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noteはじめてみた話と小指ぶつけた話

マシュマロの返事とかnoteでやってる方見て真似してみました。

ついでにブログ感覚で自分が好きな事つぶやくので気にしないでください。

Twitterで裏垢とか作ってもよかったんですが、なんかこっちのほうが整理しやすそう。

すっきりしてていいですねnote。



とりあえず、最近の出来事でも書いてみようと思う。


実は先日足の小指の骨にヒビが入った。


ビックリした。

私は大人というのは基本的に転ばない生き物だと思っていた。

例外は吉本新喜劇かフィギュア選手ぐらいのものだ。大人はそうそう転ばない。ましてや室内でなんて。

ところが転んだ。

室内で、運動不足解消のためデスクの真横に置いておいた重さ約5キロの鉄の塊に私は躓いた。

洗濯物を取り込む最中で足元が見えていなかったのである。

派手に転んだ。

両手が塞がってたので庇い手もできない。

漫画のように頭から転んだ。ゴンってすごい音がした。

ふわふわの洗濯物のお陰で上半身は無事だった。しかし何やら下半身に違和感。

「あー小指打っちったなあ」

悶絶するような痛みではなかった。

赤くなってズクズクと骨の芯から出る熱みたいな刺激ではあったが、それも経験済みの痛みというか。まあ暫くしたら治るだろう。そう思って普段通り1日を過ごした。

翌朝、指は青紫に腫れ上がっていた。

これは何事か。寝てる間は気づかなかったが痛みも引いていない。

(おおお?なんかわたし久々にマジのケガしてる…?)

気を紛らわそうと在宅の仕事に向かうがまるで何も手に付かない。痛いな―痛いなー情けないなー。涙ちょちょぎれながらiPadを引き寄せる私。

遠い親戚より近くの他人。何を馬鹿な。近年頼れるのはGoogle先生一択である。

「小指 打った 青紫」の検索ワードには見るも無残な先人たちの画像。

仲間がいた…!

孤独な部屋の真ん中でこれ以上心強いものはない。

私は犠牲になった先人たちのブログを2.3読み漁った。

その結果の結論。

たぶん、折れてる。


先人たちのブログにはいちように骨折の文字が踊っていた。まずは冷やせ。そして病院に行け。足の小指をタンスの角にぶつけるという、どこか真剣みに欠けるコミカルな情報であるが、どうやら小指の骨は骨の中でも随分脆いらしい。

「ちょっと打っただけでも折れてるからとりあえず病院に行け。骨が砕けてたら手術の可能性もある。即時にレントゲンと言われたら多分もうそれが答えだ」

まじか。私、折ったのか。お前、折れてるんか。

腫れ上がった小指を見ながらなぜか笑いがこみ上げてくる。

とりあえず適当にテーピングで固定し、家から一番近い整形外科に向かう。自転車で5分の距離だ。ペダルを漕ぐのは多少躊躇したが、踏み方を工夫すれば歩くより断然楽だしタクシー代ももったいない。

告白する。私はケチなのである。それは骨折だろうが病気だろうが関係ない。

去年卵巣嚢腫の手術の際、10日前後入院することになった。だいたいそんな短期間ではみんな入院道具はレンタルする。いちいち揃えるのも面倒だし術後直後は入院着の洗濯なんぞも自力ではできないからだ。

しかし私は揃えた。メルカリで全部揃えた。「えっ」と看護師さんにはちょっと引かれたがそんなものは知らない。私は節約という自分ルールを達成することに快感を覚えるタチなのだ。洗濯もリハビリと称して切った腹を押さえながらなんとか自分でやった。

そうやってまさに読んで字の如く血の滲む思いで抑える所は抑えたつもりだった。

しかし、私は退院時の請求書を見て愕然とすることになる。

それは術後私が麻酔で寝てる間に起こっていた。何も知らない母が、看護師さんの言われるまま入院部屋のグレードを上げていたのである。

手術後運ばれた部屋は個室。それは別にいい。もちろん大部屋のままでも良かったのだが、開腹手術だし排泄の関係もあるから個室が良いだろうと主治医の先生に勧められ、それは了承していたことだった。

しかし目覚めて目にした部屋はどうにもパンフレットで見たのとは違う。

(あれ私1番安い部屋にしたはずなのに、こんな広いの?壁紙こんなだったっけ。洗面台もついてたっけ。あれこれもしかしたらワンランク高い部屋じゃない…?)

なんとなく嫌な予感がしたものの、「たまたま退院が早まった方がいて空いたんですよー良かったですねー」と可愛い看護師さんにニッコリ微笑まれては何となくこちらも笑顔を返すしかない。

きっと好意で部屋を変えてくれたのだ。何も言わないのだから料金もきっと変わらないに違いない。

しかし世間はそんなに甘くない。

結局予想してた倍の費用がかかったことになり、私はこの事については誰にも文句を言えず、未だにふと思い出しては◯◯円…と空呟く日々が続いている。

脱線した。申し訳ない。今は足の指を打った話であった。

時間は朝の9時半。今日は11時から打ち合わせがある。まあ間に合うだろうとタカを括って受付けをする。

「どうされましたか?」「いやあ足の小指を打っちゃって」

受付けの看護師さんは私の力の入らない笑顔を見るなり「あらまあ」と呑気な声をあげた。そりゃそうだ。折れてようが何してようがなんせ足の小指である。タンスの角に誰もがぶつけるあのお馴染みの小指ちゃんなのである。悲壮感0。

そこに突然アナウンスが入った。

「ぼんだざあーんぼんだざあーん」

まったく聞き取れないダミ声である。敗戦時の玉音放送にガウスぼやけをプラス10したようなどこぞのおっさん…いやおっさんなのか機械音なのかもわからない程のひどいノイズ音である。

そして直後に目の前の扉が空いて女の看護師さんが声を張る。

「次の方ー本田さーん」

ぼんだざあーん、は本田さんの事だったようだ。長椅子に腰掛けたおばあさんが立ち上がり、息子と思われる男性に伴われて診察室に入っていく。

見渡すと7畳ほどの待合室に開院早々マスクをかけた老若男女が10人ほど腰掛けている。奥にはリハビリ室と思われる器具やら先生達の明るい声がした。引っ越して5年、まったく縁がなかったので知らなかったがここはなかなかに繁盛しているようだ。

しかも先程診察室に入ったおばあさんがなかなか出てこない。もう10分は経っているのに、何やらドアの奥で和やかな談笑がずっと途切れない。いい先生の予感はしてきたが、このペースで私は果たして11時までに帰れるのだろうか。

「んがーまざああん」

ガウスぼやけの玉音放送が入った。まさか私ではないだろうとiPadで仕事をしていたが、顔を上げるとじっとこちらを凝視する看護師さんと目があった。あっ、呼ばれたの私か。てゆうか看護師さん呼ぶなら玉音放送いらなくない?そう訝しみながら部屋に入る。

古いが明るく広い診察室であった。

そこにドラえもんがいた。


「今日はどぉしたのおぉ」

あのアナウンスの声はあなたでしたか。60手前の、太っているというよりは恰幅のいい白衣のおじさんである。顔は覚えていない。人の顔は何回も継続的に見なければ覚えられないタチなのだ。しかしその声だけははっきりと耳に残る。

ドラえもんだ。使い古された喩えではあるがしょうがない。だってもう…ドラえもんなのである。

えっこの人この喋り方、この人まじなの?うそでしょ。ドラえもんでしょ?明らかに大山のぶ代意識してるんでしょ?

心の中で疑問を投げかけつつ、私の小指を一目見て即座にドラえもんは言った。

「これはレントゲェェエエン」

四次元ポケットォオオオ!と反射的に心の中で合いの手を入れる。明らかに何か秘密道具を出した感があった。しかしそこにはただ赤べこのように首を揺らす男大山のぶ代。残念ながらその丸い手にはボールペンしか握られていない。

わーレントゲンかあ。そうかあ、やっぱり折れてるかあ。痛いもんなあうんうんすっごい痛いもんなあ。

骨折と断定された訳ではない。しかしもう私の目にはパーペキに折れた可哀そうな小指ちゃんにしか見えない。ああ可哀そうに。こんなになってしまって。

こうなっては誰も同情してくれる人がいなので自分で自分を憐れむしかない。

「レントゲンですかあ」「レントゲンだねえぇ」「骨がいってるんでしょうか」「さあ分かんないけど、みんなやるんだあああ。タンスにぶつけてねえええ」

はっはっはっと豪快に笑うのぶ代。正直この先生の個性の前では私の可哀そうな小指の事など霞んでしまう。くっなんていいキャラなんだ。中川家に教えたい。

レントゲン室には院内でも多分一番若そうな女先生が案内してくれ、とりあえず台に乗る。真上からと真横からと撮り、数十分後再び診察室へ。

「先生どうでしたか」「わっかんないねえええ」「は…」「いやこれねえ、見えるでしょ、右から左に線入ってるの。骨折かなあヒビかなあ?」「私に聞かれましても」「わっかんないねえええ」「わかんないんですか」「うん分かんないから、また1週間後レントゲェェエエン!」

おいおいおい。

まじか。ここで判断できないのかドラえもん。ドラえもんのくせに。またレントゲン代6000円がかかるじゃないか。

そう心で訴えるも、まさかおくびに出すわけにもいかない。

「そうですか、わかんないんですね」「わかんないねえええ」「でもまあ、とりあえずヒビはいってるって事ですよね」「そうねえそうねえ」「わかりました、ありがとうございました」「うん、じゃ、固定ねええ。ここ3日は出血と浮腫がひどいだろうけど頑張ってねぇええ。それで3週間は固定具取れないからよろしくねぇええ」

のぶ代のダミ声に見送られ、処置室でレントゲン室のお姉さんに包帯ぐるぐる巻きにされる私の右足。

この時点ですでに10時半。打ち合わせは無論間に合わない。

間に合わない上に嵩むレントゲン代、夏場の3週間洗えない宣告を受ける、骨折だかヒビだかもはっきりしない中途半端な右足を見つめながら私は思った。

タダでは転ぶまい。即座に切り替えれれる所が私の数少ない長所である。

固定が難しいらしく何度も巻き直しをする看護師さん。その真剣な姿勢に私は推しを重ねた。ああこれは、好きになっちゃうやつやわ。手当てって遠慮がないから余計にダイレクトで人の温かさが伝わる。へえーこんな風に巻くんですねと世間話をしながら我がCP話の資料にせんと貪欲に情報を得る私。オタクの鑑。

かくして全治2ヶ月のヒビだか骨折だかわからない私の不便な生活が始まった。

せっかくの笑い話なのでまた定期的に書くこともあるかもしれないが、とりあえず目下風呂と外出がまじで面倒臭い事だけは言いたい。

昨年さんざんえらい目にあって、もう二度と病院の世話になんかなるもんか、それには早めの受診だと定期検査は欠かさなかったのに、ここにきてこんなネタのような怪我を負うとは思わなかった。

最後に皆様に一つ言いたい。厄払いは行くべき、使わない健康器具はすぐに仕舞うべきである。










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