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【K-1】K-1クルーザー級王者シナ・カリミアン、傷だらけのトーナメント優勝!「決勝前はボロボロで左目も見えなかった。心では負けないと決めていたから、最後まで諦めずに戦うことが出来た」


▼初代クルーザー級王座決定トーナメント一回戦 3分3R・延長1R
○シナ・カリミアン(ウィラサクレック・フェアテックス・イラン)
[本戦判定1-0(29-29×2,30-29)]
[延長1R 0分39秒 KO]
×OD・KEN(ReBORN経堂)

※互いに近い距離で打ち合いKENは右フック。2mのカリミアンはヒザ蹴りも突く。2R左ヒザをローブロー受けるKEN。カミリアンは長い左ジャブで前進。3R、KENは左右フックで前進! カミリアンがマウスピース吐き出しインターバルも。コーナー詰まるKENだが左返す。判定延長へ。KENのフックにカミリアン怒涛の左右ラッシュで勝負をかけてKO。

▼初代クルーザー級王座決定トーナメント準決勝 3分3R・延長1R
○シナ・カリミアン(イラン)
[判定3-0(30-27×2,30-28)]
×K-Jee(K-1ジム福岡チームbeginning)

※1R早々ラッシュかけたカリミアン。K-Jee鼻血も左フック返す。2R、ワンツー、詰めてヒザ効かすカリミアン。3R左前蹴り腹に連打。右アッパーも。

▼初代クルーザー級王座決定トーナメント決勝戦3分3R延長1R
◯シナ・カリミアン(ウィラサクレック・フェアテックス・イラン)
[判定2-0(29-28×2,28-28)]
×ブバッカ・エル・バクーリ(モロッコ)

※圧力かけオーソから左ボディ、右フックはバクーリ。長身から上下突くカリミアンは2R右バックフィストで乾坤一擲のダウン奪取! カリミアンが初代クルーザー級王者に。

9月25日(火)東京・飯田橋のホテルメトロポリタンエドモントにて「K-1 WORLD GP 2018 JAPAN ~初代クルーザー級王座決定トーナメント~」9.24さいたま大会の一夜明け会見が行われた。(C)M-1 Sports Media

 1日3試合の過酷なワンデートーナメントを制して初代クルーザー級王者となったイランのシナ・カリミアン。決勝戦のリングに上がった時点で、左目はふさがり、右頬も腫れ上がった状態で「決勝戦の前は身体がボロボロで、試合をやる気持ちがなかった。でもウィラサクレック会長やみんなに励まされて、なんとか試合をやることが出来た」と告白。

 そのうえで「心で負けないと決めて、最後まであきらめないで戦った」と試合を振り返り「K-1のベルトを巻くという夢がかなって信じられないくらいうれしい」と喜びを語った。

「K-1は世界的に有名でレベルが高いイベントで、初めてそんな大会に出た。トーナメントはみんなレベルが高かったので、K-1のベルトを獲ることが出来て、とてもうれしい。自分の人生で一番ベストなことだったと思う。決勝戦の前は身体がボロボロで、試合をやる気持ちがなかった。でもウィラサクレック会長やみんなに励まされて、なんとか試合をやることが出来た。(一回戦・準決勝を振り返って)一回戦は1Rで終わると思ったけど、対戦相手がとても強かった。

(決勝でダウンを奪ったバックブローは?)会長が対戦相手を分析してくれて、その通りの試合が出来たと思う。彼の試合映像が少なくて、会長がトーナメントの試合を見てどこが弱いかを見てくれて戦うことができた。K-1に出ているファイターはみんな強いし、しっかり試合を見ていないと負ける可能性が高い。今回はちゃんと相手を分析して、自分ができることをすべてやりきれたと思う。

(決勝戦の左目の状態は?)ほとんど左目は見えていなかった。ただ心で負けないように決めていたらから、最後まであきらめないで戦うことが出来た。今回、日本に来てK-1のベルトを獲って、自分の夢が叶って信じられないくらいうれしい。イランでは自分のことをメディアで取り上げてもらっているし、イランの若い選手のことも背負って責任を持って戦った。

(イランでの反響は?)SNSやインスタグラムでみんな自分がチャンピオンになったことを知っていて驚いた。母親はずっと泣いていて、みんなは朝までパーティをしていたらしい。イランに帰ったらこのベルトを一番に両親に見せたい。

(イランから選手を連れてきたい?)試合前に紹介された通り、イランではプロの格闘技が認められていない。だから我々は外国で試合をするしかない。今回もウィラサクレック会長を通じてK-1に出ることが出来て、イランには若くて強い選手が山ほどいる。もし時間があったら彼らにも日本で戦うチャンスを与えたい」

◆宮田充プロデューサー「年内でもクルーザー級の試合を組んでみたい」

「今大会はAbeamTVでのK-1放送史上2位の数字を記録しました。クルーザー級トーナメントはやってよかったな、と感じました。国内外から強豪選手が集まり、KOも非常に多かった。カリミアン選手はアマチュアで王者になってもイラン国内で強さを発揮する場がありませんでした。今回、ウィラサクレック会長を通じて出場することになりましたが、試合のなかで成長していくというか、1日で3試合、いいキャリアを積んだのではないでしょうか。決勝戦では左目が潰れていたなかでよく戦ったと思います。イランにウィラサクレックの支部ができるそうで、これからもイラン人選手がK-1に上がると思います。カリミアン選手もいい王者に育ってほしいと思います。

上原(誠)選手は負けたら最後、と話していましたけど、村上(竜司)塾長とよく相談して考えてもらえれば。K-1として事前にそう言っていたから、と(引退を)うながすことはありません。よく考えていただきたいです。

※上原は自身のInstagramで「昨日は沢山の応援 有難うございました。試合前に言っていた通り、私 上原誠は引退致します。格闘技歴約12年、格闘技を通して沢山の方々と出会い、長い間、応援してくれた方々やファンの皆様、心から感謝申し上げます~」と引退を表明。

K-Jee選手もよく戦ったと思います。熊本から出てきてトーナメントに賭ける思いが伝わってきました。鼻血を出しながら戦った根性は、今後のキャリアに生きてくると思います。

杉本(仁)君は顔に出さないタイプですが、気持ちが伝わってくる試合で、シルバーウルフといういい環境のなかでさらに伸びてくると思います。

OD-KEN選手はあばらを痛めて病院に運ばれましたが、独特のキャラを持っていて、優勝したシナ選手をあそこまで苦しめたので、また戦うことがあるかもしれません。

大会後、数名のファイターからクルーザー級で戦いたいという声も届いています。この日本人が輝ける新階級で、年内でも試合を組めれば組んでみたいと思っています。

 ほかの試合で、個人的に一番いい試合だったと感じたのは安保瑠輝也と林健太でした。林選手は気持ちが強く、最後は瑠輝也選手が勝ちましたけど、どうなるかわからない試合でした。蹴りの得意な瑠輝也選手がパンチで勝負を決めたのは素晴らしかった。林選手もまた試合を考えたいです」

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