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海外で過ごしたコロナ期間をセルフマネジメントの視点で簡単に振り返る

前回、パンデミック状況下での時間の使い方を書きました。勉強することが偉いとかでは全くなくて、サッカーが出来ていないこと以外ほとんどのことが平時に戻りつつある今改めて振り返ると、結果としてはこの難しい期間を自分がすべきこと、やりたいことにきちんとコミットして過ごす事ができたと感じています。

“目標や自分の成長のためになると考えていることに対しては努力を努力と感じません。なので目標はあった方がいいと考えています。一方でプロアスリートとして結果を出し続けることは容易ではないし、色々なものを犠牲にしてきた大切な目標だからこそ、日々起こる一つ一つの出来事に一喜一憂してしまいがちです。自分自身、如何にそうならないように努めてもメンタル的に難しい時期を多く経験してきました。”

上記は前回の投稿からの引用ですが、これまでのプロ生活では多くの喜びや言葉にできないような感動を感じてきましたが、何か目標を持っている時こそ現状もそうですが困難な局面や目標に届かないこと、失敗することの方が圧倒的に多いように思います。

少し違う視点から考えてみると、そうった時には、例えば今回のパンデミックのように自分でコントロールが出来ないものに対してストレスを感じることは合理的ではないですし、自分ができることを整理して取り組む方が圧倒的にポジティブなんですよね。

分かっていても実際に行動することが難しいことってたくさんあって、自分にコントロール出来ないことに左右されないということもその一つだと思っています。ではその為に、何ができるかと考えたときに何か具体的なアプローチが必要だと考えました。最初からそう思えた訳でなく色々な経験をして今そう感じているのですが、色々なことに当てはまる考え方だと思います。自分自身最初からそういったことが出来ていたわけではないので、改めて整理しながら書いてみようと思います。

コロナ期間に捉われず、裏テーマとして僕なりの「目標と行動規範」の考え方ついてセルフマネジメントの観点から書いてみます。

1.前提:目標の効力は不確か

これまでの自分の人生を振り返ると目標を持つことの力ってとても大きかったと感じます。目標がなければ達成できなかったようなことや、できなかった決断がいくつも思い浮かびます。一方で、時には目標を見失ってしまうこともあるだろうし、遠すぎる目標が毎日の行動に与える影響力がその時々で変わってしまったりもします。ですので僕の場合は、目標は揺るぎないもののようで、ダイエットがなかなか続かないのと同じで、モチベーションという意味においてはある意味不確かなものだと改めて認識し直すことから始めました。

小学生くらいの頃に、大きな目標を達成するための一つのアプローチとして”スモールハードルをたくさん設定してそれを一つずつ乗り越えていく”という考え方を何かの講演会で聞いてからずっと気に入って実践してきましたが、スモールハードルと大きな目標が常にしっかりと紐づいている状態が何より重要なのかなと最近では感じています。

僕の場合は、このコロナによってサッカーや外出が出来ない期間のうちにすべきことを、アスリートとしてのトレーニング、英語、これまでなかなか取り組んでこれなった他のテーマの勉強にコミットの3つに設定しました。

2.「軸」を作る

とある書籍(ジャンルで言うとビジネス書?)のタイトルに惹かれてアマゾンで速攻購入しました。その本の趣旨とは違うのですが、ヒントを得てサッカーの目標とは別に、行動規範となり得るようなもう一つの軸を作ってみることにしました。

簡単に言うと「今どう在りたいか」という基準を一つの軸として、長期的な目標とは真逆のアプローチから、一日単位、もしく毎日連続的に繰り返す小さな判断に影響するような背景を自分の中に意図的に作り出すということです。漠然としていたものをきちんと自分の中に軸としてセットアップしてしまってからの方が個人的な感覚としては、行動に影響を及ぼす効果を感じました。

これまで大きな意思決定を何度かしてきましたが、そういった誰がどう見ても人生を左右するような大きな意思決定では、一生懸命考えようとしますが、日々繰り返しているような小さな判断の連続や日常の言動についてはあまり深く思考していませんでした。僕の場合はそういった部分に人として、プレーヤーとしての成長の余地があるように感じています。

まとめると、明日いきなり理想の自分になることは出来ないので、今どういう人間で在りたいかを整理する。これはとても簡単にできる割には、自分に対してそこそこな影響力を持ちます。そうすることで今まで理由を考えもしなかった些細な行動や小さな判断について考えられるようになり、自分の言動を客観視したり言動を言語化できるようになりました。

3.活用方法はモチベーションでマネジメント出来ない部分を補う役割

前回の投稿で「目標+αの設定」という見出しを使いました。この時期の勉強をアスリートの特性のおかげで苦に感じず過ごせていると書きましたが、何かにコミットして結果を出そうとする時にはモチベーションや動機となる目標は必要だと思います。

今回書いた考え方の活用方法は、モチベーションの不確かさを認め、常に変わらない視点から自分を律することです。

例えばサッカー選手には、リーグ戦で優勝する、週末の試合で勝つ、そこでチームに貢献する。色々な目標があると思います。自分自身常も様々な目標をモチベーションとして原動力に変えてきました。

自分のプロ生活では、試合に勝ち、また来週も勝つために頑張ろう、という時が一番前向きな^ 状態だったのですが、常にそういう時のように毎日を過ごすためにも、確固たる目標はもちろんのこと、もう一つの軸を持つことがプラスに作用します。

勝てないこと、試合に絡めないことが続いてもプロとして当然最善を尽くしますが、非常に苦しいものです。そういった時も、それだけを考えるとネガティブですが、どう在りたいかはある意味自分の現状と無関係だからこそ意義があると思っています。



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