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HSPの私が静脈内鎮静法で親不知を一度に4本抜いた話①

HSPの私は痛いのと大きい音が苦手

以前、私はHSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)であると書きました。

生活を送る中で様々なことに敏感に反応してしまう私ですが、
特に苦手な刺激が痛みと(自分が不快に感じる)大きい音です。

そんな私が、4本全て生えていた親不知を抜いた時の話です。

ある時アイツは生えてきた

私は高校生のころ、歯列矯正をしていました。
私の口のスペースに対して歯の大きさが大きく、
数本永久歯を抜いてスペースを作って矯正をしました。
(この永久歯抜歯が結構トラウマもの)

歯列矯正が終盤に差し掛かったころ、
空いた歯茎のスペースに
ひょっこりはんしてきたのがアイツです。
そう、4本の親不知。

歯列矯正を始める前に撮ったレントゲンを見た矯正歯科の先生は、
いずれ親不知は抜いたほうがいいですね
と強く勧めて下さいました。
(その頃はほとんど歯茎の中に埋まっていた)

親不知が生えてくると、虫歯のリスクが高まるだけでなく、せっかく矯正した歯列が親不知に押されて乱れてしまうこともあるとか。

しかも、こんにちはしてきた4本のうち、左下に生えてきた歯は
隣の奥歯を押すように生えていて(歯の向きが横になっていた)
半分だけこんにちは(残り半分は歯茎の下に)
していたので、

「大学病院の口腔外科じゃないと抜けないね~」

と爽やかに告げられました。(絶望)
どんだけ大掛かりなの。

ということで、歯列矯正が一段落し、就職も決まって余裕があった大学4年生の時、矯正歯科の先生に紹介状を書いてもらって地元の大学病院に行きました。

先生、全身麻酔で抜いてくれませんか?(本気)

初めて足を踏み入れた大学病院の口腔外科。
診察台がいくつもあり、今まで一度に見たことないくらい大勢の歯科医及び歯科衛生士の方がいらっしゃる診察室を見てビックリ。そしてドキドキ。

大学病院で抜歯することを告げられた時、私はあることを先生に相談しようと思っていました。

「先生、全身麻酔で抜いてくれませんか?」

というのも、歯列矯正の時に体験した永久歯の抜歯では、
痛みと抜く際の大きな音のフルコンボがトラウマとなって残り、
あんな体験に二度としたくないと思ったからです。
部分麻酔しても何であんなに痛むの…
というか先生ペンチで私の歯を抜いてましたよね…

親不知は根っこが深かったり、変な生え方をしていると、
ますます抜くのに時間がかかると聞いていましたので、

全身麻酔してもらえばあんな経験しなくていいやん?

と考えたわけです。
もちろん、親不知を抜いた後が痛いのは知っていますが、それはどうしようもないことなので、少しずつ痛みが取れるのを待つしかありません。

でも抜歯中の記憶を無いものにできるだけでも、私にとっては大きな救いでした。

勇気を振り絞って先生に全身麻酔の話をすると、先生は苦笑いしながら
「全身麻酔か~ちょっと大げさかな~」と一言。
いやいや私にとっては一大事やねんと猛プッシュすると、先生から次のような提案をされたのです。

それなら静脈内鎮静法はどうでしょうか?

静脈内鎮静法とは、
血圧や呼吸を管理しながら腕から薬を点滴で注入。

完全に意識がなくなるわけではなく、人の声や呼びかけには反応できます。ただそれも遠くで聞こえるような感覚となり(覚醒と睡眠の中間みたいな感じ)、リラックスしながら治療を受けることができます。
強い眠気を感じるので、抜歯中の記憶はほとんど残りません(確かにほぼ覚えてない)。

この方法では麻酔科医が鎮静剤をコントロールしてくれるので、途中で麻酔が切れる心配もありません。麻酔が効いてないと感じたらすぐに調整してくれます。

担当してくれた大学病院の先生によると、確かに親不知を抜く際に全身麻酔を希望する患者さんはいないわけではないそうです。

ただ、全身麻酔になると体への負担も大きく、2泊3日ほど入院の必要が出てきてしまうため、それよりも負担が少なく日帰りで帰れる静脈内鎮静法を提案していただきました。

1度の手術で4本抜けますよ?

さらに私の歯の状態を確認した先生は、

「静脈内鎮静法を使うなら、1度の手術で4本全部抜けるよ~」
とこれまた爽やかに言われました。
サラッと凄いことをおっしゃる…
(部分麻酔よりも強いので、できれば1度に抜いたほうが体に薬を入れる回数も量も減るので負担が軽いそうです)

でも確かに複数回に分けて抜くよりも、1度に全部抜いちゃったほうが楽なんでないの?

先生曰く、左下以外の3本は普通に問題なく生えてるため、15分もあれば全部抜ける、左下は歯茎を切開する必要があるので20分くらいかかるだろうとのことでした。

それでも1時間以内で4本抜けるんですね。流石大学病院の口腔外科。

もうあの手術中の嫌な感覚を経験しなくて済むのなら…!と思った私は、

「ぜひ静脈内鎮静法で4本抜いてください!」

とお願いしたのでした。

静脈内鎮静法を利用するには精密検査が必要です。

この麻酔を使う場合は、
尿検査
血液検査
心電図検査

を受けて、体に問題がないかを調べる必要があります。

そのため初回の検診の後、大学病院内で上記の検査を受け、問題なくこの鎮静法を受けられるとお墨付きをもらってから帰宅しました。

次回はいよいよ抜歯です!

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