【鎌倉市 LINE損傷等通報システム】運用レポート 月平均10件以上利用!
2020年10月に公式リリースされた「神奈川県鎌倉市 LINE損傷等通報システム」に関する運用レポートを公開します。(※2023年4月現在)
本レポートでは、利用状況や、市での活用方法、通報者からのコメント内容についてご紹介いたします。
ぜひ最後までご覧いただければと思います。
【① LINE損傷等通報システムとは?】
LINE損傷等通報システムは、「道路の穴」や「外灯の故障」といった「公共インフラの異常」を市民が発見した際に、「LINE」というSNSを通じて自治体へ通報できるサービスです。
これまで、公共インフラに関する通報は、
メールや電話、直接の来訪による方法が一般的でした。
通報を受けると、自治体の職員は通報者へ、位置情報の確認を行い、
その都度、現場へ行って確認を行う必要がありました。
鎌倉市では、年間2000件以上(2019年)道路に関する通報を受けており、
職員の労働負担や、慢性的な人員不足が長期的な課題となっておりました。
本サービスを活用することで、メールや電話と異なり、
通報は「写真」と「位置情報」を基本とした情報形式に統一されます。
そのため、通報の度に、都度現場へ行って、写真撮影等の確認を行う必要はなく、道路パトロールの際に、まとめて確認することが可能です。
また、道水路、カーブミラー等、通報の種別によって、
担当部署が異なり、それらの連絡方法がアナログになっていたという課題に対して、「PC側の管理画面」を活用することによって、通報された「写真」と「位置情報」を、そのまま担当部署のアカウントへ共有することが可能です。これによって、職員の労働負担軽減や業務効率化が期待されるサービスとして、これまで活用されてきました。
【② 利用者属性に関して】
2023年4月時点において、本サービスを友だち追加したユーザー数は、
「2354人」となり、2020年10月の運用開始日から起算して、
1日平均「2.7人」の鎌倉市民が追加していることになります。
次に、追加したユーザーの属性についてですが、
男性が「53.6%」女性が「46.2%」となっており、
年代別では、50代以上の男性が全体の「29%」、
50代以上の女性が「24%」を占める結果となりました。
40代以上の男女が、全体の「80%以上」を占める結果となり、
SNSのユーザー層が若年層だけではないことが理解できる一方で、
20代ユーザー層へ向けたアプローチが、今後の課題となっております。
また、地域別では、神奈川県がユーザー全体の「80%以上」であり、
友だち追加URLや、QRコードからの流入が「96%以上」を占めることから、
市が配信している媒体を経由して、鎌倉市民を中心としたユーザーが、
本サービスを利用していることが理解できます。
【③ 通報状況に関して】
2020年10月~2023年3月までの累計通報件数は「862件」であり、
月平均で「約11件」、本サービスで通報を受け取っております。
2021年と2022年の各月ごとの通報件数を比較したグラフが以下になります。
7月は2021年で「54件」、2022年で「67件」と、
通年で最も多い通報件数の月となっていることが理解できます。
また、7月から8月で通報件数が1/3に低下し、その後徐々に件数が増える傾向になっていることが理解できます。
次に、通報時間に関してですが、15-18時が全体の「29%」、
12-15時が「27%」を占めており、12-18時の時間帯の通報が多いことが分かります。
次に、通報種別に関してですが、車道の補修が全体の「34%」、
道路側溝の補修が「28%」となっており、
道路の補修に関する通報種別が、全体の6割以上を占める形となりました。
次に、2023年3月末までの通報場所を、
地図上にマッピングしたデータが以下になります。
航空写真と比較してみると、鎌倉市大町付近や、
湘南モノレール江の島線 富士見町駅付近での通報が多いことが分かります。
【④ PC側の管理画面の利用状況に関して】
市民から受け取った通報に関する情報を閲覧/管理するための、
鎌倉市で運用しているPC側の管理画面の利用状況についてです。
2020年10月2日~2023年4月11日までの期間において、
各部署が受け取った通報件数は、都市整備部 作業センター「601件」、
道水路管理課「181件」、道路課「97件」となっています。
累計通報件数「882件」の内、完了件数は「706件」、
他部署依頼済み件数は「73件」、対応中件数は「99件」、
未対応件数は「3件」となっており、
対応率は「99.7%」(未対応件数/累計通報件数)です。
また、鎌倉市が公式に発表している、
処理状況に関するレポートは以下になります。
これまで、受け取った通報を、担当となる部署や担当者に分担し、その作業を誰がどこまで行ったのか?という進捗管理を円滑にする方法がなかったという課題がありました。
それらを解決する機能として、
「部署間での進捗管理機能」が管理画面上の特徴としてあります。
これによって、対応率の把握や、
処理状況に関するレポートの作成も円滑に行えるようになりました。
【⑤ 通報者からのコメント内容】
通報を行う際には、
通報者は状況を詳しくコメントして共有することが可能です。
これまでの通報件数の中で、
通報者から多く寄せられた内容についてご紹介します。
上記のような内容が多く見受けられました。
子供の遊び場が近くにあり、子供にとって危険であるといった日常生活における改善の要望から、大雨災害といった緊急時を想定して、その対策として必要といった幅広い視点での通報がありました。
【⑥ 今後の運用に関して】
職員の労働負担軽減や業務効率化の浸透率を上げていくことを目標に、
鎌倉市での運用は継続的に行って参ります。
また、隣接する自治体や神奈川県の管理画面アカウントを発行することによって、市と市、市と県をまたぐような通報を受け取った際にも、
同様の機能で、情報共有が可能となります。
そのため、今後は隣接する自治体を中心に、神奈川県全域で
共通の管理画面が利用できる状態を目指していきたいと考えております。
これからも、皆様にご満足いただけるようなサービスを提供するために、
より一層努力を重ねてまいりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
【会社概要】
社名:GoMA株式会社
称号:東京工業大学発ベンチャー(授与番号110号)
所在地:東京都港区芝浦3-3-6
東京工業大学田町キャンパス 4F
代表者:代表取締役 平賀良
設立:2019年12月9日
事業内容:
・デジタルコンサルティング事業
・B to B to C向けWebアプリケーションパッケージの開発