週刊修習第1話〜始まりと終わりのプロローグ〜

このnoteは、己の哲学的内省と学術的研鑽を主に据えつつ、異例な形で行われることとなった第74期司法修習についてその実態を綴り後世へと継承するという崇高な理念をも兼ね備えた一記録である。

1.自己紹介

この手記を始めるにあたって、私がどのような生い立ちで、いかなる前前前世の業を背負い、何のために生まれて何をして生きるのかについて詳らかに明らかにすべきかもしれないが、あんまり長くなると読者を退屈させてしまうと思うので手短に済ませよう。

生まれは異国、育ちは日本、父は会社員母は主婦という一般家庭の下で、ごく平凡な幼稚園と小学校、自然と野生に溢れる中高一貫校、その名を全国に轟かせる名門河合塾、中堅大学、中堅ロースクール、無職を経て現在に至る第74期司法修習生である。
大学・ロースクールのGPA、予備試験及び司法試験の成績その全てが中程度というまごう事なき司法研修所の中等生である。
特定を恐れるあまり松屋の味噌汁並みに薄味に仕上がってしまった上記自己紹介が示す通り、任意の司法修習生からありとあらゆる個性を剥奪した残滓に申し訳程度に異国生まれというトッピングを加えたのがこの私である。
なお、その国には生後1年以外の滞在経験はなく、残念ながら帰国子女とドヤ顔できるほどの何かすら欠片も持ち合わせていない。
以上がごく簡単なプロフィールである。私が法曹を志望した理由や関心分野、大学1年で初めてできた恋人にクリスマスプレゼントで4℃のハート型ネックレスを贈り破局後無事メルカリで売られた話、私の前前前世が異世界で繰り広げたチーレム無双についてはここでは割愛して今後折に触れて言及することとする。

2.当noteについて

このnoteを始めた動機の建前については冒頭に記した通りだが、あんなものは24時間テレビを始めとする世の大半の綺麗事がそうであるように所詮建前に過ぎず、140字程度では到底収まりきらない己の自己承認欲求を発露する場として存分に活用していく所存である。
ただ一つ明言しておきたいのが善良なる市民たる読者諸氏を利用し小銭を稼いでやろうという卑小な魂胆は一切ないということだ。(この点私のnoteの方が24時間テレビに対し道徳的優位に立っていると言えよう。)
無論収益化をする予定もなければ、クラウドファンディングもオンラインサロンも行うつもりはない。
まあ、どうしてもというのなら書籍化、コミカライズ、連続ドラマ化、実写映画化はやぶさかではないが。本当はそんなこと私自身はこれっぽっちも望んでいないが。ちなみにキャストは主演:神木隆之介、ヒロイン:浜辺美波、川口春奈、教官:木村拓哉、被告人:西◯亮廣、伊◯祐、銀◯図◯館、黒幕:寺田◯心、友情出演:竈門炭◯郎でお願いしたい。
なお、司法研修所ひいては国家に生殺与奪の権を握られた身として守秘義務に縛られている関係上、修習の中身についても具体的なものに立ち入って話すことは出来ない。
もし貴方が不幸にも当noteの内容を無味乾燥なものと錯覚してしまったとしたら、それは諸悪の根源たる司法研修所のせいであり、私の知覚・認識・記憶・表現に問題があるからではないことを付言しておく。
けして敵を間違えてはいけない。

悲壮な長文自語りに既に辟易としてしまったであろう読者諸氏のためにもここらへんで前置きは〆ることにして、記念すべき第1週の記録を残していくことにしよう。

3.民事第1審手続(?)

手元に資料がないためよく思い出せないが、ちゃんと記録を読んでおこうと思った。

4.民事弁護

ガチで何やったか忘れた。

5.検察

ちゃんと事前課題を解説してくれた。

6.刑事裁判

自分語りが私の50倍程度長いオモロいおっちゃんだった。

7.刑事弁護

接見の練習をした、楽しかった。

8.即日起案(民裁)

設問の意味がよく分からなかった。

9.即日起案(刑裁)

書き方が結局よく分からなかった。

ということで「週刊」と銘打ちつつ恐らく1ヶ月後には隔週、2ヶ月後には月刊、3ヶ月後には季刊、4ヶ月後には廃刊となっているであろう当noteを今後も生温かい目で見守ってくれると有難い。










とまあ流石に知覚・認識・記憶・表現の全てに致命的な欠陥を抱えた感想を世に送り出した日には全他者を攻撃対象に据えるデスゲームネット社会において非難殺到・炎上必至で「お前のこと教官にチクって罷免にしてやるwww」という謎の脅迫を受けることすら免れないだろうので、改めて講義及び起案の感想を綴りたいと思う。

講義
率直に言って、想定より遥かに分かりやすく良かった。私がこのようなことを書くと不本意なことに脅迫や賄賂の供与を疑われてしまいがちなのだが、これは本心からの嘘偽りなき言葉であることを大日如来天照大神イエスキリストブッダギンザトショカンその他遍く神仏に誓わせてもらいたい。
「教官」と聞くとどうしても威圧的な印象を受けるが、少なくとも当クラスの担当教官にそのようなパワー系の方はおらず、皆人当たりが良く、パワポやDVDを活用した指導も上手いように思う。日々催眠術の技術向上にのみ明け暮れる幣大学・ロースクール教員は教官殿の爪の垢を煎じて飲むべきではないかと思わせるほどだ。
また、やや割とかなりADHDの気がある私にも有難いことに講義で見逃した場面は録画されたものを視聴することで補うことができる。
なけなしの金をはたいてデュアルディスプレイの環境を整えたことも相まって受講環境も快適で、特段のトラブルも現時点では起きていない(あえて1つあげるとすれば、Teamsのチャネル・タブが無駄に多くどこにどのファイルがあるか頻繁に分からなくなることくらいか)。
さらに通勤時間0で講義終了後0秒でベッドへダイブすることが出来る、忘れ物の心配がない、実家なので出費を抑えられるetc……とメリットを挙げると枚挙にいとまがない。
内容面についても、確かにGLならぬGDは対面で行った方が話は進めやすいかもしれないが、弁論準備手続や接見の模擬実演は特段支障はなく、むしろあまりにも遅々とした日本の裁判手続等のIT化に一筋の光明が差したようにすら感じられた。

起案
Wordで配布された起案用書式に打ち込み、それをコピペしてteamsのフォームに貼り付けるやや面倒な形式で行われた。
民事は要件事実、刑事は事実認定を中心に問われる問題で、どちらも配布記録を読ませたうえで設問に答える方式であった。
特に刑事は記録の量がそこそこあり、速読よりも行間からツイート主の思想性格性癖その他諸々を読み取る精読を得意分野とする自分にとってはこの読み込みだけでも一苦労だった。
その上タイピングが四足歩行を覚えたての稚児に鼻で笑われる程度に遅いため、提出が間に合うか極めて不安だったが、同じ部分はコピペを使うことで何とか事なきを得た。書く順番が滅茶苦茶でもなんとかなったのはタイピング方式故だろう。
中身については学術的価値・芸術的価値共に未知数、処理に伴う環境負荷は0のためセクシー大臣に有料化される恐れもないSDGsの賜物である。端的に換言すれば、塵芥だ。今後上映予定・興収300億円見込の無限伸び代編に期待する他ないだろう。

総評
史上初のオンライン導入修習ということでご立派な先生からイキリツイッタラーBまで数多の先達から「和光でできないなんて可哀想に……」という憐憫の言葉が投げかけられたが、私に限って言えば現時点で不満はほぼない。
無論うたげんちゅ(世間一般で言うパリピ)の方々が、和光で繰り広げられていたはずの友情と恋愛に彩られた美しい日々が手の平から零れ落ちたことを嘆くのは是非もないことであろう。
ただ、卒業後の社会的孤独(一月あたりのLINE受信メッセージ数最少記録:2)に飼い慣らされた私にとってはむしろ従来の形式の方が辛かったに違いないというだけの話だ。
言うまでもなくこのことはTwitter等を介した修習生同士の邂逅を否定するものではないし、何なら私も才媛からの交流希望はマリアナ海溝よりも深いと言われる度量で全力で受け止める所存である。
端的に換言すれば、鈴◯光さんいつでもご連絡お待ちしております。

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