見出し画像

ゼロ富士3776チャレンジ


#ゼロ富士3776 #弾丸ではない #修行です

#今年度のチャレンジ企画 (急に思いたったヤツ)

今回の挑戦は、普段活動している牛臥海岸と富士山の剣ヶ峰をGoogleマップの歩行モードで辿ると、片道50Kもあるところから始まった。

2か月後の9月にエントリーしている信越五岳トレイルランニングレース2023にて、110K を走り切る必要性があるためだ。
そのため、早いうちに未踏の100K チャレンジが必要だと考えた。しかし、調べるうちに、下記URLを発見した。

#ゼロ富士3776

そう。海抜0メートルから剣ヶ峰まで自治体(富士市)が公式に推奨している(3泊4日)の企画があったのだ。しかもこのチャレンジに成功すると世界遺産登録10周年記念バッジがもらえるという。
日本で最も厳しいとされるスタンプラリー。
このsea to summitにチャレンジすることにした。そして、当初の計画では往復できるものならしてみようとも考えた。
実際に様々な仕事の調整の中、見送る覚悟もしていたが、天気予報を見つつ、この連休で業務に間を空けることなく、なんとかチャレンジできるプランニングを立ててみた。
富士市田子の浦みなと公園に移動して、仮眠してから登りはじめようと計画はしていたものの、出発時間も遅くなり、到着してからは興奮しているのか全く眠気がなくなってしまったため、そのままスタート。22時頃に海辺に立ち、23時本格スタート。
行程はヤマレコさんに入れてみました。

田子の浦みなと公園にて、真っ暗&海の音はあるもののテトラポットぽくてビビっているところ。

作戦としては荷物の重さもあることや、富士登山が本番であり、それは下山も考慮しないといけない計画となるため、足を何が何でも温存する必要性がある。
そのため、おそらくトレラン選手の方々は最初からランニングでチャレンジしていたが、自身の研究対象でもあるノルディックウォーキングを主体としたスタイルでの作戦で取り組んだ。

#真夜中の戦い

24時、富士市にあるメガドンキホーテのトイレによりつつ、栄養補給をしていたら、中高年世代のカップルの方々に後方から追い抜かれた。後々みると、トレランスタイルで荷物も最小限のため、コンビニで効率的な補給やおそらくジェルなどでカロリー補給しているようで、軽やかな足取りで過ぎ去っていき、彼らが休憩していると、120BPM程度の心拍数(LT強度)で上る私は休憩をあまりとらずに進むという、ウサギVSカメの戦いが深夜に繰り広げられていた。
それは、本来ならば2日目の夜に泊まるスポットであるPICA表富士に到着するところまでなんだかんだの抜き合いの展開であった。あちらのカップルに抜かれて引き離されている間に黙々と上っていると、急に後ろから現れて、伺うと道をロストしていたとのこと。夜中ですから、マジ危ない。
と思っていたらまた、二人はぐんぐん走って先に行ってしまう。

#Googleマップさん 。違う、そうじゃない。

迷わないようにスマホで立ち上げていたGoogleマップさんに左です!って言われて、曲がってみたら、深夜丑三つ時に一人でロードから外れ、トレイル。しかも車も通れない位の荒れよう。動物の鳴き声も聞こえてくる。そう、最近クマが出たらしい。恐ろしくなり、足取りもあがる。なんとかロードにたどり着いたら、先ほどのトレランカップルがまた後ろから追いついて、そのまま過ぎ去る。(一緒に行動してくれてもいいじゃん)と心が叫んでいた。

PICA表富士までのロードは横移動が多いようで、スピードアップのためにジョグスタイルに変更。PICA表富士への到着時刻は朝4時過ぎ、荷物の重さに汗だくになっているこの段階で、往復するのはやめようと心に誓っていた。PICAでは水分補給ができたのだが、自販機はなかった。。。
駐車場脇でシートにくるまって仮眠をとっているチャレンジャーもいたが、それをしり目に再スタート。ロードは続き、いい加減飽きてきた。この段階で5時間半経過している。疲労度は7割。
1時間半程度ロードをひたすら進むと、やっと旧料金所と呼ばれる富士宮口への分岐にたどり着く。ここからが休養林(トレイル)になる。

旧料金所横から休養林にはいる。

#やっぱり無舗装 (トレイル)が好き。

富士山の休養林は、とても雰囲気がよく好きな風景だ。
しかし、前後に誰も居ない。さっきまで数人いたはずなのに。。。

この雰囲気
大地の力を感じる!疲れも少し吹き飛んだ。

しばらく歩いていると、日も上がってきて合わせて気温が高まる。普段の休養林は1,500m以上あるため、涼しく、虫も大して襲ってこない。はずだった。。。
今回は、虻に5回はかまれながら、周りにブンブン鬱陶しい状況のまま、宝永山に達するまで、テンション最悪のまま進むことになった。
しかしながら、さすが富士山、ホウエイザン!
これだけの火口は久しぶりながら圧巻でした。

頭に日よけ用に塩の道祭り手ぬぐいを装着@宝永山

しばらく休憩していると、何やら続々とトレッキングしている人達がいた。ご挨拶(こんちわー)としたにもかかわらず、スルー。
そう、彼らは日本のフジヤマにインバウンドできた渡来人の方々です。
ある異国のオネイサマに写真撮ってと言われて、数枚撮って差し上げたところ、とても流暢な日本語で、同じくゼロ富士チャレンジをしているが、今日は3日目、去年も同じルートで富士山にきた。
とても楽しい。とのことで、ゆっくりと上りつつ、帰りも海までプラス1泊して帰るらしい。
まさに修行。

#ゼロ富士スタンプラリー

スタンプラリーは宝永山横の富士宮6合目の山小屋にてGETできるため、移動。しっかりと休憩取るために、市販の倍以上する価値の高いポカリスエットを2本GET。
しかもこのタイミングでずっと見失っていたトレランカップルさんがいらっしゃいました。

スマホアプリでスタンプGET

#プリンスルート

山小屋のおねーさんから情報収集した上で、決定した作戦は、これまでまだ富士登山ルートとして唯一登り切っていない通称プリンスルート(富士宮口~宝永山経由~御殿場登山道)で、行けば渋滞に巻き込まれないとのこと。結果距離は延びるけど、渋滞よりマイペースを選んだ。
これが功を奏し、頂上までの時間短縮にもつながった。宝永山の上までたどり着くと、急に眠気がピークとなり、まっすぐ歩けない瞬間があったため、潔く大きめの平たい岩を見つけ、荷物を置いて15分仮眠。

広報活動

すっきりと復活した後に、リュックから我がJ大の旗をくくりつけて、広報活動スタート。

途中、お、順天堂なんだーとさりげなく会話してくれていた人数8名。話しかけて頂き、ついでに写真撮ろうよって言ってくださったオジサマ集団4名(含デンマークの少年)。
啓友会で絶賛発売中のBuffも装着して、良い広報活動ができた。

#敵は砂

赤岩8合館という山小屋が御殿場ルートにはあり、ここではかつて科研費や富士山ツーリズム御殿場からの研究助成を受けて、トレイルランナーの皆さんの特性を検証するという実験で利用させて頂いていたことがある場所。
ここまでで、12:15分。空腹になってきた。。。
途中で食べず、頂上で食事!!と気合を入れなおしてラストスパートで山頂を目指していたところ、ゲイター(スパッツのような砂の入りを抑えギア)を付けていたにもかかわらず、靴の中に砂だらけになる事が多発して、靴を脱いで対処取らざるを得ない事が何度もおきた。

富士登山でぜひ気を付けたいことは、この砂。それが靴擦れを起こさせて、移動する力を奪う。その対処としてワセリンの下処理や、スパッツやゲイターなどのギアを使う必要がある。しかしながら、今回、一番参考になったのは、地下足袋がベターという様々なところからの意見であった。
砂も入らずグリップも利く。高くない。富士山にくると、靴が傷むため、良い靴はお勧めしないので、地下足袋作戦を今後展開したいなと思った。

#山頂にて知り合いと出会えたの巻

さて、山頂に近づくと、颯爽と下ってくるトレイルランナーがいた。そう、いつも何故か偶然なタイミングでお会いするスカイランニング世界マスターズ大会への代表獲得した秋葉さん。トレラン研究でもお世話になった方。
マスターズに向けての練習のようですが、ラスト、並走してくださって、とても嬉しい登りゴールになりました。

めちゃ爽やかの塊のような秋葉さん

この段階でゼロ富士3776はある意味、フィニッシュですが、下りの海までの選択肢を削ったからには、きちんと剣ヶ峰と御鉢巡りを行うことにした。

浅間大社富士山奥宮でござる

山頂の浅間大社富士山頂奥宮できっちりとお参りもし、御朱印もいただき、おみくじ引いたら大吉を授かる。良いことが続きますように。

剣ヶ峰では記念撮影渋滞が起きていたため、それを横目に奥まで進んで自撮りタイム。

左奥に剣ヶ峰の最高峰のモニュメント。

最高峰の証明をおさめ、久須志神社に向かう。そこは富士山カメラマンの植田Mushめぐみさんがいるからだ。
今年は山頂の郵便局にある記念切手に写真が抜擢されているとのこと。かつては1年生の教養ゼミに参加して貰ったり、DRCの活動も一緒にできていたけど、テレビ出演もオファーされまくって忙しいスーパーウーマンな方です。

富士山に籠ってしまってテレビにも引っ張りだこな植田Mushめぐみさん


そんなMushさんと話していたら、我が教養ゼミ生であって、いち早く大学を駆け抜けていった”うっちー”に山頂で出会うことができた。
とはいっても月末のSUPイベントに来てくれるとのことだけど、それでもこの富士山のピークで3人と出会えて大きな力を貰えた。

山頂で御店番していたうっちー(せーやん)

荷物が重い理由は、このカレーメシを食べるため、クラウラー(魔法瓶的なやつ)に熱湯を積んできたせいであるが、美味しく食べれるはずと信じて調理?したら、なんとお湯のぬるい事。。。

楽しみにしていたカレーメシ。またこのチャレンジするならば、お昼は山小屋でお世話になる!


カレーメシが台無しな感じになったけど、塩分と水分補給になったから良し!と前向きに考えて、下山スタート。この時15時半。目標17時半~18時。

#富士山は下山することも考えて登りましょう

御殿場ルートの特徴は、富士宮ルートよりも移動距離が延びることで、標高で比較しても2,500mVS1,500mで御殿場口の方がかなり下まで降りる必要がある。しかしながら、大砂走をうまく利用することで、移動時間の短縮につながる。雪国出身のスキーヤーならおそらく感覚の共有が出来るはずで、下りの少し硬めの斜面をスキーブーツの踵を雪面に食い込ませながら、下るイメージで走るとベスト。実際には足首とひざの関節を固めて、運動生理学的には等尺性収縮で足を回転させる。
通常、下山の際、体重を身体、特に脚で受け止めるため、膝関節ないしは大腿四頭筋は伸張性収縮をする局面が圧倒的に多い状況になり、それが足を使い切ることにつながる。しかしながら大砂走の斜面は地面が体重を受け止めてくれるため、足の関節を固めて突き刺す動きで温存できるのである。
その代わり、靴には砂が入りまくるので、ゲイターなどの対策が必要になる。
大砂走の最中は、とてもいい景色で、雲海に飛び込んでいくようなそんなイメージで気持ちが良かった。

真正面には雲海&逆さ富士

下山中、少し前を走っている男性がいて、上記の走り方をやりつつ、ごみのような袋を持っていたため、地元か山小屋の方かと思ってついて行っていたら、途中でそのゴミ袋が崩壊して、飲んでいない紙パックジュースやティッシュのようなのが散らばってしまっていたので、拾ってお渡しした。
その後は、世間話や走り方の話とかしていたら、なんとその方は、たまたま単身赴任で東京にきていた、雪国出身の方で、「めっちゃ楽しいですね。この坂。」ということで感覚だけで大砂走攻略していた。その感覚が得られない場合、足を使い果たして途中で山岳機動隊の方にお世話になる人もいたりするので、センスって大事だなーと改めて思った瞬間であった。

大石茶屋まで下ってきたところで、着替えなどを運んできてくれた家族と合流。本来なら、着替えて靴も交換して、プラス30キロ進むつもりだったけど、充分なチャレンジだったということで、ここでおしまい。

2023年の夏はあと数回登るかもしれないので、個人的には良い体験をすることができた。

Great Journey!

長文で、とても耐えがたい文章で大変申し訳ありません。有難うございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?