gohey's KPOPwatch #1(2016.01)
豊作に沸いた2015年のKPOPシーンについての総括記事をかれこれ1ヶ月以上構想し続けたのですが、なにせ1冊の雑誌ほどの情報量になりそうだったのでそれは今後小分けでアップしていくとして。
その反省も踏まえ、今年からは日々ピックアップした楽曲群を、各月ごとにまとめた記事形式で紹介していこうと思います。メジャーインディーごっちゃまぜ&なんとなくリリース順(厳密ではない)で並んでおります。それでは第1号。どうぞ。
■「Hogu(호구)」GIRIBOY feat.Brother Su
(label: Just Music/composed: GIRIBOY,BrotherSu,Fisherman)
ラッパーのSwings(この曲大好きでした)が主宰するJustMusic所属のメガネ君ラッパーGIRIBOY(ギリボイ)の新曲。怒濤と興奮の2015年総括ムードからリリースが落ち着いた静かな1月冒頭にいきなりのこの曲との出会い。即座に「やマジで2016年もKPOPしっかりついていきます」と決意させられた、本当超良い曲。この1月、1番繰り返し聞いたんじゃないかな。僕がポップソングに求める「チャーミング」を体現したド名曲だと。
ちなみに風船で膨らます彼氏、という設定は昨年のSan E feat. Baek Yerinのクソ名曲「Me you」(いつかこの曲についてもガッツリ書かせてくれマジで)でも見た、あちらの国では比較的良くあるモチーフかしらんと。タイトルのHoguはあちらの言葉で「パシリ君」の意なのだとか。彼のことは冒頭のカタコト日本語にならってギリ君と呼びたい。
■「Beautiful Liar」Serri(from Dal★Shabet) feat.SIMS
―9th Album「Naturalness」収録曲
(label: LOEN Ent/HappyFace Ent)
IUやGirl's Day、昨年大ブレイクしたEXIDらかなりのメンツを擁し韓国5大芸能事務所(SM,YG,JYP,FNC,LOEN)に数えられるLOEN Entertainment所属のDal★Shabet(ダルシャーベット)は昨年のセクシー良曲「Joker」(PV見てるとマジでどこ行ったらこんなお姉さんと一緒に吞めるんだと吠えたくなるほどの眼福/失礼!)も収録した8th Mini Album「Joker Is Alive」がなかなかの好盤だったのだけど、当時6人いたメンバーはその後2人脱退し、2016年は4人ユニットとしてスタート。
9th Mini Album「Naturalness」のシングルカット曲「Someone Like U(2つ目にリンク貼っておきます)」は、昨年Wonder Girlsがスパンデックスまとってガチ80'sリバイバルを仕掛けて来た「I Feel You」の流れを、上手くポップに引き込んだ80'sアレンジが光る超好曲(PVも良い)で現在もチャート上位を爆進中ですが、R&Bポップス好きとしては同アルバム収録のSerriがソロをとったこの曲を推したい。たとえば2000年代初頭のm-floとか好きな人ならこの曲に反応せずにはいられないわけ、分かるでしょう?
ちなみに文中で触れた同盤のシングル曲「Someone Like U」のPVがこちら。良いね。
■「Roco Drama」Shin Hye Sung(from SHINHWA)
―Album「delight」収録曲
(label: CJ E&M)
神話(SHINHWA)のShin Hye Sung(シンヘソン)のソロアルバム「Delight」からシングルカット曲。とにかく楽曲が素晴らしくメロウ&ロマンチックで、まだ誰のプロデュース仕事かを調べ切れてないのが口惜しいのだが、本当良い曲。ちなみにMVで披露されているダンスには、昨年同じくSHINHWAからソロ出してヒットしたJunJin(チョンジン)の良曲「Wow Wow Wow(feat.Eric)」のフリなども引用されているらしく神話ファンの方々の胸を熱くさせているのだとか。
■「아무래도」Vincent
(label: CJ E&M)
現地のオーディション番組で見出されたミンフンギというシンガーがこの度Vincentと名乗ってCJ E&Mよりメジャーデビュー。日本版iTunesでは購入出来ないのが口惜しいんだが、こちらお聞きの通りガチのR&Bミディアム。“韓国のEric Benett”とか謳い文句も言い過ぎじゃないかもね、な好アレンジに良い歌声。今後のリリース、期待です。
■「Cherry Coke」AYNA
(label: CJ E&M/composed: AYNA、염기왕)
同じくCJ E&Mから今年デビューしたシンガーAYNAの1stシングル。歌唱大国韓国にしては珍しいピッチ低めのちょいヘタ歌唱。とにかく楽曲がすごい愛嬌あって、いま日本でtofubeatsあたりを聞いてらっしゃるリスナーの方には間違いなくドンピシャでしょう(インスト版聞くといよいよオケの出来の良さに圧倒されます)。なぜかteaserだけで本MVがいつまでも公開されない謎の状況(日本からのアクセスだからかな)なので静止動画ですが、一聴の価値アリですよ。
■「I am you, You are me」ZICO
(label: Seven Seasons, CJ E&M/composed: ZICO, PEEJAY)
アイドルグループ「Block B」のリーダーで、という前置きももはや不要なほど 精度の高い好楽曲をハイペースでリリースし続け、今ではラッパーとしてのステータスを固めたZICOのダブルA面シングルから。
片面のMVには篠田麻里子を出演させ話題の種を巻きつつ、正直そんなのどうでも良くなるほどもう片面のこちらの楽曲とMVが素晴らしい。楽曲はZICO、そして好趣味プロデューサーPEEJAY(彼についてもいつか必ず書きます)によるもので当然バッチリ。で、MVもショートムービー的な手触りでアーバンかつ愛おしい瑞々しさをとらえて大変よろしい。何より、こういう楽曲がきちんとチャートインするのが本当に羨ましいなぁ。
■「Sting」STELLAR
(label: Ent Pascal/TOPCLASS Ent/composed: GDLO[MONOTREE])
神話SHINHWAのEricがプロデュースするガールズグループとして鳴りもの入りでデビューしつつも2013年にEricがプロデュースの手を引き、2014年からはセクシー路線に変更したという苦労人美脚ユニットSTELLAR。昨年リリースの「Vibrato」は筆者が人生で見てきたあらゆるMVのなかでももっとも危険なMVのひとつで、とりわけ中盤の間奏箇所においては「あかーーん!メタファーがメタファーになってなーーい」と笑ってしまうほどのセクシー路線だったわけですが、とはいえこのSTELLARが素晴らしいのは実は楽曲の素晴らしさにこそあって、手がけているのはプロデュース集団MONOTREE。MONOTREEの魅力を語り始めるとまた1記事出来るくらいあるので控えますが、その「Vibrato」も結局楽曲の強度だけで1年間忘れ難い1曲となったくらいの代物だったわけで、で今回の新曲もおなじく彼らの仕事。いやもう抜群でしょう。3分半のポップソングとしてばっちり完成されたパッケージになっていて、文句無し。相変わらず眼福なセクシーカットも手際良く拝見出来て嬉しくもあり、とにかく楽曲の素晴らしさは抜群です。
■「Foxy Girl」RYEOWOOK feat. DinDin
(label: S.M.Ent/produced: Ecobridge, HILO (Isaac Han), Aaron kim)
MONOTREE関連でもう1枚。SUPER JUNIORのRYEOWOOK(リュウク)氏がソロアルバムをリリースし、MONOTREEほか面々がプロデュースを手がけています。この曲はMONOTREE仕事ではないようだけども、こういうアルバム収録曲に拾い物があるから聞き飛ばしが出来ないKPOP盤。良いです。
■「Reborn」Bumkey
(label: Brand New Music)
Verbal JintやSan Eらを擁し韓国ヒップホップブームを牽引するBrand New MusicからシンガーBumkeyの待望の1stフルアルバム。曰く2005年に歌手デビューして以来ようやくの1stアルバムということで、首を長くして待っていたR&Bファン多数。出来としてもそれに応える好盤に。feat.には僕大好きなChansellor(DUBLESIDEKICK)やBeenzino(マジこの2名についてもいつか必ず)らも迎え、その向きの方ならウム当然期待通り、という仕上がりとも。下リンクはその中でも今のところ一番お気に入りのトラックを。バンドも良い演奏してんなぁ!
■「What 2 Do」Dean feat. Crush & Jeff Bernat
(label: Joombas Music group/ composed: Deanfluenza, Shin Hyuk, CRUSH, Jeff Bernat, JBird )
楽曲ライターDeanfluenzaとしてEXOはじめ複数のアーティストに楽曲を提供していたDEAN(ディーン)がシンガーとして昨年2015年にデビュー、Eric BellingerやAnderson Paak(←彼、昨年Dr.DREの新譜で大活躍したうえに今年1月にフルアルバム出しましたから間違いなく2016年USのR&Bシーンで大注目となるでしょうよ)ら米国本場のミュージシャンたちとfeat.で手合わせを重ね、韓国ドメスティックというよりはむしろ海外足場のシンガー&プロデューサーのような軽やかなスタンスでリリースを続けてきた氏。11月にリリースされた「Pour Up feat.ZICO」では現行UKのネオR&B的トレンドに同期する超好センスの良曲(MNEKあたり聞いてるリスナーの方にはドンピシャな/僕これ初聴したとき気絶するかと思うくらい大好きな1曲ですが)を聞かせたり、一方では、同じく2015年秋の神曲R&Bバラード「247/Junggigo feat.Zion T.,Crush,Dean)」にfeatシンガーとして迎えられるなど、とにかく昨年のKPOPシーンをつぶさに見ていた人間なら絶対無視出来ない存在だったDEAN。
新年1発目に本人名義の新曲としてリリースされたこの楽曲は上述の「247」で共演済のCrush(天才)に、Jeff Bernat(天才、後述)をfeatに迎えたという最早“天才盛り合わせ”状態。当然楽曲は上等。とりわけ中盤の間奏〜のブリッジはスティーヴィー〜MJマナーで、まー趣味がよろしいこと!そう、やっぱり彼の仕事はどこか韓国ドメスティックに引っ張られない風通しの良いセンスがある。PVも良いしね!
■「In The Meantime」Jeff Bernat
上述の「what2do」にfeat.で迎えられていた“天才”シンガー&コンポーザー=Jeff Bernat(ジェフ・バーナット)。彼のことを日本語で紹介されたもので言えばヴィヴィアンさんのこの記事が一番詳しいので是非ご一読いただくとして(⇒Jeff Bernat/ヴィヴィアンの音楽ヲタブロ。)、その天才君がこれまた1月にニューアルバムをリリースしております。まったく2016年1月、とんでもないよ…。で当然超良盤であることはお聞きの通り。彼も上述のDEAN同様、いわばsoundcloud世代というべきか、もはや国内シーンに引っ張られない、ユニバーサルなR&Bシーンにばっちり応える楽曲を量産しているミュージシャン。アルバム購入全然損ナシです。
■「Hate」4Minute
―Album「Act.7」収録曲
(label: Cube Ent/ composed: 서재우, 손영진,Skrillex )
バッチバチにキマったMV+楽曲+パフォーマンスで文句無しに2015年の上半期を象徴する楽曲となった「Crazy」(本当に何度見ても鳥肌モノで格好良い)で、“女が惚れるほどカッコいい女”をトレンドづけた「ガールクラッシュ現象」を国内で巻き起こすなど抜群の存在感を放った4Minuteの待望の新曲は、長らく噂されていた通りあのSkrillexをプロデュースに迎えたものに。冒頭A⇒Bメロまでは、あれ、案外韓国ポップ的な…とSkrillex感の無さに戸惑っていたらそこはアナタ。ばっちりド級のフックに喰らうサビでぶっ飛ばしてくれます(楽曲の構造としてはこれまた昨年の、そしてKPOP史上に残る名曲BIGBANGの「BANG BANG BANG」に通ずる異化サビ効果)。Skrillexの職人サイドともいうべき好仕事で本当お見事です。でこの楽曲を収録したアルバム「ACT.7」も、1曲目のこれのあとにすぐメロウなR&B好曲を持って来る等、甘辛バランス上手い良い調子のアルバムに。
しかし先述の好調感に反して彼女たち、このアルバムが、所属するCUBE Entertainmentとの再契約がかかった重要なアルバムであるとのことで、そんな韓国エンタメ業界のシビアさに圧倒されつつも、是非読者の皆さんもこれは気に入ったら是非ご購入でどうぞ。
以上が2016年1月中にリリースされた(最後の4minuteは音源リリースは2/1でしたが1/31youtubeアップされたので滑り込みってことで)KPOP好曲リスト。ホント言えば上記以外にも意外な2人のデュエットが瑞々しいこんなのとかKPOPのニュージャック趣味まだまだイケるぜなこんなのとか、話題として取り上げるべきPVや楽曲たくさんあるんですが、今月はこの辺で。
どうです、凄い充実ぶりでしょう。
これだけの素晴らしい楽曲がたった1ヶ月の間にバンバン出ているというKPOPシーンの驚異の充実ぶりこそ伝えたいのが本記事の何よりの主意ですが、また同時に今のところこうしてひとりでその素晴らしさに耽溺するしか無いのがサミシくもあるので、どうか上述の楽曲群で気に入ったものがあれば、一緒にKPOP楽曲愛好者となっていただければなと願いながら本記事を締めさせていただきます。
とはいえこの第1号まとめるだけでも結構エネルギー要ったからなぁ笑、
どうか来月、きちんと次号を発行できますように…頑張りやす汗!
gohey
#KPOP