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Addictone ECHOを触って思ったこと

※本記事はPR依頼を受けたものではなく私が勝手に書いているものです。

YOKOHAMA MUSIC STYLE 2024で遅ればせながら初めてAddictoneのギターを触らせていただいたのですが、色々あってECHOを1本お借りして自宅の制作環境で試させて頂けることに。

Addictoneの話をする前に

まず私のメイン6弦ギターをリストアップすると

  • T's Guitar DST-DX

  • T's Guitars DST-Pro

  • T's Guitars DST-Classic

  • Suhr Standard

  • PRS CE Maho

  • PRS McCarty Korina

  • Fender Classic Player Stratocaster

という感じです。これで作れない音楽があるなら私が悪いだろという話ではあるのですが、この現状の手元のギターのラインナップの中で足りていないと感じる要素を強いて整理すると

  • セットネック的なパーカッシブなFundamentalがしっかり出る

  • でもレスポールみたいな鈍重な感じは避けたい

  • コイルタップ時やボリュームを操作した時の音がブライト

  • ハードテイル

  • 薄すぎないネック

  • 明るすぎない音質

  • フラットトップ

  • 25インチスケール

を兼ね備えていることです。勿論部分的に満たしているものは何本もありますが手元のギターは全体的にレスポンスが良く音が明るく散っていくギターが多いので、もう少しグッと溜められるギターの方が必要性は高いと感じていました。今のところPRS CE Mahoがそれに最も近いポジションです。やっぱこのギターいいわ…。あと最近DSTのスプリングをガッチガチの硬いやつにしたらだいぶ音が締まって良い感じに。

以上を踏まえてのECHOの感触

渡辺祐さんからECHOを推して頂いて自宅で自分のギターと弾き比べてみたのですが、前述のポイントをかなり抑えていてとても好感触でした。国産ギターに感じることのある「正しく作られ過ぎている感」がないのが不思議です。

ボディシェイプ的には左の角が丸みを帯びたストラトという感じですが、フラットトップでボディ厚もかなりありバックコンターも控えめなのでゴツゴツした相当漢気溢れる音が出ます。テレではないですがテレ的な何かを感じるかもしれません。ピッキングでネックもボディもびくともしない剛性感も弾いていて安心できます。

もちろんゴツゴツしているだけではなく、ハイのギラッとした成分もちゃんとありつつ実の詰まった粘り気も感じられて、弾いていてとても気持ちが良いです。ピックアップが出力が控えめのBare KnuckleのThe Muleというのもそもそもがパワフルなこのギターには合っていると思います。特にフロントハムのハイポジションの図太さが印象的でした。このギターならかなりハイゲインにしても薄っぺらくなりづらいと思いますし、ローゲインだとパーカッシヴなアタックが際立つでしょう。

あとコイルタップしてボリュームを操作した時のフロントの扱いやすさも特筆すべきポイントです。細くなりすぎず、明るくもなりすぎません。コイルタップにこの音を求める人は多いのではないでしょうか。

という感じで弾き手にインスピレーションを与えてくれるギターなのは間違いありませんし、「ここをこう変更したらきっとより自分向きなギターになる」みたいな妄想が弾いていて膨らむギターでもありました。

でも多分その妄想を形にすると今持っているギターに少しずつ近づいていくのでしょう…ギタリストは似たようなギターばかり求めがちなものです。

Addictone = 翻訳のエキスパート

Addictoneの事務所に伺った際に他のモデルも色々と弾かせて頂いて、いずれも演奏家の目線でコンセプトが立てられていることを感じました。

つまりこういうキャラのギターって必要だよね、弾きたくなるよね、こういう音楽に使えるよね、と素直に感じられる要素がどのモデルにも詰まっているということです。

そこでもう少しAddictoneがどういうブランドかを考えた時、

  • 渡辺祐さんという非常にギターのオーダーの上手いギタリストが

  • 「ギタリストの好きなギター」を考えて

  • それをスペック(ルシアーに伝える言語)に落とし込んで

  • 世のギタリストの代わりに形にしてくれるブランド

ではないかと私は感じました。

ギターのどこをどう変えたらどう影響が出るかを最もよく知るのはルシアーだと思いますが、ギターにどんな道具であって欲しいかを最もよく知るのは間違いなくギタリストです。なので、コンセプトを立てるところにギタリストがいるのはとても重要なことだと感じます。世のシグネイチャーモデルがいい感じになりがちなのはその辺が理由だと思います。

世のコンポーネントギターはだいたいそうだろと言われそうですが、だからこそコンセプトを立てる人のセンスが重要だと言わせてください。

良いギターは欲しい、でも良いギターがなぜ良いギターなのかはようわからん、というギタリストは沢山いると思います。そんなギタリストとルシアーの間の翻訳家として存在する渡辺祐さんの感性がギタリストの最大公約数的であることがAddictoneというブランドの大きな特徴なのかなと感じたのでした。


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