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本の記録「『当たり前』をひっくり返すーバザーリア・ニイリエ・フレイレが奏でた『革命』」

お借りした本。

支配的な価値観をひっくり返し、支配―抑圧的な関係性をひっくり返した教育分野のフレイレ、福祉分野のニイリエ、医療分野のバザーリア。三人が直接的な影響を与え合ったわけではないが、実践内容、社会への影響力、形成されていく思想や哲学、生き様は類似性や関連性が見いだされる、と始まった。

ひーん、難しかったし書いてることすべて理解できたわけじゃないけど、医療、福祉、教育に携わる者が共通して持ちたい思想たちが一番印象的だった。

・困難事例を紐解くと、「その対象者が困難性を抱えている」だけでなく、「その対象者に対して困難性を感じている支援者の私がいる」という「関係性の中の心配事」がある。その対象者が困難事例なんじゃない。
・他者について、そもそも決して完全には理解できないし、説明もできないものである。
・専門家は専門用語を沢山知っているから、専門用語と病気や症状を簡単に結びつけてしまい、患者が言おうとしていることを注意深く聴くことが出来なくなる。
・“「できない」という敗北を感じる理性の悲観主義ではなく、できる一つの方法論を探すという実践の楽観主義者になる。現状ではこの程度しかできないのだと妙に割り切っているようでは医療や福祉、教育のプロとは言えない。自らの現場で、どのような構造が問題になっているかを見抜き、不可能を可能にするための、できる一つの方法論を模索する、それが実践の楽観主義である。”

医療、福祉、教育、それぞれ担う部分は違うけれど、根っこは一緒だよなと思う。この本を読んで、違う分野でかつて当たり前をひっくり返した人の現場、頭の中をのぞき、”すごい大事やなあ、私もそれがいいなあ!”という思想を持ち動いているんだなあと思ったことがなんか嬉しかったし、”一緒だよな”と思えるのって、専門用語を介して話されていないからだな、と思った。

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