見出し画像

【ONE】エディ・アルバレス「ONE Championshipのオファーは他を拒絶するしかないほど良かった。ONEだけが僕がまだベルトに触れていないメジャー・プロモーションだ」


10月16日、ONE Championshipのチャトリ・シットヨートンCEO兼会長が、元UFC&Bellator世界ライト級王者・エディ・アルバレスと複数試合契約を結んだことを発表した。

“アンダー・グラウンド・キング”の異名を持つアルバレスの名はMMA界に知れ渡っている。Bodogや日本のDREAMで活躍後、Bellatorで9勝1敗、UFCで4勝3敗1NCの戦績を持ち、MMA29勝6敗1NC。両メジャー団体のベルトを巻いているアルバレスは今回、ONE Championshipというアジア最大のMMAプロモーションに加わることとなった。そして、アルバレスがアジアにやって来たのには明白な理由があるという。

アルバレスや彼に続く世界のフリーエージェントのファイターが、ONEに価値を見いだしたと思われるいくつかの要因を、ONEは下記の通り分析している。(記事提供=ONE Championship photograph by GONG KAKUTOGI)

01)ONE Championshipはエディ・アルバレスと契約する余裕がある

アルバレスはONEと契約する以前から、このスポーツのアスリートとして最高の好条件を受けていたと思われるが、その考え自体がONEの資金力を軽視していることになる。ONEは現在、世界で最も多くのマーシャルアーツの世界王者が揃っている団体だ。実に94人の“世界王者”が集っている。それはMMAだけでなくキックボクシング、ムエタイ、サブミッション・グラップリングなど、様々な競技者から、ONE Championshipは価値を見いだされている。

立ち技界で誰もが認める実力者ジョルジオ・ペトロシアン、ヨーセングライ・フェアテックス、ノンオー・ガイヤンハーダオやその他の選手が高いパフォーマンスを見せている。これだけの世界王者を所属選手とするには、実際のところどれだけの資金が必要になるのか。

「ONEのオファーは他を拒絶するしかないほど良かった」とエディ・アルバレスはメディア・カンファレンス・コールで話す。さらに彼は「UFCはUFCの範疇で最大の努力をしてくれた。素晴らしい条件を提示してくれたよ……彼らのビジネスモデルのなかでね。彼らはファイターごとに、特定な理由によって特定のファイターに特定な額を支払う。それは何も悪いことじゃないし、失敗でもない。ただ、『ビジネス・ファースト』という前提が存在するんだよ」、「ONEは僕のため、家族のためを思ってくれている。僕が何を求め、何が必要か分かってくれているんだ」とアルバレスは言葉を続けた。
さらに世界から才能を認められ、高額のファイトマネーを得ているONEのMMAのスターのなかにはブラジルのビビアーノ・フェルナンデス、シンガポールのアンジェラ・リー、そしてフィリピンのブランドン・ヴェラや、ヘンゾ&ハウフ・グレイシーらレジェンド勢も含まれている。

また、米国を代表するベンチャー・キャピタルであるセコイア・キャピタルはONEにシリーズ4となる1億6600万ドル(約187億円)の投資を決定し、ONE Championshipは現状として2億5000万ドル(約281億9千万円)を越える投資がなされている。

アジアをベースとするONEは現在、アルバレスをはじめ、他のどんなファイターであろうと契約する余裕があるプロモーションなのは間違いない。

2)世界的な広がり

欧米においてもONEは少しずつ認知されているものの、どちらかといえばまだ認知度はそれほど高くない。一方、アジアでONE Championshipは最大のマーシャルアーツ団体として認知されている。それはONEがマーシャルアーツ団体として、世界で2つしかない──少なくとも評価資産10億ドルを越えている状況を生み出すに至っている。

エディ・アルバレスがアジアで戦うことで、2度とその雄姿を西側世界のファンは見ることができないと思っていないだろうか。今現在、ONEの試合は世界138カ国、17億人が視聴可能になっている。さらに「ONE Super App」という携帯アプリによって、無料でライブ配信をチェックできるようになっている。

先日、バンコクで行われたONE「キングダム・オブ・ヒーローズ」はタイで2500万の視聴者を集めた。この数字こそ、ONE Championshipが現在も成長中であることを端的に表している。

フォーブスにおける最新のインタビューで、チャトリ・シットヨートンCEOは米国のTVネットワークとの契約について触れており、ONEが米国進出のために動き出していることも明らかにした。

「2018年の年末までに米国のメジャーTVとの契約も固まるだろう。今、いくつかの米国のTV局と話し合いを続けており、サイン間近の状態だとチャトリ・シットヨートンはフォーブスで語っている。ONE Championshipは急激な勢いで成長しており、その勢いが衰える兆候はどこにも見当たらない。

3)世界で最も急成長しているメディア・プロパティ

ONE Championshipはファンの動向に関してもニールセン、Facebookやツイッターの最新データにより、その成長を確認することができる。

伝統的なメディア、そしてデジタル・メディアを合わせ、そのビューワー数やエンゲージ・マトリックスから、ONE Championshipが世界で最も成長しているスポーツ・メディア・プロパティということができる。

2018年9月のニールセンの調査によると、ONE Championshipの最高視聴率は58度も更新されている。シンガポールを拠点とするこの団体はアジアの核となる都市で、2018年24回のイベントを開催するなど活発な活動を行っている。

さらにプロモーション全体の放映時間は、2014年は僅か12時間から16時間だったのに対し、2018年は100から2800時間と僅か4年で233倍もの放映時間に飛躍的に増えている。これらの数字は、ONE Championshipが、ソーシャルメディアを中心にデジタル世代で成長をしている証である。こういった点も、エディ・アルバレスがONEと合流した理由のひとつとなっている。

4)アジアのベストであることを証明する機会

最後にアルバレスはONEと合流した個人的な理由を下記の通り語っている。

「詳細は話せないけど、僕には世界中からオファーがあった。誰もが想像でき、誰もが興味を示すオファーだけでもね。ONE Championshipは僕が世界のベルトをまだ巻いていない、唯一のメジャー団体なんだ」

「僕はBellatorのタイトルを2度取った。UFCの世界タイトルも取った。ONEだけがベルトに触れていないメジャー・プロモーションだった。僕自身、家族のため、ファンのため、そして皆のためにも、誰も成しえなかった歴史を創るチャンスを得たと思っている。20年間、ファイターとしてこれらの団体で戦い、ONE世界王座を勝ち取るチャンスを得るなんて宝くじに当たったようなものだ」

「世界のメジャー団体の全トップファイターと戦うことは可能だ。ONEのトップと戦い、彼らを倒し世界タイトルを取る。それこそ僕にとって“世界”を意味している」(エディ・アルバレス)

ONE Championshipにはワールドクラスのファイターが揃っている。フィリピンのエドゥアルド・フォラヤン、豪州のマーチン・ヌグエン、日本の青木真也などアルバレスにとってもタフなマッチアップが組まれる可能性は高い。

“アンダー・グラウンド・キング”エディ・アルバレスはONE世界王座奪取を公言した。唯一手にしていないメジャーな世界王座奪取は、34歳のエディ・アルバレスにとって成すべき使命だ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?