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モンキー・パンチ作品紹介第1回『ピンキー・パンキィ』


今回ご紹介するのは『ピンキー・パンキィ』です。この記事は、私のブログ『ごま・あぶらの雑談部屋』に書いた記事を転載したものです。

作品概要

 
この『ピンキィー・パンキィ』は、かつて双葉社より刊行されていた月刊誌『スーパーアクション』の1987年2月~9月号に掲載された作品です。 ちなみに掲載誌『スーパーアクション』は、1987年9月号で休刊となったため、全8話にて終了した作品です。2004年にWOWOWで放映された 『モンキー・パンチ漫画活動大写真(漫活)』第7回~第9回の3回に渡りMiniSTAGE(15分パート)パートにてアニメ化されました。

【単行本情報】



『ピンキー・パンキィー』は以下の単行本に収録されていますが、いずれも現在『絶版』となっています

①アクションコミックス版(双葉社刊:1988年7月14日初版)【書籍紹介】

ピンキー・パンキィ表紙
ピンキー・パンキィ背表紙

連載終了後、約1年後に刊行された単行本。 A5サイズの大判の書籍で全話を収録し、月刊スーパーアクション1986年12月号に読み切り掲載された『逆転!ワトスン』を収録。

【一言解説】

『ピンキー・パンキィ』の全話、読み切りの『逆転!ワトスン』を収録とモンキー先生の単行本の中でも優秀な部類。 発行年月日が比較的新しいことから、古本屋巡りをすれば現在でも十分見かける可能性がある。ネットオークションなどでも数年前まではよく見かけたが最近はあまり見かけなくなった。レア度としては変わりませんが、発刊から約25年経ってますので早めに手に入れたほうが良いかもです 【レア度】★★★☆☆ 相場1,500円~

②モンキー・パンチ・ザ・漫画セレクション④『MPガールズ編』(講談社刊:2004年7月23日初版)



M・Pガールズ編表紙
M・Pガールズ編背表紙

アニメ『モンキー・パンチ漫画活動大写真』放映中に刊行された『モンキー・パンチ・ザ・漫画セレクション』の4巻で女性を主人公としたモンキー先生の作品を集めた単行本。『ピンキー・パンキィ』は全8話中6話掲載(vol.1~6)

【一言解説】  
『ピンキー・パンキィ』は全8話中6話収録となんとも中途半端で、『ピンキー・パンキィ』を全話読むためには、先に紹介したアクションコミックス版を探したほうが良いのだが・・・・・ 『ピンキー・パンキィ』以外の収録作品『カラーガール』、『クライムメイト』、『テクニガール』は、本書にしか収録されておらず、モンキー作品を全て読みたいという方にとっては避けては通れない何とも困った1冊である。 2,000年以降の刊行であることから、古本屋巡り、ネットオークションのみならず、ブッ●オフ等でも安価に手に入る可能性は十分ある。
2022年現在では、かなり値上がりしております。見つけたら早めに購入するのが良いかも 【レア度】★★★☆☆ 相場1,500円~:

【主要登場人物紹介】


(演は、モンキー・パンチ漫画活動大写真での担当声優)


J・J(ジュン・ジュン)


(演:こおろぎさとみ) 本作品の主人公。私立探偵であり、国際ハイテク大学に通う女子大学生でもある。 その明晰な頭脳と様々なハイテク機器を駆使して難事件を解決する凄腕探偵。 その容姿も淡麗で本人は男大好きであるが、男運はあまりないらしい。 【解説】 モンキー先生の描く女性では、珍しいタイプで底抜けに明るく、とにかく行動的なヒロインである。 画像からも分る通り、連載が進むにつれ髪型が変わり、最終的にリーゼントの様になって固定された。アニメ版ははじめからリーゼントの髪型で、学生という設定はない。


ネクラ隠軒


(演:?) 本作品の敵役。頭脳明晰で画期的な装置を次々に開発している自称『四畳半の大天才』。しかしながら性格に問題を抱えており、その能力を悪事に生かす。J・Jがかつて助手だったこともあったらしい。 【解説】 いわゆる、マッドサイエンティストで本作の敵役。 そのネーミングからわかる通り、『根暗』で『陰険』な野郎である。様々な犯罪を犯すもいいところでJ・Jに阻止され、泣きを見るのがお約束。アニメ版では『ネクラ』という名前は問題となったのか、『Drオタック隠軒』になっている。

小万田刑事


(演:?) 刑事。1話より隠軒を逮捕するために、後述のフンドシ刑事とともに登場。彼の担当する事件に悉く、J・Jが関わって解決するためJ・Jを嫌っており、隙あらば『ブチ込もう』(逮捕)しようとしている。 【解説】
本作におけるコメディリリーフキャラクター。部下のフンドシ刑事には、偉そうな口を叩いている割には大した活躍はせず、無能な刑事という印象が強い。J・Jやフンドシとの絡みは絶妙で本作の味でもある。 アニメ版では、隠軒専従の捜査官であり、隠軒を逮捕するために、J・Jにおとり捜査を頼むため頭を下げたり、原作よりは優秀なキャラクターとして描かれている。

フンドシ刑事


(演:桐本琢也?) 小万田刑事の後輩刑事。小万田刑事の後にくっついてくる若手の刑事。髪は天然パーマ、一昔前のロッカーような恰好言動や態度からJ・Jに惚れている様子が見て取れる。 ボケた様子も作中では見られるが、J・Jとコンビを組んで捜査した際の活躍等、刑事としての能力は小万田刑事以上ではないかと思われる描写もある。 【解説】 本作におけるコメディリリーフキャラクターその2。要するに小万田刑事。金魚の糞。 J・J、小万田刑事の絡みがとても良い感じで味のあるキャラクター。『逆転!ワトスン』の主役『何代目かのワトスン』とそっくりであり。これを流用したキャラクターではないかと推測される。 アニメ版では、J・Jへの惚れ方がかなり誇張されており、J・Jの裸体や下着を見ると鼻血を吹く描写が追加された。

原作エピソード紹介


vol.1『シャーロット・ザ探偵』

(アニメ版1話『J・J登場』原作)
【あらすじ】 伯父から『人を殺してしまった』と呼びされたJ・J。伯父によると『自分は突然現れた怪しい男を殴っただけだと』いう。モンタージュマシーンで浮かび上がった男の顔はかつての師匠『ネクラ隠軒』だった。 果たして、J・Jとネクラ隠軒の子弟勝負の行方は如何に

vol.2『目にはモンスターを!』


【あらすじ】 雪山で冬期講習をする拝島画伯より『刺殺体を模した雪だるまが何者かによって作られ、その雪だるまと似ている生徒が自分は殺されると怯えているので、このいたずらの犯人を見つけてもらいたい』と依頼の手紙を受け、雪山へと向かったJ・Jは講習所である屋敷へ行く途上、雪に埋もれた怯えた生徒の刺殺体を発見する。 果たしてはJ・J犯人を見つけ出すことができるのか?

vol.3『ネクラのわりにはキレル奴』


【あらすじ】 殺人事件発生!現場に急行した小万田、フンドシ両刑事。二人が現場で発見した物は男の死体と犯人にレイプされた男の彼女だった。両刑事は女の口から犯人の特徴を聞き出そうとするが、なかなかうまくいかない。 とそこにJ・Jが現れて、『このレイプの手口はネクラ隠軒の手口』と言い放つ。 果たしてJ・J達は、隠軒を捕えることができるのか?

vol.4『暴走シンドローム』

(アニメ版2話『J・J爆走る』原作)
【あらすじ】 ディスコ襲撃事件発生。 現場に急行した小万田、フンドシ両刑事。そこには、一足早く調査にやってきたJ・Jの姿があったものの後はもぬけの殻であった。消えた被害者の行方は、そして犯人の正体は?

vol.5『殺る!!殺れ!!殺られた!!』

(アニメ版3話『J・J飛翔ぶ!』原作) 【あらすじ】 街を歩くJ・Jは男から声をかけられ、睡眠ガスで眠らされてしまう。 薄暗い一室で目を覚ましたJ・J。部屋には、数人の男女。その誰もが眠らされ気が付いたらここにいたとのこと。 その面々の前に『ネクラ隠軒』が現れ、『この中に隠軒の作った殺人ロボがいて、今から1時間後に殺人マシーンとしての機能が機動するようにセットされている』と言い放つのだった。 果たしてJ・Jは殺人ロボットの魔の手から逃げ延びることができるか?

vol.6『履くならリモコン・ブーツ』

【あらすじ】 自宅でくつろぐJ・J。その前に奇妙な依頼人が現れる。それはなんとロボット。 ロボットに『あなたを雇いたい』と言われるも乗り気でないJ・Jだったが しケメンの真の依頼人の顔写真を見せられ着いていくことにするが・・・・ 果たしてJ・Jを待ち受ける事件とは何か?

vol.7『マーダーズ(殺人者)・カタログ』

※モンキー・パンチ・ザ・漫画セレクション④『MPガールズ編』未収録
【あらすじ】 大学No1の三由良教授から声を掛けられ、喜ぶJ・J。 連れていかれた教授の研究室にはなんと、『ネクラ隠軒』がいた。 そして、三由良教授の依頼はなんと『ネクラ隠軒を探すこと』だった。 一体全体これは、どういうことなのか?

vol.8『ネクラなんて怖くない!!』

※モンキー・パンチ・ザ・漫画セレクション④『MPガールズ編』未収録
【あらすじ】
ハサン伊東から彼の屋敷に呼ばれたJ・J。 そこには、小万田、フンドシ両刑事がいた。 J・Jへの依頼は『殺人者からハサン伊東を守ること』で彼らも同じ目的で屋敷に来ていたのだ。 果たしてJ・Jはハサン伊東を殺人者の魔の手から守ることができるのか?

【まとめ】


本作品の連載は1987年とモンキー作品の中で新しい作品である。 この作品の特徴はなんといっても底抜けに明るい主人公と周りを固める脇役の面々であろう。それぞれのキャラクターがとても生き生きしておりとても魅力的である。 特に主人公のJ・Jは妖艶でクールビューティという女性の多かったモンキー作品中でも異彩を放っており、明るく活発でのかなり弾けたそのキャラクターは、現在のアニメキャラにも通じるところも感じる『新しいヒロイン像』であった。 そして、ストーリー展開も最後にどんでん返しの待っている『モンキースタイル』には変わりがないものの、ルパン三世他の作品の様に無駄に人が死んだり、S●Xのシーンが出てきたりすることもなく、全体的に明るい作品であるため、アニメ化には向いており、実際『漫活』でアニメ化された。 残念ながら、掲載誌の休刊によりわずか8話で終了となってしまったが、もっと続いていれば、80年代にアニメ化されていてもおかしくないような魅力的な作品であるだけに惜しい作品ではありますね。


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