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【PANCRASE】ブラジル、タイから必見の海外選手が参戦 。三浦をTKOしたヴィヴィアニ、神村をコカしたルックブンミー、柔術黒帯のストライカーアマラウ=8月5日(日)「PANCRASE 298」スタジオコースト

 8月5日(日)、東京・新木場スタジオコーストで開催される「PANCRASE 298」に海外から注目すべき選手たちが出場する。

 1人は日本でわずか1試合ながら、強烈なインパクトを残したヴィヴィアニ・アロージョ(ブラジル)。MMA5勝1敗と試合数は多くはないが、昨年10月大会で三浦彩佳と対戦し、三浦が得意とする首投げ袈裟固めを切り返し、打撃で圧倒。1R終了時TKO勝ちしている。

 三浦戦では最後はパワフルな打撃でダメージを与えているが、ケージレスリングからの寝技でも強さを誇る。柔術でもアブダビ・ワールドプロ優勝の実績を持っており、腕十字で3勝、ヒールフックでの一本勝ちもマークするなどグラウンドを自身の庭としてペースを握ることが可能だ。悲願の王座獲得を目指す藤野恵実は、1Rフィニッシュが多いヴィヴィアニを相手に王座戦の5Rをいかに戦うか。

【動画】MMA5勝2敗のビアンカに腕十字で一本勝ち。強いパスガードからマウント、パウンドも。

 もう1人の注目女子ファイターは、華DATEと戦うローマ・ルックブンミー(タイ)。

 1月にInvicta FCでプロMMAデビューし、ムエタイとMMAの融合を見せていたルックブンミーは、2012年に来日し神村エリカと対戦した経験を持つ。

 神村戦では16歳と若いルックブンミーが3RにKO負けを喫したものの、首相撲からのヒザで神村を大いに苦しめ、何より体幹の強い神村を何度も首相撲でコカしていた姿が印象的だった。

 立ち技の戦績は凄まじい。2018年のIFMA世界大会でもタイ代表として金メダルを獲得しているのみならず、プロムエタイ187勝13敗、2015,2017,2018 IMFA世界王者、2016IFMA 世界選手権準優勝、2014 S1王者、2016 SE Asian Games優勝、2016 Muay Siam Isaanタイトル獲得、2010 Assawindam Stadim王者、2008 東タイ地区王者と、切りが無い経歴がプロフィール欄を埋め尽くす。

 公開練習でのミット打ちでは、参加した外国人選手・関係者たちが思わず見入ってしまうほどのシャープな打撃を披露した。

 現在はタイガームエタイ所属。Invicta FCでは立ち技選手の多いAKA所属のメリッサ・ウォンを首相撲からのヒザでダウンを奪い、ムエタイのコカしで何度もウォンを倒している。

 6年ぶりに来日したルックブンミーは公開練習後、「相手の試合映像は少し見ましたが、観すぎると心配になるからあまり観ません。相手を見てどうこうというより、自分のスタイルで戦いたいと思います。首相撲は得意ですが、MMAは足を掴まれるので注意が必要です。MMAで新しいことを試せることが楽しいです。MMAはケージであること、寝技があるのが難しいですが、柔術もノーギで練習しています。今回の試合ではムエタイの気迫を見せたいと思います。そして、より強い選手と戦い、自分自身を超える戦いをしたいです」と抱負を語っている。

 男子では八田亮(ストライプル オハナ)と対戦する“リトル・スパイダー”ことマーカス・アマラウ(Nordeste Jiu-Jitsu)が初来日の参戦。

 MMA13勝1敗、現在9連勝中のアマラウはノルデステ・バイーア出身の柔術黒帯。打撃はアグレッシブで大きいが、長い手足を活かした組み技では下からの仕掛けを潰し、バックテイクに長けている。ときに下をセンタクすることもある八田にとっては噛み合いながらも得意の展開にいかに持ち込むか。

 アマラウは「日本の方がブラジルより暑い」と苦笑しながらも計量ではきっちりクリア。対戦相手の八田について、「試合映像を見たけど、とてもタフで柔術も使う選手だ。簡単な試合にはならないことは分かっているけど僕も柔術は黒帯だし、様々な大会でチャンピオンになっている。いい試合をして実力を見せるよ」と自信の表情を見せた。

 日本では、バイーアからノゲイ兄弟らが活躍するなど地元の英雄の先達がいる。「僕もその中の1人になりたい」というアマラウは、試合展開について、「いまは動画サイトもあるし、自分の技術を秘密にしたくてもできないから言うけど、僕は柔術がバックボーンだけどスタンドでも戦える。2RでKOするよ。ストロー級はUFCでは行われていないけど、この階級に強い選手がいるということをパンクラスの試合を通してアピールしたい。いまはパンクラスのチャンピオンになることが目標だ」とKOを予告した。

 国際色豊かで、個性的なメンバーが来日した今回の「PANCRASE 298」。ロシアのアルセン・バティロフが計量71.8kg、再計量でも71.6kgでアキラ戦が不成立となったことは非常に残念だが、いまの日本でメインクラスのみならず中堅選手が海外選手と対戦できることは稀有な機会といえる。3選手の動きにも注目したい。

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◆PANCRASE 298
8月5日(日)スタジオコースト
ロビー内OPEN 12:00(予定) /客席OPEN 15:15(予定)
START 16:15(予定)

▼ストロー級女子第2代王者決定戦 5分5R
ヴィヴィアニ・アロージョ(52.15kg)
藤野恵実(52.1kg)

【不成立】ライト級 5分3R
アキラ(70.3kg)
アルセン・バティロフ(※71.8kg→71.6kg)※ルール上2パウンド以内の71.2kgまでなら試合は出来たが、バティロフが71.6kgの400g超過で失格、試合中止に。アキラは第7試合後に挨拶をする。

▼女子アトム級 5分3Rローマ・ルックブンミー(47.95kg)
華DATE(47.45kg)

▼ストロー級 5分3R
八田 亮(52.55kg)
マーカス・アマラウ(52.05kg)

▼ミドル級 3分3R
新村優貴(84.2kg)
林源平(84.05kg)

▼フライ級 5分3R
荻窪祐輔(56.95kg)
秋葉太樹(57.15kg)

▼フェザー級 3分3R
牛久絢太郎(66.0kg)
ユータ&ロック(65.8kg)

▼フェザー級 5分3R
内村洋次郎(66.15kg)
ヴィトル・トファネリ(65.35kg)

▼ウェルター級 3分3R
手塚裕之(77.5kg)
KAZZ(77.35kg)

▼ストロー級 3分3R
高島俊哉(52.5kg)
前山哲平(52.45kg)

▼フライ級 3分3R
安永有希(57.05kg)
中村龍之(57.0kg)

▼フェザー級 3分3R
渡辺謙明(65.55kg)
櫻井裕康(65.75kg)

▼フライ級 3分3R
渡辺竜也(56.95kg)
三澤陽平(56.95kg)

▼フライ級 3分3R
水谷健人(56.85kg)
池田一歩(56.2kg)

▼ストロー級 3分3R
リトル(52.4kg)
宮澤雄大(52.1kg)

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