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ニンジャスレイヤーTRPGソロシナリオ【治験バイトの甘い罠】

ヘッダ画像はいらすとやから

はじめに

このシナリオは「ニンジャスレイヤーTRPG」第2版のモータル向けソロシナリオです。
当然ながら、ニンジャではないので難易度は高めかつあなたのPCの体に強制的に変化が起きる点には注意。

モータルPCの作成については下記を参照な。

導入

あなたはニンジャなどというカートゥーンの中の存在ではなく、ただの一般人の若者だ。
春休みもしくは夏休みを謳歌していたあなただが、遊ぶカネが尽きてしまった。

しかも運が悪いことに、あなたがアルバイトをしていた所はハックアンドスラッシュの被害を受けて潰れてしまい、新しいバイト先を探しているがうまくいかない。

かと言って、あの悪名高いふわふわローンからカネを借りるつもりもないので完全に詰んでいる。
このまま残りの休みを新たなバイトを探しながら干からびるしかないのだろうか?
そんなあなたの目に、IRC-SNSでとあるアルバイト募集の広告が目に入った。

タブン・アンゼン製薬の新薬の治験バイト募集!
期間は1週間、報酬【万札】20!
ヨロシサンのグループ会社なので実際安全!
応募は以下のリンクから~

治験バイト。
あなたも大学の先輩から、そういうバイトがあるという噂を聞いたことがあるだろう。
定期的な採血などの検査に耐えられるのであれば食事は出るし、施設内に限られるがほとんど自由だという話は聞いていた。
それで【万札】20は貰えるというので施設に拘束されることを考えなければ割のいいバイト。
しかも、ヨロシサン系列ならば何ら問題はないだろう。

早速あなたは応募した所、今から治験に参加しても問題ないかの検査をするので所定の場所へ来て欲しいという返信が10分もしないうちに返ってきた。
おそらくテンプレ返信だろうが、カネに目がくらんだあなたにはどうでもいいこと。
早速指定された場所へ向かうことにした。

治験参加前検査を受けよう

あなたがやって来たのは、ヨロシサン系列の総合病院。
治験もこの病院で行われるらしい。
タブン・アンゼン製薬の治験バイトに参加するための検査を受けに来たことを話すと、受付は謎の地図と書類をあなたに渡してそれっきりに。
一体何なんだとも思いながら、あなたは地図に示された場所へ向かうがそこにあったのはエレベーター。
地下3階へ来るように書かれていたのだが、エレベーターの操作盤は地下1階までしかない。
これはどういうことかとあなたは考えながら渡された地図をもう一度よく見る。
何かしらの簡単な暗号が書かれており、これを解けば地下3階へ降りられるかもしれない……。
【ニューロン】NORMALで判定せよ、『◉知識:現代的アート』を持っている場合は判定ダイスが+2される。
成功した場合、ある手順でエレベーターの操作盤を操作すると地下3階へ行けることが分かるが、失敗した場合は何もわからずじまいで手詰まりとなり、帰ることとなる。(ゲームオーバー、エンディングへ)

地下3階へ通りたあなたは、診察らしき部屋に通されて問診と検査を受けて明日から治験に参加するように言われた。
一体どんな薬の治験をさせられるのだろうか?あなたは期待と一抹の不安を胸にその日は帰った。

いよいよ治験へ

治験1日目

翌日、あなたはあの病院の地下3階を再び訪れる。
携帯UNIX端末の持ち込みは許可されたが、それ以外の私物で持ち込みを許可されたのは着替えくらいだ。
あなたが治験期間中に過ごす部屋は個室が割り当てられ、部屋の中にはベッドやテレビの他にトイレとシャワーが完備されている。

「ではこれをお飲みくださいドスエ」

あなたが部屋に入って落ち着いたのを見計らい、ナースドロイドが微妙に光る青い錠剤を差し出してくる。
それを飲んだあなたは、すぐに体に違和感を感じた。
【カラテ】NORMALで抵抗判定せよ、もし◉頑強なる肉体を持っている場合は振れるダイスが2個増加する。
もし失敗した場合は1D6を振り、出目に応じて体に異変が起きる。

1~4:グワーッ!体中が痛い!グワーッ!
【体力】1ダメージ、もし【体力】が0となって気絶状態になった場合はナースドロイドが強制蘇生させる(以降同様)。
5:頭が熱い、なんだこれは?
【ニューロン】+1、身体変化:特になし。
6:力がついてきた気がしてきた。
【カラテ】+1、身体変化:腕が獣のようになってきた。

「変化を記録しますドスエ」

薬を飲んだ後、ナースドロイドはあなたの体に起きた異変を一通り記録した後部屋を出ていく。
あなたは自分の体に起きた異変に少々戸惑いながらも初日は部屋にこもって過ごすのだった。

治験2日目

あなたの朝は、ナースドロイドによる採血と医師の診察から始まった。
だが医師はあなたを診察しても「なんともない」とだけしか言わずじまい。
更に食事後にはまたナースドロイドが新たな薬を持ってくる。
今度はヨロシグリーンに輝くカプセル状の薬だ。
もちろん治験なので、あなたは若干訝しみながらも飲む。
【カラテ】HARDで抵抗判定せよ、もし失敗した場合は1D6を振り、出目に応じて体に異変が起きる。

1~4:グワーッ!頭が痛い!グワーッ!
【精神力】1ダメージ
5:尻のあたりが熱い!
【ワザマエ】+1、身体変化:尻尾が生えてきた。
6:顔が痛い!特に顎の周りが痛い!
【カラテ】+1、身体変化:犬歯が牙のようになってきた、そして顔つきが人狼っぽくなってきた。

いったい自分は何の薬の治験をさせられているのだろうか?
昨日に次いで起きた自分の体の異変に、あなたは違和感を覚え始めるだろう。
もしこのまま薬を飲み続けると自分はどうなってしまうのか。
少し情報を集める必要があるかもしれない。
そう考えたあなたは部屋を出て、施設内を調べることに。

調べられる場所は以下の場所だ

・ラウンジ
・部屋の名称が書かれていない扉
・娯楽室
・施設への出入り口

■ラウンジ
あなたはラウンジへやって来た。
無料の飲み物やお菓子の自販機が置かれている以外は特に何も無いし、他の治験参加者が居る様子もない。
自販機では以下のいずれかの飲み物もしくはお菓子を入手できる。

『スペシャルな』と書かれたザゼンドリンク→【精神力】+2
オーガ・エナジーバー→【体力】+2

どちらも上限を突破して上昇するが、その場での使い切りとなる。

■部屋の名称が書かれていない扉
この部屋は一体何なんだ?詳しく調べる場合は【調査判定】U-HARDだ。
失敗した場合は何の部屋か分からずじまいだが、成功した場合は部屋名のプレートが巧妙に隠されていることに気づく。
部屋の名前は『Server Room』となっている。
もし部屋の中に入ろうとするならば【カラテ】U-HARD2(あなたはニンジャではない、なので当然難易度は上がる)で扉を破壊するかもしくは【ワザマエ】U-HARDで判定して鍵をこじ開けるかだ。
成功した場合はどうにか入れるが、失敗した場合はアラームが鳴り響き、突如現れたナースドロイドに捕まって部屋へ戻されてしまい、この日の行動は終わってしまう。

どうにかして中へ入れた場合、サーバー室独特のひんやりとした空気があなたを出迎える。
中にあるのは、UNIXサーバー郡。
何を記録しているのかは不明だが、管理用のUNIXマシンがポツリと置かれていることにあなたは気づく。
ちょっといじれはなにかこの治験に関する情報が手に入るかもしれない。
【ハッキング】HARDに成功するとサーバーにアクセスできるが、失敗した場合あなたの視界は突如暗転し、次に目を覚ました時には自室で朝を向かえているだろう。

●この治験バイトで出されている薬は、服用者を徐々に人狼に変えていく非人道的な薬。
●治験を主導しているのは、キクチ・イチマサという医者。しかし括弧書きでダークメディスンという名が書かれている。
●キクチ・イチマサことダークメディスンの計画は、人狼軍団でネオサイタマを蹂躙するというもの。

ダークメディスン?ニンジャ!ニンジャナンデ!?あなたは直ちにニンジャリアリティショック判定の軽度ショックで判定を行わなければならない。
ニンジャリアリティショック判定については下記を参照。

■娯楽室
アーケードゲームやビリヤード、ダーツなどが置かれている何の変哲もない娯楽室だ。
他の部屋を探したほうがいいだろう。

■施設への出入り口
外への出入り口は、厳重かつ固く閉ざされている。
かなり無茶をすれば出られないこともなさそうだが……。
もし扉をこじ開けて逃げ出そうとするならば【ワザマエ】U-HARD5で鍵をこじ開けねばならず、失敗すればアラームが鳴り響き、突如現れたナースドロイドに捕まって部屋へ戻されてしまい、この日の行動は終わってしまう。

治験3日目

今日もあなたの朝は、ナースドロイドによる採血と医師の診察から始まった。
相変わらず医師は「問題ない」としか言わず、あなたのことをまともに診察している気がしない。
今日の薬は、サイケデリックな紫色だ。
もちんろんあなたは若干訝しみながらも飲む。
前日にサーバ室で情報を入手していても、飲まなければナースドロイドに無理やり飲まされるからだ。
【カラテ】U-HARDで抵抗判定せよ、もし失敗した場合は1D6を振り、出目に応じて体に異変が起きる。

1~4:グワーッ!頭が痛い!ついでに体も痛い!グワーッ!立っていられない!
【体力】と【精神力】に1ダメージ
5:目が痛い!そして熱い!
【ワザマエ】+1、身体変化:目が狼めいてきた。
6:とにかくあちこち痛い!なんだこれは!
【カラテ】と【ワザマエ】+1、身体変化:あなたの体がかなり人狼になってきた。

もうこんな治験はやっていられないが、途中で止めることはできないとサインした上でハンコもしてしまっている。
このまま薬に弄ばれるしかないのか?
そんなことをあなたが思っていると、持ち込んでいた携帯UNIX端末にYCNANという人物からメッセージが入る。

#YCNAN@EMERGENCY:ドーモ、いきなりのメッセージで悪いけど単刀直入に説明する。
#YCNAN@EMERGENCY:あなたが今参加している治験バイト、かなりヤバイ級の代物だから今すぐ逃げ出したほうがベター。
#YCNAN@EMERGENCY:でも、簡単には抜け出せないだろうから助っ人を派遣している。
#YCNAN@EMERGENCY:あと1日、耐えて欲しい。

サーバールームで情報を入手していた場合は、言わずともわかると言いたくなるだろうが、治験から抜け出すためにはYCNANの助けを借りる他ないだろう。
さて今日はどうしたものか。

●部屋で大人しくしている(3日目スキップ)
●ラウンジに他の治験者を探しに行く

■部屋で大人しくしている
下手に動くよりはいいだろう、インターネットでも見ていよう。
(4日目までスキップする)

■ラウンジに他の治験者を探しに行く
他の治験者からなにか話を聞けないだろうか?
あなたがラウンジへ行くと、あからさまな人狼がコーヒーを飲んでいた。
恐る恐るあなたは話しかけてみたが

「GRRRRR……」

もはや人語を介すことは不可能なようだ、これでは話が聞けない。
あなたが諦めて部屋へ戻ろうとした次の瞬間。

「何か話を聞きたそうではあるが、俺が語れることはそこまでない。強いて言うならば、あまりにもカオスな色合いの薬を出されたら、何としてでも飲むのを拒否しろ。あれを飲んだらもはや後戻りはできまい」

人狼はそう告げると、コーヒーを飲み終わったのか部屋へ戻っていった。
これ以上することはない、部屋へ戻ろう。

治験4日目

もう殆ど乗り気がしない、こんな朝は定期試験の時くらいだ。
だがナースドロイドは朝食を……いや、今日は違う。

「ドーモ、キクチ・イチマサです。いきなりで悪いが今日の薬は食前なんだ。飲んでくれるね?」

この治験の担当医であるキクチ・イチマサがやって来て、あなたに薬を飲むように迫ってきた。
しかもその薬は、あまりにもカオスな色合いをしている。
あなたは流石に身の危険を感じて飲むことを拒否した、だが次の瞬間!

「ダマラッシャエー!非ニンジャのクズがクチゴタエスルナー!」

突如としてキクチ・イチマサがニンジャスラングであなたを怒鳴りつける!
そう、キクチ・イチマサはニンジャだったのだ!
ナンデ!ニンジャナンデ!?
混乱するあなたをよそに、キクチ・イチマサはあなたにアイサツする。

「ドーモ、非ニンジャのクズ=サン。キクチ・イチマサ改め……ダークメディスンです。まんまと騙されおって、お前に拒否権はない。さあ、この薬を飲め!」

ダークメディスンは開口器を取り出して、あなたの口を無理やり開きにかかる!
【カラテ】U-HARDで抵抗せよ!
成功した場合はどうにか抜け出せるが、失敗した場合は開口器で無理やり口を開けられ、薬を飲まされる。
飲まされた場合は【カラテ】U-HARD2でさらに抵抗判定を行い、失敗した場合あなたは完璧に人狼と化してしまう。
なお、無事に抜け出せたとしてもダークメディスンは色付きの風となって部屋の出入口を塞ぎ、あなたの脱走を妨害する。

「フハハハ!!お前はにっちにもさっちにも行けなくなった、大人しく私のモルモットとして一生を終えるがいい!」

おお、ブッダよ!あなたは今も寝ているのですか!

次の瞬間!

CRAAAAAAAASH!!

突如としてあなたの部屋の扉が破壊される。
もしダークメディスンが出入口に陣取っていた場合、破壊された扉にふっ飛ばされてダークメディスンは部屋の奥の壁に激突し、よろよろと立ち上がる。
そこに立っていたのは、赤黒の看護師服に「忍」「殺」の禍々しい漢字が刻まれたメンポで口元を覆った男。

「な、何だ貴様は!?いきなり壁を破壊して入ってくるとは!」

狼狽えるダークメディスンに、赤黒の看護師はツカツカと近寄るとその首根っこを掴んで持ち上げる。
もちろん、ダークメディスンはもがいて抵抗するが、赤黒の看護師のカラテのほうが上のようだ。

「ドーモ、ダークメディスン=サン。ニンジャスレイヤーです」

赤黒の看護師はジゴクめいた声でアイサツすると、赤黒のニンジャ装束を露わにする。
アイサツをした!看護師が!つまりニンジャがこの場に2人!ニンジャ!?ニンジャナンデ!?アイエエエ!
あなたは直ちにニンジャリアリティショック判定の中度ショックで判定を行わなければならない。

「ド、ド、ド……ドーモ、ニンジャスレイヤー=サン。ダークメディスンです、貴様がなぜここを?」

なおももがきながら、ダークメディスンもアイサツを返す。
それに対してニンジャスレイヤーは、何も言わずにダークメディスンをベッドに叩きつけた。

「グワーッ!」

ダークメディスンはベッドに叩きつけられて叫び、ニンジャスレイヤーを睨んだ。

「もう一度聞く、貴様がなぜここを知っている!?巧妙に治験バイトで隠していたはずだ!」

問いかけるダークメディスンに、ニンジャスレイヤーはあなたを一瞥したあとで、再びジゴクめいた声で告げる。

「私には全てお見通しだ、ダークメディスン=サン。治験バイトと称して何も知らない若者を騙して自作の薬を飲ませ、自らの手駒にしようとしていることはな」

「そして、その効果を消す薬もオヌシが所持していることは把握している。薬の在り処を死ぬ前に吐いてもらおう」

ここまで聞いたダークメディスンは、怒りで顔を赤らめながら

「断る、そしておしゃべりが過ぎたなニンジャスレイヤー=サン!死ねーっ!ポイズンカプセル・ジツ!イヤーッ!」

野球ボール台のカプセルを床に投げつけた!

KABOOOM!!

床に投げつけられたカプセルが爆発し、中からヨロシグリーンの煙が溢れ出す!
この煙を吸うと実際ヤバイ!そう思ったあなただが、次の瞬間ニンジャスレイヤーがあなたを部屋の外へ投げ飛ばした!
間一髪で難を逃れたあなただが、このままでは壁に激突して負傷する!
【ワザマエ】HARDで受け身を取れ!成功した場合はどうにか最小限のダメージに抑えられるため【体力】1のダメージで済むが、失敗した場合は【体力】1d3のダメージを受けてしまう。

エンディング

「イヤーッ!イヤーッ!」「グワーッ!グワーッ!アバーッ!サヨナラ!」

眼の前で繰り広げられるニンジャの壮絶なイクサに、あなたの精神は限界を迎え、意識を飛ばしてしまう。
あなたが次に目覚めた時には、病院の大部屋。
もし、体の一部が変化していたり、完全に人狼となっていた場合は元の姿に戻っていることに気づくだろう。
もう治験バイトはこりごりだ、そう思っているとあなたの携帯UNIX端末にメッセージが入っていた。

#YCNAN@Private:無事だったかしら?
#YCNAN@Private:うまい話には裏がある、ってことは忘れないでね。
#YCNAN@Private:でも、治験バイトの報酬は私がどうにかしておいたから。

そのメッセージを読み終えた瞬間、あなたの口座に【万札】20が振り込まれた。

最初の暗号を解けていなかった場合

結局あなたは単発のバイトでどうにかやり過ごすことになった。
あの治験バイトがどうなったのかは分からないが、治験を担当していた医者が行方不明になったとかいう情報をあなたは入手した。

治験に参加し、どうにか生き残れた。
【万札】20【余暇】4日
治験に参加できず、単発バイトでやり過ごした。
【万札】5【余暇】2日

◆忍◆ ニンジャ名鑑【ダークメディスン】◆殺◆
ヨロシサン系列の病院で働いていた医者に、謎めいたニンジャソウルが憑依。
ジツで生み出した薬で人狼に変えたり、ドクで殺したりすることができるように。
治験バイトと称して、ネオサイタマ市民を自作の薬の実験台にしていた。

利用規約

この記事に含まれる自作データは非商用の場合に限り、セッション中に利用したり、自作シナリオ、自作記事へ流用することができる。ただし当シナリオのデータを流用して作成したものを公開する場合、可能な限りこの記事を引用元として明記することが望ましい。「ダイハードテイルズ」公式以外による無断の商用利用は一部の例外を除いて原則不可。

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