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Versus AudioのKontakt音源【筑前琵琶】を買いました。

 Versus AudioのKontakt音源【筑前琵琶】を買いました。定価で買ってしまいましたが、結構50%オフセールをやっているようです。
 筑前琵琶の解説:琵琶 「筑前四弦琵琶と五弦琵琶」 ~伝統音楽デジタルライブラリー
 ちなみに、武満徹の『ノヴェンバー・ステップス』 で使っているのは薩摩琵琶です。

 まずはじめに、何もいじらずMIDIノートを置いてみたところ、一番低い音がA2でした。しかし、これはデフォルトのチューニングである〈壱越調〉でした。”SETTING” の “OPTION” の中央右にある “Tuning Preset” から、〈壱越調〉〈平調/太食調〉〈双調〉〈黄鐘調〉〈水調〉〈盤渉調〉が選べますが、なぜ雅楽の調絃なのか……。水調まであるし……。俗琵琶ではないのかしら……。俗琵琶の調絃についてはこちら(日本音楽集団 ─楽器について─ 琵琶)一番低い音が出るのは〈平調/太食調〉で、これによってE2まで出るようになりました。しかしここで問題が。試しにF2を鳴らしてみたところ、鳴るんですねえこれが。実機の琵琶は開放絃の半音上は鳴らないので、DTM的に鳴らすことが出来ても、実演では無理、ということは覚えておかなくてはなりません。(KONTAKTの画面を見ると、開放絃と最初の柱の間の微妙な位置を押さえるようですが、実演出来るの? これ。)
 次に高音域を鳴らしたところ、〈双調〉は第4絃がG3なのでFis4まででした。他の、第4絃がA3である調絃ではGis4まで出ました。
 更に、ピッチベンドをいじったところ、低い方は全音、高い方は半音まで(なぜ一致しないなのか……)ずらすことが出来ました。無理をすればD2からA4まで出せますが、普通に使うのであれば、〈平調/太食調〉に調絃して、E2からGis4までというのが良いと思います。

 奏法は沢山あります。右下にある〈Play〉を〈All〉にすると、ベロシティが1~19で〈MN(ミュートノイズ)〉、20~39で〈nBR(ノイジー・ブラシ)〉、40~59で〈BR(ブラシ)〉、60~69で〈Short(短音)〉、70~79で〈ID(イン・ダウン)〉、80~89で〈IU(イン・アップ)〉、90~99で〈nSU(ノイジー・サステイン)〉、100~119で〈SU(サステイン)〉、120~125で〈soft(ソフト)〉、126~127で〈TR(トレモロ)〉が指定出来ます。
〈nBR(ノイジー・ブラシ)〉がとてもガリガリした瞬発的な音を出す。〈ID(イン・ダウン)〉と〈IU(イン・アップ)〉がかなり個性的。個人的には〈nSU(ノイジー・サステイン)〉が琵琶らしくて好きです。

 〈Mode〉では、〈Power〉や〈Octave〉が選べます。ギターのようにパワーコードやオクターブが簡単に指定出来ます。〈Chord〉や〈Form〉を選ぶとCメジャーやCマイナーなどを自動で弾いてくれますが、琵琶は多重把絃はしないはずでは……。

 VS BIWA Percussionには、撥で胴体を叩くなどの打楽器奏法が入っています。
 VS BIWA Othersには、撥で絃を擦るなどの特殊奏法が入っています。

 使いこなすにはかなり慣れが必要だと思います。でも、貴重な琵琶音源! 1万円を切る! 邦楽器で三味線とも違う粗野な荒々しさを表現したいなら、買うべきです!