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ダート50M

当時はまだ教室にクーラーなんてなく大量の汗と集中力を欠きながら
授業を受けていた夏 
ようやく慣れてきた校庭に建てられたプレハブの仮校舎の秋

「今年の運動会はどこでやるんだろう?」
「もしかしたら今年は無いのかも」
無いのは困るだって活躍出来るのは運動会だけ
「えぇー 今年の運動会は中山競馬場で行う!」

音楽室に置いてあるピアノ 講堂の緞帳などには
「寄付 中山競馬場」と書いてあるほど近い
友達の家(宿舎)に行けば馬小屋が隣接してる建物
台に乗ってカイバ(えさの事)をあげたり撫でてあげたり
たまに甘嚙みされたり
パドックでチャリンコレースもよくやった
裸足で馬糞を踏むと背が伸びるなんて都市伝説みたいのもあった
俺の家の隣は春の天皇賞を「ニッポーテイオー」で勝ったことがある調教師の家
よく野球をやった原っぱの隣は「シンボリルドルフ」の調教師の家

でも3学期が終わると各クラスに4~5人いた競馬関係者全員
茨城県の美浦村に出来た新しい施設へ引っ越してゆく
親友と最後の運動会

運動会当日 本馬場入場
記憶に残ってるのは徒競走

『ダート50メートル』
パァン スタート 深い砂に足を取られ前に進まない
横から抜け出した俺よりも小さな親友 今日はやけに大きく見える
もしかして 裸足で馬糞を踏んでるの?

40年以上前の 小学校4年生の思い出

みんな元気で幸せに過ごしているのだろうか
いつか会えると信じて

ありがとうございました。

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