORLD GP 2018』の出場権をかけて行われた「Road to RIZIN KICK Tournament」は、空手&ボクシング経験者の新鋭・原口健飛(Kick Lab/Accelフェザー級王者) が、MOMOTARO、宮崎就斗を下し、優勝。RIZIN出場に向け、「このトーナメントに出場した4人の代表として戦う」と意気込みを語った。(photographs by Mizuaki Wakahara )

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▼セミファイナル 第3代RISEフェザー級(-57.5kg)王座決定戦 3分5R無制限延長R
×森本“狂犬”義久(BRING IT ONパラエストラAKK/同級1位)
[判定0-1(47-49,48-48×2)延長0-3(8-10×3)]
◯工藤政英(新宿レフティージム/同級2位)

※工藤が第3代RISEフェザー級王者に。

1R、ともにオーソドックス構え。右ローから飛び込む工藤。森本も左右から押し返すが工藤は有効打。3R、右ロー増やす工藤はボディ・ヒザも。しかし森本は右を上腕上から叩き込みダウン奪取。終盤、工藤も猛反撃。延長R、互いに猛ラッシュ! ボディも打つ工藤に押し返す森本はヒザ。大歓声のなか工藤の右クロスに森本はダウン! 立つと死力振り絞る森本連打に工藤も退かず、左右をヒット。ゴングに両者ともにマットに横たわる死闘は、工藤が制した。

◆工藤政英(リング上で)

「対戦いただいた森本選手、メッチャ強かったです。このベルト防衛していくんで、森本選手、3回目の対戦、待ってます! 皆さんの応援無しにはチャンピオンになれませんでした。REBELS3年目くらいにチャンピオンになって母に感謝したんですけど、今日は父の日、お父さん、ありがとうございます!」

◆工藤政英(試合後会見)

──試合を終えた率直な感想を。

「いま、メッチャ頭痛いです。森本選手のパンチが強くて、結構効いて、心が折れそうになったんですけど、レフティージム特有の折れない気持ちで頑張って戦えて、ベルトを巻けたんで、マジ、よかったです」

──ベルトの重みは?

「いいですね。RISE参戦してから、ずっとこのベルトを目指してきたので、いやあ、巻けてよかったです。え?“負けて”じゃないです(苦笑)。そこまでドランカーじゃないです(笑)」

──1年ぶりの再戦のプランは?

「もう思い描いていた通りの、パンチがすごく強いのはわかっていたんで、1、2Rは打ち合わずに削って、3Rは雑になったところでバチバチに打ち合って、最後は根性で行くプランで、昨日から腹をくくって、明日、死んでもいいという気持ちでずっと過ごしていました。メッチャ苦しかったですけど、気持ちは腹をくくっていました」

──1、2Rはその通りの展開に?

「打ち合いそうになった場面もあったんですけど、セコンドの会長と金澤トレーナーの顔を見たら、ちょっとパンチ出したら、もう鬼の形相で睨んでたんで怖くて打ち合えなかったです(苦笑)」

──3Rにダウンを奪われて、プランに狂いも?

「狂いましたね。正直、当たってなかったんですけど、ポイント取られちゃったんで、ちょっとプラン狂って、早めに打ち合いに行っちゃいました。盛り返さないといけないなと」

──打ち合いではお互いにノーガードになるときも。

「タフでしたね。結構、いいパンチがカウンターでも入っていて、右クロスを狙っていて、スコーンと入ったんですけど、(森本の)気持ちが強くて。あの展開、僕は得意でみんな気持ちが折れてイヤ倒れするんですけど、倒れなくて、ほんとうに気持ちが強い選手だなと思いました。『早く終われ』と思ってました。あのときはメッチャ時間が長く感じられました」

──5R終わって、何を考えた?

「出し切ったなって。でも5R終わって、ドローあるだろう、と気持ちはずっと考えていました。ラッキーで5Rで終わればいいとは思ったんですけど、普通に延長あって、俺もその心の準備はしていたの大丈夫でした」

──延長ではどんなプランを?

「5Rで結構、出し切っていたんで、ここはもう気持ちの勝負だなと思っていました。パンチ入れてもすぐ打ち返してくるのが、スタミナが切れていて、森本選手の方が5Rまでで消耗が激しかったんで、ここはもう僕が出て勝負をかけるときだなと思って、バチバチに打ち合いに行きました」

──右クロスを当てて倒したのは?

「よかったなと思いましたけど、そこまで感触は無かったです。立ってくるだろうなと思って、残り時間をみたら、まだ1分くらいあって。“あぁ、シンド”と思いました」

──勝利の瞬間は。

「嬉しかったですね。やっぱりパンチのある選手は怖いんですよ、1発で終わっちゃうスポーツでもあるんで、1発もらったらどうしようとか結構、不安になっていて、その緊張から解き放たれた瞬間だったんで、とにかく嬉しかったです」

──セコンドが皆、涙してました。

「基本、みんな涙もろいんで。僕の試合でなくても泣くス(笑)。タイトルマッチじゃくても泣くス(笑)。ただ、試合後、久しぶりに褒めてくれました。『よかったよ、気持ちが見えたよ』って」

──お母様に続いて、お父様にも感謝の言葉を言えた。

「勝ったらずっと言おうと思っていました。母だけじゃなくて、父にも言えてよかったです。負けたら、お父さんだけ感謝の言葉を言えなくて、かわいそうだなって(笑)。格闘技をやっていて心配だと思うんですけど、ここまで育ててくれたんで両親に感謝の気持ち言えてよかったなと思います」

──これからは王者としてはどんな姿を?

「僕もベルトを巻く目標を達成したんで、RISEのチャンピオンはバチバチの打ち合いをして、絶対に倒しにいく、リクスを負ってでも倒しに行くのが、RISEのチャンピオンだと思っているので、それを体現していきたいなと思います」

──自分へのご褒美は?

「最近、給料をペットのうさぎに全部使っているんで。試合前に構ってやれなかったんで、遊び道具とか買ってやろうかと思います(笑)」

──試合前に「試合が終わったら、ノーサイドで一緒にキャバクラに行きたい」と話していましたが、誘えそうですか?

「人見知りするタイプなので、結構、ハードル高いです(苦笑)。さっき森本選手と軽く話したんですけど、言おうと思ったんですけど、言える空気じゃなかった……。ただ、ありがとうございましたと。2人きりだったので誘う絶好のチャンスだったのに、ビビッて言えなかったです……怖いんですもん(苦笑)」

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【RISE】原口健飛「ここまで行ったら天心君と拳を交えたい」

▼第13試合 Road to RIZIN KICK Tournament決勝戦 3分3R延長2R

×宮崎就斗(TARGET/RISEフェザー級4位)

[判定0-3(27-30,28-30,26-30)]

◯原口健飛(Kick Lab/JAPAN CUP 2017 -57kgT優勝、Accelフェザー級王者)

▼第5試合 Road to RIZIN KICK T1回戦(2)3分3R延長1R
×MOMOTARO(OGUNI GYM/WBCムエタイ・インターナショナル・フェザー級王者、RISE DoA 2017準優勝)
[判定0-3(29-30×3)]
◯原口健飛(Kick Lab/JAPAN CUP 2017 -57kgT優勝、Accelフェザー級王者)

▼第4試合 Road to RIZIN KICK Tournament一回戦(1)3分3R延長1R
○宮崎就斗(TARGET/RISEフェザー級4位)
[判定3-0(30-25×3)]
×藤田大和(リバーサルジム新宿Me,We/アマボクシング全日本選手権'11バンタム級優勝)

※近距離でヒザを突く宮崎は奥足ローも効かせ、2度ダウン奪う。

──原口健飛選手、優勝おめでとうございます。まずは試合を終えた率直な感想を。

「しんどかったですね。キャリアは少ないですけど、優勝候補に挙がっていたんで、いろいろプレッシャーもありながら、頑張りました」

──ヤマはどこでしたか。

「1回戦です。もう予想していた通り、(MOMOTAROは)上手かったんで。でも作戦通り、省エネで戦えたので大丈夫でした」

──勝負を分けたのは?

「当て勘と技の威力ですね。どっちも上手かったですけど、当ててるのは僕のほうがあったんで印象勝ちでした。たまに効いている顔とかしてくれてたんで、そこはミドルとかも効いてくれたと思います」

──似たタイプだと言っていましたが。

「あんまり覚えてないんですよね、試合中、必死で。何も考えてなかったです(苦笑)。3Rでやっと勝てるかなって思って、1、2Rはちょっとドローっぽかったかなと」

──判定の瞬間は?

「ドローか勝ちやと思ったんで、30-29の時点でこれは勝ったと思いました」

──初戦を勝ちあがればトーナメントでいけると?

「そうですね。空手でも1大会で6回くらいやったりするので、1回戦目はどうしても固くて、2回戦目くらいからバーッと上がってくるんで、やっぱりその通りでした。温まった感じです」

──宮崎就斗選手との試合は?

「いやあ、それがしんどかったです(苦笑)。僕の距離を潰してくることは予想していたんですけど、そのなかでも冷静に後ろ蹴りとか狙っていて、倒れてくれたんで。……疲れました」

──試合前の原口選手の勝者予想は藤田選手でした。

「そうなんですよ。裏で見とって、それでちょっと歯車が狂ったというか。もう(宮崎の)対策も何もしてないから、これはその場の雰囲気でいっちゃおうと。何も考えずに行きました」

──宮崎選手と向き合っていかがでしたか。

「ファーストコンタクトは行けると思ったんですけど、2、3Rと上がってきたんで、そこはすごいなと思いました。単純に。打たれても打たれても、効いていたと思うんですけど、(宮崎は)キャリアとかいろいろあって、ガードを固めて前に来られてちょっとシンドかったですね」

──3Rの踵蹴りは?

「まあ、見えてなかったんで。狙いました」

──空手時代に踵落としで技有や一本取ったことは?

「一応、ありますね。前蹴りが得意だったんで。出稽古とか行かせていただいても、全員に入るんで、(キックの)試合で打てたのは初めてなんですけど、やっぱりやったら当たった。僕は身長が高いので、それを有利に使って。あれは空手仕込みの技なんで、あんまり(使う人が)いないと思います」

──Road to RIZIN KICK Tournamentで勝って、RIZIN出場となりました。

「トーナメントの選手はみんな僕よりキャリアがあって、先輩方ばかりだったんで、みんなの分を背負って、やっぱりRISE代表は天心君が出てるんで、こっちは4人のなかの代表で出るという感じで、全員に胸を借りるつもりでやります」

──RIZIN KICK Tournamentには、キックだけじゃなくて総合の選手もいると思いますが、どう感じている?

「いやあ、ちょっと怖いですけど、それはやってみないと分からないですね。何も考えずに無心で行こうかなと思います」

──課題は?

「ここまで行ったら天心君と、ブッ倒されてもいいんで、拳を交えたいなと思います」

──今後の目標を。

「まだキャリアも浅いんで。負ける・勝つ関係なくキャリアを積んでもっともっと強くなっていければと思っています」

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【一夜明け会見が一般公開】

6月18日(月)15時から(入場開始 14:45)、東京ガーデンパレス・天空の間(文京区湯島1-7-5-2F)にて、一夜明け会見が一般公開形式で行われる。SNSでも中継予定。@RISE_2003 にて告知。

【GYAO! がRISE125をアーカイブ配信】

6月17日の「Cygames presents RISE125」が、GYAO! で6月18日(月)18時からアーカイブ配信を予定。


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