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【PANCRASE】求道者・冨樫健一郎「打ち込みとシャドー──練習をより考えるようになりました」=11月12日(日)「PANCRASE 291」ディファ有明大会で17戦無敗のロシア人と対戦

近大柔道部出身、大学時にパラエストラ広島に入門し、2001年、修斗でプロデビュー。以降、34試合(18勝11敗5分)を戦ってきた。リングからケージに変わり、総合格闘技からMMAと呼ばれる現在まで、地元・広島を中心に地道な練習を積み上げ、たしかな進化をいまも続けている。

2014年から6勝1敗。円熟の時を迎えた冨樫健一郎に、ロシアから17戦無敗(16勝1分)の強豪が用意された。コンバットサンボ世界王者でもあるアジズ・パフルディノフ(https://note.mu/gong_kakutogi/n/n354ae541fe00)を相手に、冨樫はいかに戦うか。その練習内容を聞くと、求道者ともいえる、独自の鍛錬がみえてきた。

──計量は70kgジャストでクリアでした。

「いつも通り、苦しかったです(苦笑)」

──今回から計量ルールが変わり、2ポンド(907g)を超えた場合は失格、試合4日前計量報告などもありましたが、特にストレスはなかったですか。

「はい。ほかの人の4日前報告を見たら、結構、落とし幅が大きいなと思いました」

──対戦相手のアジズ・パフルディノフ(ロシア)ですが、17戦無敗という強豪です。オファーを受けたときはどう感じましたか。

「日本人よりは外国人選手の方がいいなと思っていました。だから、強すぎるから嫌だとか、そういう感情はなかったです」

──外国人選手の方がいい、というのは?

「結構(キャリアが)長いので(2001年デビュー。MMA18勝11敗5分)、日本人選手とはいっぱい対戦しましたし、わりと練習している選手とのからみも多いので戦略的な戦いになるんですけど、対外国人選手だと、新しいこともできるので」

──2014年から実に6勝1敗。直近でも2連勝し際どい判定もモノにしています。冨樫選手のなかで何か変化があるのでしょうか。

「練習をより考えるようになったのが大きいと思っています。広島(パラエストラ広島)でプロの練習相手が少ないので、スパーリング重視だと息詰まってしまうので、考えて練習をしようと」

──それは、打ち込みなどでテーマを持って練習されたりしているのでしょうか。

「ものすごく細かいことなんですけど……例えば、タックルの切り方だったら、強化したいところを明確にして鍛えるようにしています。相手というより、自分の癖があってそこを強化したいと感じた部分をあぶり出して打ち込みとか形づくりをします。その形での筋トレなどもして、スパーリングで試すというか。スパーリングは確認作業になります」

──孤独な作業になりそうですね。細かく検証すると。

「いろんな打ち込みをやります。あまり他所ではやっていないような……差されたときの差し上げる力、左右での違いを見極めたり、試合映像があれば、相手も同じように、右差しが得意とか左だとすぐタックルに来るとか、癖を見極めるようにしています。癖というのはデビュー戦から意識しないと治らないことなので」

──なるほど。逆に言えば、その癖を冨樫選手は気が遠くなるような地道な作業で修正してきたのですね。

「そうですね。癖はわりと治らない。自分の癖も修正します。歳も歳ですし(36歳)、同じことばかりやっても伸びしろが無いので、やらなかったことに着手するようにしました。以前、練習のことを聞かれて『深夜に1人で壁で立つ練習をしてます』と言ったら、八隅(孝平)さんに『俺には出来ん!』と言われたり……。ジムの経営者として一般の方を優先しますので、営業が終わってからでないと(自分の練習は)出来ません。そのときに人がいれば対人練習もやるんですが、なかなかそうもいかないので」

──出稽古にも行かれていますね。そこで打ち込みの成果も確認すると。

「はい、東京のKRAZY BEEとキングジム、神戸の道場、BURSTなどに行かせていただいてスパーリング中心になります」

──その考えて練習してきた、今回の相手ですが、17戦無敗から直近の試合を観ると大きな打撃と、強力な組み力を感じました。どう分析しましたか。

「そうですね。パンチは振ってくるのでどう対処するか。あと、1Rの一本、KOが多いということは、たぶん3Rまで行くと疲れると思います。組んだら切る、いつものスタイルで凌ぐことができれば、自ずと勝利は見えてくると思います」

──公開練習(https://note.mu/gong_kakutogi/n/n354ae541fe00)では手足の長さ、肩から伸びる打撃を見せていました。右構えのパフルディノフに対し、冨樫選手は左構えから得意の右ジャブに期待したいです。

「そこがどうなるか。試合映像を見た感じでは、(相手の打撃は)丁寧に作る感じではなかったです」

──スタンドの練習も対人が少ないと……。

「ずっとシャドーです。あとはサンドバッグ。スパーはちょっとやるだけです。昔は高校のボクシング部などに出稽古していたのですが、いまは道場もありますし。自分のいいところは、シャドーがきれれば、スパーもきれると思っていて。シャドーとミット打ちとスパーがバラバラになってしまう人もいると思いますが、自分はシャドーの打ち方をミットで打てて、スパーでも打てるのが一番、いいと思うので、シャドーの精度を上げることを大事にしています」

──うーん、打ち込みに加え、シャドーで作る。MMAの求道者のようです……。今回、ベテランで連勝している冨樫健一郎選手に、ロシアから初参戦のとんでもない強豪を当ててきた、とも見える試合ですが、冨樫選手にとっては望んだ対戦で、いつも通り作って来たと。

「興行主側でいったら、広島の人をロシア人と対戦させるメリットはあまり無いと思うので、それを組んでくれたことに感謝しかないです」

──大一番ともいえる試合に向けて、MMAファンにメッセージを。

「もしかしたら今までで一番強い相手かもしれないし、そうでないかもしれませんが、そういう相手に、今まで練習につきあってくれた人とか、サポートしてくれた人たちに応える試合をしたいと思います」

【PANCRASE】全選手が1回で計量クリア

11月12日(日) にディファ有明で開催される「PANCRASE 291」に向け、11日午前11時より前日計量が都内で行われた。今回から規約が変更され、パフォーマンス計量は行われず、一般非公開で行われた計量を全選手が1回でクリアした。なお、当日券は14時15分より発売される。

◆PANCRASE 291
11月12日(日) ディファ有明
開場14:30 メインカード開始15:00

【本戦】

▼第11試合 メインイベント キング・オブ・パンクラス・タイトルマッチ 5分5R
ロッキー川村(83.55kg/パンクラスイズム横浜/王者)
新村優貴(83.55kg/TEAM CLIMB/挑戦者/1位)

▼第10試合 セミファイナル バンタム級 5分3R
上田将勝(61.40kg/パラエストラ東京/1位)
アラン“ヒロ”ヤマニハ(61.20kg/ブラジル/ブルテリア・ボンサイ/7位)

▼第9試合 バンタム級 5分3R
瀧澤謙太(61.30kg/リバーサルジム東京スタンドアウト/5位)
アレッシャンドリ・シルニ(61.35kg/ブラジル/ノヴァ・ウニオン)

▼第8試合 ウェルター級 5分3R
高木健太(77.45kg/リバーサルジム川口REDIPS/4位)
奈良貴明(76.50kg/パンクラスイズム横浜/5位)

▼第7試合 フェザー級 5分3R
田村一聖(65.85kg/KRAZY BEE/7位)
鈴木琢仁(65.80kg/ブルテリア・ボンサイ/10位)

▼第6試合 ライト級 5分3R
冨樫健一郎(70.00kg/パラエストラ広島/4位)
アジズ・パフルディノフ(70.20kg/ロシア/k-dojo-warrior-tribe)

▼第5試合 フェザー級 5分3R
内村洋次郎(66.15kg/イングラム)
ダニエル・リケイホ(65.90kg/スペイン/Taz Jinamar)

▼第4試合 バンタム級 5分3R
福島秀和(61.30kg/BLOWS/9位)
原田惟紘(61.40kg/パラエストラ北九州)

▼第3試合 バンタム級 5分3R
TSUNE(61.30kg/リバーサルジム新宿Me,We/10位)
山本哲也(61.30kg/SUBMIT MMA/2017年ネオブラッドT同級優勝)
▼第2試合 フェザー級 5分3R
杉山和史(66.15kg/TURNING POINT MMA/HF)
堀江圭功(65.85kg/ALLIANCE/2017年ネオブラッドT同級優勝&MVP)

▼第1試合 バンタム級 3分3R 神田T800周一(61.35kg/T-BLOOD)河村泰博(61.65kg/和術慧舟會AKZA)

【プレリミナリーファイト】

▼第7試合 ライト級 3分3R
菊入正行(70.60kg/NEVER QUIT)
高橋 弘(70.05kg/パンクラスイズム横浜)

▼第6試合 ライト級 3分3R
深谷 誠(70.35kg/和術慧舟會 HEARTS)
松井幸太(70.10kg/東京イエローマンズ キュート)

▼第5試合 フェザー級 3分3R
平山 学(65.75kg/フリー)
鬼山斑猫(65.95kg/PUREBRED)

▼第4試合 フェザー級 3分3R
加藤泰貴(65.85kg/ロデオスタイル)
DARANI DATE(65.60kg/Team DATE)

▼第3試合 バンタム級 3分3R
飯島重樹(61.35kg/ALLIANCE)
林 大陽(61.20kg/CAVE)

▼第2試合 バンタム級 3分3R
工藤修久(61.20kg/禅道会小金井道場)
聖王DATE(61.20kg/Team DATE)

▼第1試合 フライ級 3分3R
川端康太(56.35kg/ALLIANCE/2017年ネオブラッドT同級優勝)
中村龍之(56.95kg/ロータス世田谷)

※14時15分より当日券発売

【問い合わせ】
パンクラス 03-5339-9198
http://www.pancrase.co.jp/  

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