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【ONE】PANCRASEミドル級王者・新村優貴、元ONE王者ビグダシュと対戦「この階級の日本人でロシア人を越えたい」=12月7日(金)ONE Championship

12月7日(金)ONE Championshipマレーシア・クアラルンプール大会に、新村優貴(TEAM CLIMB/PANCRASEミドル級王者)が出場し、元ONEミドル級(93kg)王者のヴィタリー・ビグダシュ(ロシア)と対戦する。

2017年11月にロッキー川村との再戦でKO勝ちしPANCRASEミドル級のベルトを巻いた新村はMMA12勝4敗、8月のPANCRASEでも林源平に勝利しており、現在3連勝中だ。

対する元王者ビグダシュはMMA9勝2敗。2015年のONE初戦でイゴール・シヴィリを2R TKOに降し、王座戴冠した。17年1月の初防衛戦でオングラ・エヌサンにも判定勝ちしたものの、6月ヤンゴンでの再戦で判定負けし陥落。2018年5月のレアンドロ・アタイジ戦でも3R TKOで敗れ、連敗を喫している。

乱打戦に強く、エヌサンをテイクダウンしたレスリング勝負も辞さないビグダシュに対し、PANCRASE王者はいかに戦うか。

──PANCRASEミドル級王者として、ONE参戦が決まりました。経緯は?

「3カ月前に一度、オファーをいただいたんです。対戦相手の映像を見て、勝つためには準備が必要だと思い、3カ月間、時間をもらいました」

──現在の練習環境は?

「GENスポーツアカデミーとフィジカル系のパーソナル、ボクシングは足立区竹ノ塚のワールドスポーツボクシングジムで練習させてもらっています」

──元王者のビグダシュとの対戦に向けて、強化してきたことは?

「今回の試合に向けて、ビジョントレーニングを強化してきました。あとはフィジカル面ですね。トレーナーさんについてもらっています。ビジョントレーニングは目の筋肉を鍛えるもので、年齢とともに(新村36歳、ビグダシュ34歳)反応が悪くなっているなと思い始めて、取り組むことにしました」

──ビジョントレーニングにもいろいろなやり方があるようですね。効果はどのくらいで出てくるものですか。

「やってみて全然違うなと思いました。月2回のパーソナルトレーニングの合間にも、課題があるのでそれをひたすら毎日取り組んできました。たとえば、メトロノームで計りながら左右に目を動かす練習も、最初は1分間100くらいのスピードだったのが、3カ月やって200くらいまでついていけるようになりました。目の周りの筋肉も動かないとついていけないんです」

──メトロノームの大きさは……。

「いまは携帯のアプリでできます(笑)。実際の格闘技の動きのなかでは、デフェンスを前で受けられるようになりました。自分の武器として、パンチや蹴りの圧力をかけるときに活きてきています。対戦相手はロシア人ですし、フィジカル強化も大事ですが、フィジカルだけでは勝てないので、技術や達人的な動きなどで優って行かないといけない。こっちの一番強いところを当てて、相手の弱いところを引き出したいと思っています」

──なるほど。今回はセコンドで安西信昌選手がついていますが、乱打戦にも強いビグダシュですが、エヌサンをテイクダウンするレスリングの強さも持っています。その点は?

「そうですよね。空手出身と言いながら、組みも強い。でも目の動きは左右だけじゃなく上下もやりますので、相手のレベルチェンジにもだいぶ反応が上がっています。そこに賭けるしかない。練習ではできています。あとは実際に組んでみないと……。今までは相手の研究はあまりせずに、自分を出せればいいと思ってやってきましたが、今回はほんとうに研究してきました。打撃をしっかりかわして当てて、最悪テイクダウンされても彼の得意なバックは取らせない。後ろを向かないように。あのセットアップがメッチャ速いので」

──ONEのミドル級(※93.0kg)でどんな目標を持っていますか。

「正直、前回の試合でも減量がキツかったので、今回は93(kg)なのでそれほど減量苦もなく、適正体重で戦えます。今回、勝たないと大きなことは言えませんが……、やはり勝ち続けてエヌサン(王者)と試合をして世界王者になったら……気持ちいいでしょうね。坂本(靖・PANCRASE広報)さんからは『PANCRASE王者として勝っていってくれたら箔が付く』と送り出してもらえましたが、それはそれで微妙にプレッシャーなんですけど(苦笑)」

──ONEとして重量級のアジア人としての期待もあるのでは?

「条件もしっかりしてましたし、アジアの団体だからアジア人がもっといるかと思ったら……この階級、白人と黒人ばかりだなと(苦笑)。日本で練習している重量級も30オーバーでキャリアの多い選手が増えてきているので、このままではMMAで重い階級は自分たちの代で途絶えてしまうかもしれません。今回、自分がロシア人を越えないと、誰もこの階級の日本人でロシア人を越えられなかったとなってしまいかねないので、自分のなかで勝手にそういう気持ちも持って試合に臨みます」

──次の世代の重量級がMMAを目指そうと思えるように。

「なかなか日本での受け皿が厳しいですけど……ONEのメディアでの盛り上がりは感じています。でもこのホテルが中心街から離れているせいか、日本人にアットホームって聞いていたんですけど、まだこの周辺ではアットホームな感じはしていなくて(笑)、昨日も屋台のおじさんから怪訝そうな表情で遠くから見られていました(苦笑)」

──いや、まだONEで試合をしていませんし、ここからじゃないですか(笑)。

「まあ、言っても試合は5分3R。出し切るだけです!」

◆ONE Championship クアラルンプール
12月7日(金)アクシアタアリーナ
19:30~AbemaTVで生中継


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