見出し画像

【入門】Godot Engineの始め方:開発環境をつくる

はじめに

こんにちは、たかとくという名前でGodot Engine関連の記事を書かせてもらっています。
日本ではマイナーの部類に入るGodot Engineを使い始めて早3年、今ではGodot Engineに関する電子書籍も出版してしまうほどGodot Engineを使えるようになったと自画自賛しておりますので(笑)、主に初心者向けの記事をnoteで無料執筆しています。

そもそもゲームエンジンって何ぞや?

ゲームエンジンが何かなんて知っているよって方は読み飛ばしてください。

まず、ゲームエンジンとはざっくり言うと「ゲームを作るのに必要な様々な処理をパッケージ化してアプリにしたもの」です。

例えば野球やサッカーなどの球技のゲームを作るケースを考えてみましょう。

球技のゲームにはボールを必ず使用しますが、地面でバウンドした時の跳ね返ったときの処理や、蹴られたり打たれたりしたときの放物線の描き方など、いちいち1つ1つプログラミングしていたら時間や工数が膨大になります。

それに対しゲームエンジンではボールの大きさや速度、重さ、反発係数を設定するだけでそれらを全て勝手に処理してくれます。

これにより、時間や工数が削減されることで、制作者はよりゲームの本質的な部分に集中できることがゲームエンジンを使用するメリットとなります。

なんでGodot Engineを使うの?

ご存じのかたも多いかと思いますが、巷にはゲームエンジンがたくさん存在しており、その中でも日本でメジャーなのはUnityとUnreal Engineです。
ネットにあふれる情報も上記2エンジンが主流となっているので、操作に困ったときに調べやすいのは圧倒的にUnityとUnreal Engineです。

じゃあなぜ私がGodot Engineを使い続けているかというと、以下2つの理由があります。

  • Godot Engine専用プログラミング言語のGDScriptがゲーム開発言語として圧倒的に優れている

  • 有志による質の高い無料ツールが充実している

・Godot Engine専用プログラミング言語のGDScriptがゲーム開発言語として圧倒的に優れている
Godot EngineではC#も使用できますが、GDScriptという独自のプログラミング言語を備えています。
専用のプログラミング言語だと学習コストがかかるのか、、、と思いがちですが。GDScriptはかなり簡単な言語であり、他の言語で開発経験のある人であれば1日でマスター出来ます。
対してUnityはC#、Unreal EngineはC++と専用言語ではありませんので、初心者から始めると学習コストが非常に高いです。

また、専用言語であることから、強力な入力補完機能をもったエディタがゲームエンジン内に内蔵されています。
あるモデルのパラメータを持っていきたいときもエディタ内でドラッグアンドドロップするだけで持ってこれたり、物の見た目を決めるマテリアルやシェーダーと呼ばれる機能のプログラムをするときは変更内容が即座にモデルに反映されるのでとても開発効率が良いです。

・有志による質の高い無料ツールが充実している
Godot Engineが有志によって開発されているツールであり、使用料も完全無料ツールであることから、Godot Engineで使用できるアドオンツール(アセットと言います)もほとんどが有志により無料で提供されています。
※UnityやUnreal Engineも無料のアセットはありますが、便利なものほど有料というパターンが多いです。

無料なので質が悪いんじゃないの・・・?という疑問があるかもしれませんが、UnityやUnreal Engineの有料アセットに負けず劣らずかなり質の高いアセットが多いです。

例えば川の3Dデータを作るためのGodot Engineのアセットがこれです。

WaterWaysアセットで川を作成

水特有の反射や屈折、境界面での流れの変化がかなりリアルに表現できていますね。
これ、WaterWaysというGodot Engineの無料アセットを使って2分程度で作成したものです。これだけであればプログラミング作業も一切不要でリアルな川が作れます。
他のツールだとここまで質の高い無料アセットはなかなかありません。

以上2つがGodot Engineで開発を続けている理由です。

Godot Engineの難しいところ

何度か記載していますが、Godot Engineを始めるにあたっては以下2つの壁があります。

  • 日本語の情報少なすぎ

  • 問題があったときにGodot Engineが悪いのか自分が悪いのか分からない

・日本語の情報少なすぎ
私はこういう記事を書いている理由でもあるのですが、Godot Engineがあまり日本で普及しない理由の大きな要因が日本語情報が少ないことです。(普及していないから情報が少ない?卵が先か鶏が先かの話になってしまいますが。)
私の日本語情報をきっかけに猛者が更にGodot Engineを切り開いていってくれることを少し期待しています。

・問題があったときにGodot Engineが悪いのか自分が悪いのか分からない
有志による開発であることに起因するのですが、新機能をリリースするときにチェックする人員が少ないため、新機能には多少なりともバグがあることが多いです。
MITライセンスのツールにおいては使用する人を含めたみんなで良いものにしていこうという風潮が強いのでそういうものだと思って諦めてください。
そのため、ある程度Godot Engineの機能を把握して色々と出来るようになってくると、問題が起きた際の原因を調べる能力が必要になってきます。

ただ、心配する必要はありません。
初心者の内は大抵、自分が原因であることがほとんどです。(笑)

Godot Engineの環境構築

さて、前置きはこのぐらいにしていよいよGodot Engineのインストール作業を解説します。
Godot Engineの公式サイトにアクセスします。(https://godotengine.org/
トップページのすぐ下にダウンロードのリンクがあります。

ここからダウンロードページに飛べます

ダウンロードの際にStandard VersionかMono Versionを選択することになりますが、Standard Versionがおすすめです。
ダウンロードしたらzipファイルを解凍して、適当に好きな場所に置けば完了です。

こっちがおすすめ

なお、それぞれのバージョンの違いについてですが、Standard VersionはGDScriptを使用します。対してMono VersionではC#を使用することが出来ます。

前述のとおり、私はゲームエンジン用言語としてみた場合GDScriptの方が優れていると思いますので、Standard Versionをお勧めしています。

そして解凍したフォルダのexeファイルを実行するとGodot Engineが使用できます。
管理者権限も不要!しかもソフトのデータサイズは数十MB!素晴らしいですね。

ファイルはこれだけ

初期設定とプロジェクトの作成まで

さて、環境構築自体は終了したのですが、ついでに最初にしておいた方がよい設定等も解説しておきましょうか。

・エディタの日本語対応
最初は表示言語が英語になっているかと思います。
一応、日本語対応もされていますので変更しておきましょう。
ひとまず「New Project」で適当にプロジェクトを作成した後、メニューの「Editor」→「Editor Settings」→「Interface」→「Editor」から「Editor Language」の設定を「ja」にした後、一度Godot Engineを終了して再起動すれば日本語表示となります。

en→jaにして日本語化しておきましょう

・プロジェクトのデフォルト保存先変更
デフォルトだとユーザーのドキュメントフォルダにプロジェクトフォルダを作成する設定になっています。
これだとプロジェクトが増えるたびにドキュメントフォルダが埋め尽くされていきますので、Godotなどの名前でフォルダを作成して、その中にGodotのファイルが管理される状態にしておくことをおすすめします。
※どうしてもドキュメントフォルダって他のアプリとかでも埋まりやすいんですよね。。。

デフォルトでプロジェクトが作成されるフォルダを変更しましょう

最後に

Godot Engineのメリットや使用できるまでの環境構築の解説をしていきました。
今後は3DゲームをGodot Engineで作るためのTipsをnoteで公開する予定です。

なお、2Dゲームで一通りの作業手順を体感したい方は有料にはなってしまいますが、電子書籍として出版しておりますのでご覧いただければと思います。(Amazon Kindle Unlimitedのサブスク会員であれば無料です)

また、これから書こうとしているnote記事は基本的に当方が管理しているWEBサイトをTips集としてまとめたものになります。
最新のTips集やGodot Engineで使用できる素材等、WEBサイトで公開しておりますので合わせてご覧いただけると幸いです。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?