るろ剣TheFinalを見てきた感想

通算約3年、楽しみに待っていたるろ実写を公開初日に見てきた。原作のファンになり20数年、これは1ファンの正直な感想である。


「剣心、贖罪の答えが出てなくない?」

これに尽きる。




TheFinalが人誅編として最初に、 TheBeginningが追憶編として後編に。この展開を風の噂に聞いてから正直ずっと嫌な予感がしていた。

なぜに悲しいお話しで終わるのです???ƪ(˘⌣˘)ʃ

あれ?人誅編の中の追憶編じゃあないんですのん?

まず現在の話と過去の話、別々でやる意味がわからなかった。私の中では追憶編は人誅編にとっての演出であり、あくまで主線の現在の中で語られる回想である。

もちろん追憶編はるろにとって絶対に外せない大事な話である。しかし巴さんが死んじゃった話で終わったら、どうやってるろ剣の根底にあるハッピーエンド、そしてビギニングに繋がるのかが全く想像ができない。原作のるろ剣は剣心の過去にフューチャーするのではなく、それを越えて未来に向かう話だからこそ少年漫画らしく大団円を迎えたのではないか。


とまあ色々不安はあるにせよ、第一弾、第二弾と成功を収めてきたあの大友組である。とやかく言わず見た。期待値をできるだけ下げて見た。結果。


やっぱ薫は死ななきゃだめ。だって剣心苦しんでないんだもの。

「薫が死んでない」→「剣心が苦しんでない」→「贖罪の答えが出せてない」→「出せてないまま縁倒して終わる」


はあん?(΄◉◞౪◟◉`)


いや終わってねぇわ。何にも解決してない。強い敵を今回も無事倒せましたってそれ刃衛編CCO編と同じことやってるだけやん。全然Finalできないんですけどどういうことやねん大友さん。

なんで薫殺さないかな。

もちろん実際生きているということは前提にして、やっぱり薫は殺されないとだめ。そこが剣心の苦しみであり、剣と心を賭して闘いの人生を完遂させる答えのトリガーなのに。縁は剣心に痛みではなく苦しみを与えたいんでしょ?赤べこ、前川さんとこ、署長さんとこ。そこが襲撃されても結局剣心が苦しむのってただの責任感じゃない?そこ襲われたって別に落人村落ちないでしょ。落ちなきゃだめでしょそこは。だって失わなきゃ得られないでしょおがあああ

京都編で海に落としたっちゃったからもうできない?時代的に死体人形を作る技術が見つからない?うーんこのパンフレットの監督の言葉を読んでも、納得できる術がない。

薫は殺されるべきだったよ。もしくは可哀想だけど何かしら痛めつけられるとか。

剣心が答え出せてないまま終わるのがこの作品の致命的欠陥。もうごめん、欠陥です。中途半端。すごいモヤモヤする。

神木宗次郎が出てきたのは良いとして、彼が敵を背に剣心送り出すとき「僕たちみたいな過去に囚われたままの人間に、あなたの答えを見せてください」的なセリフ言ってたはず。・・・それを受けての剣心のお言葉。

「自害は何度も考えた。けれどどうしてもそれが贖罪につながるとは思えなかった。今でもどうしたらいいかわからない」(意訳)


わからないままファイナルしちゃだめだろ。


わからないまま巴さんにさよならできちゃダメだろ。わからないまま薫殿とお手々繋いじゃだめだろ。

なんて言えばいいのだろう。ハンバーガー頼んだら1番大事なハンバーグ抜いて出された気分なのかもしれない。いや、バンズうまいよ?レタスもトマトもチーズも入ってうまいよ?でも〜1番大事なやつが入ってないんだわ〜。しかも一緒に欲しかったドリンク(追憶編)が全部食べた後に出てくるんだわー。いやードリンク事前に欲しかったな〜。それがないために口の中パッサパサで、なんかこう、詰まるまでいかないんだけど滑らかに入っていかないんだわ。一緒に食べたかったな追憶編。一緒だったらもっと美味しかったと確信があるだけに残念。役者さんの演技がいいだけに残念。

縁の怒りや慟哭も、剣心の「すまなかった縁」も、もし追憶編を見た後に見れたらもっともっと感情移入できたと思う。もったいない。私唯一感情動いたのまっけん縁が巴さんの日記抱きしめて泣くとこだけだわ。あれは良かった。まっけん縁は良かった。脚本以外は役者さんも美術も音楽もアクションも全てシリーズ最高と言っていいほど良かった。

アクションを観たいなら最高に楽しめるけど、るろ剣てそれだけじゃないからここまで人気が持続してるわけで。そして私のような作品に人生狂わされた人間が出てきてるわけで。

きっと監督は佐藤健が大好きで、彼をいっぱい撮りたかったんだろうなあ。追憶編なあ。今回でダイジェストを見たので正直あれを伸ばされてもなあ。見に行くかなあ?

本当に楽しみにしていただけに、こんな感想を持ってしまうのが自分でも辛い。シリーズ最終章として心から面白かった!と大拍手をして映画館を出たかった。本当に。

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