見込み客を育てるお礼状の書き方 ~お礼状のNGフレーズとOKフレーズ~
お礼状はビジネスシーンで印象度を上げる有効なツール
プレゼンが相手の目前で行う瞬間アピールなのに対し、お礼状は出会った後でも相手の心に入り込めます。メールで瞬間的に相手とつながれる時代、タイムラグのあるお礼状については、その“手間暇かかる価値”が再評価されています。経験値が貯まって成熟してきたビジネスシーンでは、じっくりと考え交渉にあたる案件が増えています。人は嫌いな人の話は聞きたくありませんから、まずは好印象を感じてもらう必要があります。そのためには“お礼状”が効果的なのです。
手紙といえば時候の挨拶ではじめそうですが、同じ時を共有してすぐに出すお礼状には必要ありません。相手の事だけを書くと自分の印象を上げることができます。ネット全盛以前のお礼状は、失礼の無いよう個を出さないことが重要とされていましたが、現在は、お礼状でどれだけ個別な一言を書くかが、読み手に「この人にまた会いたい」と思わせる決め手となるのです。
例えば、工務店では住宅見学会で新規見込客を集めています。家は一生に一回の買い物ですから、見込客は他の工務店へも足を運んで比較検討します。住所氏名を頂いた後から対客をはじめますが、自社アピール合戦の資料を送り自宅訪問を繰り返し、嫌われるケースも目立ちます。そんな中で、愛媛県にある工務店では自社アピール資料送付前に1枚のお礼状を手書きするように変えたら、見積もり相談へと進む件数が増えました。
それまでもお礼状は出していましたが、誰にでも同じ内容でしたから反応はありませんでした。ところが、一人の人にしか通じない個別の内容に変えたら「ご丁寧なハガキをありがとう」「私のしゃべったことを覚えていてくれてうれしい」「なんか、先を見通してくれた気がする」とお礼状のお礼を何件もいただき成約につながりはじめました。お礼状の内容は、「熱心にご見学、また私どもの話を聞いて下さいましたね。私は、〇〇さんの家づくりへの真剣さを感じました。これからご家族の暮らしに合った住みやすく毎日の生活が楽しくなる家を作り上げていかれるなと思いました。資料は別便でお送りしますね」と簡単なものですが、お客様個人とお話した内容に限られますから他の人に転用はできません。担当者は、「お礼状の内容を変えただけで受注に向かう階段に滑り止めがついたようだ」と言います。
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