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【旅する胃袋】クリスマス・イタリア中部のアーモンド菓子

ひゃっ!気づいたらあと十日でクリスマスではないですか・・・!
驚きましたね・・・。
クリスマスらしい準備は(ツリーもムスメがやってくれた)全くしていないのですが、良いのでしょうか・・・いいね。

で・・・話は急に変わるのですが10月の半ばにスペインにお住いの塩梅かもめさんが以下のような企画を出されていました。

お題料理 :アーモンド菓子・ポルボロン
お題食材 :アーモンド
『一体、何をするの?』
*全く同じものを見つけてレポート
*似ているのにどこか違うものをレポート
*全く違う同じ名前のものをレポート
*お題食材についてレポート
*お題レシピを『つくルンバ』してレポート
*市販のお菓子を買って食べてレポート


この記事にはお題食材であるアーモンドについての歴史や、言い伝え、ご本人の想い、そしてこのポルボルンのレシピを丁寧に書かれていて、かもめさんのポルボルン愛とさらに知りたい探求愛が炸裂しています。
ご家族とのアーモンドのエピソードはまるで小説を読んでいるようですよ。


ということで、イタリアに同じ名前のものがあると聞いたけども知ってる??という質問がアメリカのたなかともこさんから頂いて、

「こんな美味しそうなお菓子聞いたことない〜〜!!調べてみますね!」

と引き受けてからまるまる2ヶ月も経ってしまった・・・

ともこさんはササッとそれをアメリカで作っておられましたよ。ホロホロで美味しそうでした!

お待たせしてすみません・・・!

まずは同じものがあるかどうかというのを探してみましたが・・・スペインにそのお菓子があってそのレシピはこちら。というページはあるものの、そのお菓子そのものが売っている感じではないらしく・・・。

エミリアロマーニャ州のパルマにお住いだった方とお友達である方が、その方が買ったり、食べたことがあるとのことだったので調べてみたら、確かにパルマとスペインのアーモンド名産地が特別な繋がりがあったことがわかりました。いつか行けたら探してみます!

と、いうことで、私は

*似ているのにどこか違うものをレポート
*市販のお菓子を買って食べてレポート
融合したレポートをしたいと思います。


私がクリスマス時期で思い出すアーモンド菓子といえば・・・
トスカーナ州のシエナで生まれたRicciarelli(リッチャレッリ)です。


Ricciarelli di Siena
biscotti alle mandorle dolci di natale
シエナのリッチャレッリ
クリスマスのアーモンドビスケット

Nataleはクリスマス、mandorleはアーモンドです。
実はむか〜し、どなたかのお家でこのリッチャレッリを出されたことがあって、その見た目のままの味を勝手に頭の中で思い描いて口に入れたものですから、そのギャップのショックが大きかった!

いえね、私の頭の中ではもうシンプルなバタービスケットを思い浮かべていたのですよ。

それがもうあなた・・・アーモンドのなんというか「私よ!」「私なのよ!!!」という華やかな主張の激しい香りに驚いてしまって・・・

そこからすっかり苦手なお菓子になってしまいました(涙)

なんというか、イタリアのアーモンド菓子にこれでもかと入っているアーモンドエッセンスの香りが、苦手なのだと思います。

いかにもヨーロピアンな香りというか・・・あぁ、分かっていただけますでしょうか・・・。


と、いうことで10月からフィレンツェに出た時にはリッチャレッリがありそうなお店に入ってはリサーチしていました。

やはりどこを探してもポルボルンはなかった……




そして、またもやレッドゾーンになってしまい出歩くのが憚られる状態になったところで・・・
夫に「とにかくリッチャレッリを買ってきてくれまいか?」
とお願いしてみたのです。
するとこれを買ってきてくれました。




このメーカーCORSINIはトスカーナ州にある有名なビスケット専門で、我々も「良いビスケットを食べたい時」に買います。

せっかくなので早速出して・・・

押してみると・・・うん、ぎっしりしてて硬い。
ポルボルンとは感触はまったく違う感じみたいです。

食べてみると・・・・
!!!!!!!

え???美味しいやないの???

口の中でホロホロッと生地がほどけてとろ〜り。
ふんわり漂うアーモンドの香りはあれど、アーモンドのあの「私!」主張がない・・・

ただ単に「あの」リッチャレッリがダメだっただけなのね・・・

そして、家族にも美味しいよ!と勧めるとみるみるなくなり・・・(笑)
次の日にまた違うものを買ってきた夫・モシモシ・・・。
気に入ったらしい!
かわいいぞ!!!


こちらはこの周辺で有名なリチャッレッリでして、SIENAにて老舗のお菓子屋さんのものでございます。

切った感じはこれでね・・・



食べてみると・・・
おぉぉぉ!!!あの過去の記憶がふわあっと蘇る〜〜(笑)

そうか、あなただったのね!
でもね、頭の中で準備万端だったのであの時の衝撃はもちろんありませんでした。

「アーモンドのお菓子なのだよ。」と思って食べると高貴で美味しいお菓子なのは確かです。このお菓子のオリジナルにはマジパンが入っているのでそれが入っているかいないか、にもよるのかもしれません。


1400年代から伝わるお菓子ですからね・・・。Ricciardetto Della Gherardesca(リッチャルデット デッラ ゲラルデスカ)という騎士がこのお菓子を十字軍から戻った時に紹介したのだとか。

だからリッチャレッリか〜なるほど・・・。

それにしても、この企画がなければリッチャレッリさんのことを愛せない状態で人生を歩んでしまうところでした。
かもめさん、歩み寄る機会をくださってありがとうございます♪




そして、先週スーパーにパンを買いに寄った時に山盛りのリッチャレッリが計り売りをしていて、その横にゴツゴツしたお菓子が。

聞いてみるとこれもアーモンドとオレンジの皮の砂糖漬けなどが入ったお菓子で、トスカーナにて古来親しまれたクリスマス菓子なのだとか!!!

レポーター的にはこれも伝えねば!とひとつ購入しました。
どっしりしていて食べ応えありそう。




これはCavallucciというお菓子で、子供のてをゲンコツにした感じの大きさでかな〜り硬いです。
これはかのメディチ家のロレンツォ豪華王が君臨していた時代にBiriquocoliという名前で保存食として重宝されていたのだとか。


オレンジの皮の香りやクルミ、八角の香りがアクセントになっていてこれまた大人なお味でした。
水分がなんせ0%に近い感じなのでコーヒーや紅茶が必須です。


私はリッチャレッリの方が好きかな〜
古き良き時代を感じたい時にオススメのお菓子たちです。


そしてよくよく見回してみると、カヴァルッチも袋に入って売られていましたよ〜知らなかったら目には入ってこないんですね〜・・・。

かもめさんが、

ヘブライ語で「目覚め 」を意味するというアーモンドの木は、2月初頭頃に他の木々よりもいち早く優しいピンク色の花を咲かせる。

と、書いておられましたが、なんだかそう思うとアーモンドが2月から一生懸命花を咲かせて、ゆっくり育って、収穫されてここまで運んでもらえて食べさせてもらえることにもっと幸せを感じたいな〜と思います。
イタリア人でもこのエピソード知ってるのかなぁ・・・。

誰かとリッチャレッリを食べる機会があれば話してみたいと思います。


お陰様で、思い込みの刷り直しと、新しい知識を入れることもできました。
重ねてありがとうございました!!




皆様、楽しいクリスマスをお迎えくださいね〜♪


サポート頂けたらすご〜く嬉しいです。 言葉にできないほどに。