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【ヴェルディJr.編】 プライド、反骨心、考えてプレーすること

日頃より僕のnoteを読んでいただき有難うございます。このnoteでは、ヴェルディの下部組織で育ち、大学を経由してJリーグで4年、現在は海外でプレーしている僕の経験や思考、意思決定の方法などを発信することで、少しでもプロを目指す選手たちが何かを考えるきっかけになればと思い続けています。サッカーをするお子さんを持つ親御さん方にも、何か参考になる部分があれば嬉しいです。

憧れ

ヴェルディに入ってからは、小学校の授業後一人でさっさと帰宅し、電車に乗って練習に向かう生活が始まりました。それまでは小学校のスパイクも禁止の土のグラウンドで、日が暮れるまでの間練習して解散する一般的なサッカー少年だったのでそういう意味ではそれだけでも大きな変化でした。

クラブによる保護者と選手への説明会では、送り迎えは原則禁止で自力で通わせることや、安全のため携帯電話を携帯させること、練習後の栄養補給のためにおにぎりや100%ジュースを持たせて欲しいことなど、これまでとは全く次元の異なる要求をされスタンダードの高さに圧倒されました。練習着やユニホーム、サッカー用品は全てクラブからの支給で、与えられた練習着に袖を通し、ナイター設備完備の人工芝のグラウンドで練習をする小学生が当時日本中にどれほどいたかと想像すると、恵まれすぎた環境とも言えるかも知れません。コーチたちからの要求、環境、それら全てがプロチームの下部組織に入った意味を理解するには十分の衝撃で、あっという間にトップチームへの強い憧れが芽生えました。それが徐々に帰属意識へと変化し、寄せ集めの我の強い選手たちが同じプライドを持つことでチームワークが養われました。このワッペンを背負って負けることは許されないという思いを全員が持っていたんじゃないかなと思います。

ヴェルディならではの教え方

コーチ陣は教えることだけでなく、全員サッカーが上手で、実際に元プロ選手のコーチもいました。そういったコーチ陣とのゲームの機会がよくあり、僕は何よりもその時間が楽しみでした。小学生相手に全く加減の知らない大人たちに(今思えば天才的な塩梅で加減をしてくれてました。笑)おもちゃのように遊ばれることが当時は悔しくて悔しくて、地団駄を踏んでボールを追いかけ回しました。そういう経験から大人だろうがプロだろうが負けないという反骨心が育まれ、一方で、数十回に一回ボールを奪える、ゴールに近づけるといった成功体験からは圧倒的な楽しさを感じました。

如何にすればゴールを取れるか、守れるかといったサッカーの本質や逆の取り方を大人たちとの真剣勝負の中で学び、試合では同世代の選手たち相手に思う存分それを発揮するだけでした。

僕は練習が大好きだったので、コーチが練習を止めると、誰に何を言おうとしてるかすぐに分かりました。常に考えてプレーをして、自分は指摘されることがないようにしていても、トラップの質や方向など細かいところまで見られていて指摘を受けるので、細部まで追求せざるを得ない環境でした。そういう誤魔化せないコーチ陣の目から見ても、常により良い判断やプレーできているようになりたくて、周りも見てプレーすることや、準備して考えることなどを繰り返し、少しずつ習慣にすることができました。

世界をみた経験

全国大会の決勝トーナメントくらいまでいかないと試合で負けることはほとんどありませんでしたが、常に頭の中にあったのは「ヴェルディでプロ選手になりたい」ということだったので、練習で手を抜くようなことは一切なかったと思います。それでも日本の大会で優勝して出場権を得た世界大会での11位という結果で、現実の立ち位置を知りました。パリで行われたその大会で得た一定の手応え以上に、衝撃的なレベルの選手を見たことで(現在トッテナム・ホットスパーFCのエリック・ラメラ選手。リーベルのジュニアチームで大会に参加していました。)改めて世界の広さを痛感し、新たに目標とすべきレベルを自分の物差しで測ることができるようになりました。

小学生年代での学び

コーチや監督のことはさん付けで呼ぶなど、学校にいるだけでは体験できない大人とのコミュニケーションが日常的にあり、人としての礼儀やマナーも厳しく教わりました。そういった基本はもちろんのこと、毎日トップチームの隣のグラウンドで練習をすることでプロという漠然とした夢を身近に感じ、コーチ陣とゲームをする機会、世界大会での衝撃、全国大会準決勝での敗戦などの経験を通じて、目標のために必要なことを考えるようになりました。何かのために何かを我慢することも、成長痛と向き合ったリハビリを通じて学びました。小学生の時にどれだけ頭を使えていたかは疑問ですが、常にコーチを負かすこと、同世代の選手たちに負けないことを考えていました。このような原体験が、自分にとっては選手としての成長に欠かせない土台となりましたし、それだけでなく人としても常に考えることや負けん気が備わった時期なのではないかと思います。

次回は、ヴェルディJy.編です。初めて壁といえるものに直面し困難の連続な3年間でした。


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