まいにちけんちく #2 経堂の住宅
こんばんは、GOです。
まいにちけんちくの2回目になります。
経堂の住宅
東京都世田谷区 設計:長谷川 豪
四角い箱の上に三角の屋根がのったこのアイコニックな形をみたとき、
造形の単純さに強さがありながらも、軽い印象を帯びていて、菊竹清訓のスカイハウスを思い出した。
東京の住宅街に建っているこの住宅の住まい手は、編集者の夫婦。
妻の要望は、ビル屋上のペントハウスに住んでいたことから反対に、風通しのよく気持ちのよい空間をつくること。
そして夫の要望は、大量の本を収納する書棚のある穴蔵。
この相反するような二つのイメージを両立させているところから、この造形の強さは溢れ出ているのだろうと思う。
正面に大きな壁を立て、上に大きな屋根を載せる。
大きな屋根が閉じた空間を強調し、
大きな屋根と壁から生まれた間の空間が風を通し、開放的なイメージを与える。
近年の住宅建築の課題は、もっぱらその外部との接続性、境界をどこまであいまいにすることができるか、どこまで近づけることができるか、だ。
世界中の建築家が、アアルトの時代からそればっかりに注力している。
この夫婦の要望を整理して、ぶつけたときに、この外部空間との接続性に対する造形的な答えが、一つ示されていたと思う。
大げさかもしれないが、
この建築は外部と内部の境界を曖昧にし、なおかつアイコニックな造形をもち、
圧倒的に施主の相反する要望を実現させた、現代の住宅の答えなのかもしれない。
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Casa BRUTUS 最強の家づくり、究極の参考書(2015年4月25日)を写真をもとにスケッチを描いています。
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