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失敗事例から学ぶ Vol.1:「ズーム・ビデオ・コミュニケーションズ」

投資にあたり必ず押さえておく最重要ポイントを、「毎週」の投資戦略会議のディスカッションの中から「Investment Outlook」としてまとめています。今マーケット/投資家自身がどこにいるのかの「Big Picture」を俯瞰し、実践者/実践経験者がグローバルマネーの視点で分かり易く解説します。株式投資でうまくやって行くための情報をドンドン書いていきます。マーケットやメディアで表面的に語られている内容はこうだけど、「本当はこういう話ですので、こう考えるべきです」という話をたくさん盛り込んでいきます。多少言い難いけど「本質的にはこうです」という話にもできる限り触れていきます。Investment Outlookは、3つのテーマで構成されています。①マクロ(投資戦略会議サマリー等)、②ミクロ(個別企業ケース及び各種統計データ)、③正しい投資の基礎、の3テーマです。
 
今回は「③正しい投資の基礎」から、「失敗事例から学ぶ Vol.1」として「ズーム・ビデオ・コミュニケーション」を取り上げます。バフェットは、投資で成功する秘訣は「教訓を他の人の経験から学ぶ」事であると言います。つまりは、他人の失敗事例には意味のある教訓が多く含まれており、たくさんの失敗事例から学ぶ事は非常に有効であるという意味です。正しい投資の基礎を習得する上で「ためになる要素」がたくさん学べる「学びの宝庫」です。また、他人の「失敗事例から学ぶ」方が良いというのは、全て「自分の失敗経験により初めて身をもって知る」という事になるとダメージが大き過ぎるという事もあるでしょう。他人の失敗事例から学んでしまえば、自分自身へのダメージはありません。まさに、ドイツのビスマルクが言う様に「賢者は歴史(他人のやらかした事例)に学び、愚者は経験に(自分自身が失敗してはじめて)学ぶ」です。
 
この「ズーム投資」についてのケーススタディでは、「10 の Lesson(学び、教訓)」を詳しい解説と共に掲載しています。特に、「学び」が多いケースであると思います。


資料:Gold River

新しく投資を始める方へ
 
※以下のパラグラフはInvestment Outlook創刊号(2023/12/29発刊)からのもので、創刊号の6%の分量です
※導入の説明として必要と考え再掲したもので、御了承頂ければ幸いです
※Investment Outlook創刊号を既にお読みの方は、直ぐ下に続く「失敗事例から学ぶ「ズーム・ビデオ・コミュニケーションズ」」へお進み下さいませ
 
投資を始めるにあたり、重要な3つのステップは以下の通りです。
①     正しい投資の基礎を学ぶ(同時並行で過去の成功/失敗ケース実例をドンドン学んでいくと、学びが最も速く効果的)
②     幾つかの個別企業の株式銘柄を候補としてリストアップし調査分析を開始する(時間は十分ある、今飛びつき買いをしない)
③     今マーケットがどこにいるかをよく知っておく(株式や投信など金融商品を買うのに適した好機を判断するために最も重要なので、マクロ環境について常に情報をアップデートしておく)
 
株価を形成する要素として、マクロ要因、ミクロ要因、その他の要因があります。そして、それらのウエイトはおおまかに、マクロ要因=6割、ミクロ要因=3割、その他=1割くらいであると覚えておけば良いでしょう。マクロ要因には、(金融政策を含む)金利や流動性など、そしてそれらの水準/規模と方向性などが含まれます。ミクロ要因には、企業業績の将来的な見通しをはじめ競争優位性を含む企業が内包する力などが含まれます。その他の要因では、株式や債券などの需給や地政学的要素などを考慮しています。
 
このうちウエイトで6割ほどを占めるマクロ要因は重要なのですが、各人がゼロから独自で研究するとなれば、途方もない時間がかかりますし、ちゃんとした理解に辿り着ける様になるのかも不明です。このたび創刊する「Investment Outlook」は、毎週末に開催される投資戦略会議から重要な部分を分かり易くサマリーとしてお伝えしていくものです。主要な視点は「グローバルマネーはマーケットをどう見ているか」となります(加えて、その時々の興味を引く業界や個別企業についても触れていきます)。これにより上述の「③今マーケットがどこにいるかを知っておく」にかかる(投資をはじめる方にとって大きな負担となる)時間と労力を大幅に低減できる事を目指します。マーケットの未来を予想してそれにベットする(賭ける)よりも、ハワードマークスがたびたび言及する様に、「今マーケットがどこにいるかをよくよく知ってから」「貴方が今どういう環境にいるか」を理解してから投資の判断に進む方が何倍も重要です。この投資レターは、主に中長期目線で投資する方を想定していますが、その時々のマーケット/マクロ環境を熟知しておく事は、実際は短期目線のトレーダーにもかなり重要であると思っています。
 
「取り敢えずは投資してみて勉強はそれからです」とか、「最初は誰でも損はするものですし、損をすると必死に勉強するものです」とかの声が聞こえてくるケースがありますが、お金と時価の無駄です。精神衛生上も宜しくありませんし、投資の最初に大損を経験し、「株式投資なんてもう嫌」になってしまうのは人生の大損です。素晴らしい会社(銘柄)を見つける事はもちろん重要ですが、それと同等に重要な「投資で成功する要件」は買い値に拘る事(割安な株価で買う)です。従って、足元は素晴らしい会社の株価は(極一部を除いて)どれもだいたいは割高なのは明らかですので、新NISAを契機に投資を始めようという方にとり非常にラッキーな事に、実際に投資に踏み切る前にお勉強する時間は十分に有ります。


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