行動を起こさない人は何を考えているのか

コーチングをやって答えに近づく方法を示したり、アドバイスをしてもなかなか行動しない人っていますよね。また、自分の実績を認めない、正しくやったことを認識できない人もいるように思います。そのような人が何を考えているのか、自分なりに考えてみました。

人は、自分が思っている人間であろうとする

認知的不協和理論というものがあります。レオン・フェスティンガーが唱えたもので、人が自身の中で矛盾する認知を同時に抱えると、不快感を覚え解決しようとするというものです。例としては、タバコを吸っている人はタバコが体に悪いことは知っているけれども、自分を正当化できる理由を探してそれを主張し矛盾を避けることです。

また、自己同一性理論というものがあります。エリクソンが唱えたもので、自分は何者なのか、という問いに答えることができる状態をアイデンティティを形成できているとし、これを形成できていない人は対人的かかわりの失調(対人不安)、否定的同一性の選択(非行)、選択の回避と麻痺(アパシー)などを行うとしています。

この2つをベースに考えます。コーチングやアドバイスで自分の認知と異なる認知を与えられた場合、認知的不協和を引き起こします。この時に正しい(望ましい)行動をとるのが理想です。しかし、アイデンティティが形成できていない場合、選択の回避と麻痺をとることがあります。つまり、そもそも行動をとらないということです。

人間には、自分が認識している自分と他者が認識している自分があります。アドバイスは他者からの認識であり、まさに認知的不協和を起こします。問題はコーチングで認知的不協和を起こした場合ですが、私は、人間は自分が認識している自分であろうとすると考えています。そのため、自分が正しい(望ましい)行動をとる方法を知っても、自己認識が「何もできない自分」になっている場合、望ましい行動をとらないという選択になります。また、自分の実績を認めてしまうと自己認識と異なるため、認めようとしません。

まとめ

認知的不協和と自己認識を優先するということを書きました。これの自己認識に当たる部分に自己肯定感が関わってくると思いますが、今回の場合、自己肯定感と自己認識は異なると思います。自己肯定感という言葉がビックワードになってしまい、本来よりも広い意味でとられているため、自己肯定感を高めても解決に向かわない問題があると感じています。

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